オーケストラの記者発表会をモニター     (新日本フィルハーモニー交響楽団) 本文へジャンプ
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はじめに
今までプロのオケのリハーサルは見学したことがあるが、このような記者会見に同席したことは一度も無い。
一般人をモニターとして呼ぶことは、他のオケでも実施したことは無く、今回は全く新しい試みのようだ。貴重で得がたい体験をすることが出来た。

場所はすみだトリフォニーホールの並びの東武ホテル3階の宴会場だった。

新聞、雑誌、音楽関係者等の席の横に我々モニターの席が設けられてたが、一般人の参加者は十数名、女性も数名見受けられた。


記者発表のあらまし
5月12日 14時から始まり16時前に終わったが、ひな壇には真ん中に音楽監督の
アルミンク氏、左右にコンマスの崔文洙氏、楽団の専務理事、トリフォニーホールの事務局長、その他関係者の方々がが並び、女性の広報担当プロデューサーの司会で進行した。


会議の模様は?
非常に内容豊富な資料が配布されたが、その中から当日の会議の内容についてお示ししておきたい。


これで分かるように、まず向こう2年間の演奏会活動の概要について、次に現音楽監督の
アルミンク氏が引き続いて重責を担い、その結果10年の長きにわたり務めることになったこと.。
また、来年2月にフランスブリュツヘンによるベートーベンの交響曲連続全曲演奏などについて詳しい説明があった。
新たな試みとして、少数精鋭の指揮者陣で挑む。これは、ともにすごす時間を多く取ることによって「選りすぐりの三人の指揮者をより深く知る機会」を届けたい、 というアルミンク氏のこだわりから実現したものだ。

●これからのシーズンの指揮者は豪華な顔ぶれ
(以下写真、時計回りに アルミンク、 ハーデング、インゴメッツマッハー、ブリュッヘン の諸氏)


コメントは音楽監督のアルミンク氏とコンサートマスターの崔氏が中心で、必要に応じて隣の女性同時通訳を介して行われた。

会議の内容は長くなるので省くが、映像をふんだんに使い、よく工夫され、我々素人も厭きずに聞くことが出来た。
アルミンク氏は終始にこやかで、ユーモアも交え対応したが、記者団から指摘や批判、質問が出た時にはさすがに笑い顔は消え、少し緊張しているようにも見受けられた。
しかし厳しいなと思われる記者の意見にもいやな顔せず、「ご意見ありがとう」と終始大人の受け答えしていた。
同席のコンサートマスターも同様であった。


◆写真は新日本フィルハーモニー公式サイトから引用


◆アルミンク氏の音楽監督としての抱負や思い
氏はウイーンのご出身だが、オーケストラの本拠地である墨田区とトリフォニーホールを愛し、楽団員との信頼関係の構築、維持を大事にしたいと述べていた。
また今後特に注力するコンサートとして、本年9月のヴェルディの「レクイエム」、
2011年7月のコンサート形式によるワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」を上げていた。
さらに来春、新国立劇場でR・シュトラウスの「ばらの騎士」の公演をあげ、このことをうれしく思っているとコメントした。
いずれも大曲だが、特に氏のオペラ公演は常に高い評価を得ていると聞いており、大変興味があるし期待も大きいものと思われる。いずれもぜひ観聞きしたい公演だ。
そしてご自身のお気に入りの作曲家としてヤナーチェックとマルチヌーを上げたのは興味深かった。
なお、コンサートマスターの崔氏は、豪華メンバーの指揮者と団員の橋渡しとしてきわめて重要な役割を演ずることになるが、今まで共演したときの模様や、マエストロの
音楽造りなど興味ある重要な話をしていただいた。
なお、発言の詳しい内容は下記公式サイトを参照されたい。

◆詳しい内容は新日本フィルハーモニーの下記サイトを参照
・記者会見情報
http://www.njp.or.jp/njp/information/index.html#info10512
・2010/2011シーズン特集
http://www.njp.or.jp/njp/2010-11season/index.html
・BEETHOVEN PROJECT特集
http://www.triphony.com/beethovenproject/

 
◆アルミンク氏の実力と人気を ツイート する
現代若手指揮者の中で今最も -旬- のマエストロと云って差し支えないだろう。 とにかくかっこいい !  そして紡ぎ出す音楽は実に美しくしなやかで、しかも力強い。
俳優顔負けのイケメン…と云うより、真のナイスガイだから女性ファンは間違いなく大勢いる。 カミさんも知り合いの女性も大ファンだ。   これは大きな強みだと思う。
 指揮は見せる要素も大きい。私はタクト捌きや、ボディアクション、表情なども楽しく音楽を聴かせる上での重要な要素だと思っている。
首を傾げたくなる奇妙キテレツな身振りをするヘンなコンダクターもいるが、氏は素人が見てもけれんみが無く、分かりやすくメリハリが利いた指揮ぶりだと思う。 
この俊英の指揮者が残した功績は絶大であり、人気実力とも今後ますます上がるだろう。
 

最近話題のCDについて
四月に、わが国ではあまりなじみが無いフランツ
シュミットのオラトリオ「七つの封印をする書」
リリースされた。わが国では殆ど演奏されたことがないオラトリオだ。
CD二枚ものの大曲で、壮大でドラマチック、
パイプオルガンが効果的な曲だ。
演奏は緻密でダイナミック、説得力と緊迫感、最後の盛り上げ方はスゴイ !。
現在キャンペーンの最中なので興味がある方は下記
URLをクリックしてください。

CDのジャケット
●七つの封印を有する書」CDキャンペーン
http://www.njp.or.jp/njp/campaign/index.html
終わりに、とりとめもない感想を つぶやく…
現在わが国のオーケストラの活動は、多額の受信料をつぎ込んでいる超裕福なNHK専属のオケは別にして、経済的に見ると厳しい状況に置かれていると仄聞している。
クラシック離れが云々され、聴衆の年齢層も年々上がり、老人が多くなったのも悩みの種だ。これは世界的な傾向だが、どんなよい演奏をしても聴いてもらえなければ意味が無い。
手立ては魅力ある企画を打ち出しPRし、これからの若い人々の関心をひきつけることが最重要課題だと思われる。
だが「のだめカンタービレ」の成功例に見られるように、工夫次第で若い層のファンの開拓は決して夢ではない。最近在京のオケはそれぞれ工夫していると思われるが、クラシックの裾野を広げるためには絶えず、あらゆる方法で意識した取り組みが必要だと思われる。

今回一般モニターとして記者発表に参加してみて、新日本フィルがそれに真摯に向き合い努力を重ね、国技館5000人の「第九」の本拠地、墨田区やトリフォニーホールも一体で、地域の音楽文化の向上に努めている様子をうかがい知ることが出来た。

新日本フィルの今後のコンサートの演目は、とても魅力的かつ意欲的で、クラシックファンとしては見逃せない。
特に少数精鋭の指揮者陣はすごいメンバーだ。 こんな陣容は外国の一流のオーケストラでも揃えるのは困難ではないかと思われる。いまやわが国のオーケストラの技術水準は欧米に比して何ら遜色はないと思われるが、西洋音楽の本当の心を伝えるには伝統がものをいう世界だと思われる。
私個人としてはメツッマッハー以外は過去に聴く機会があり、CDのコレクションも数枚持っているが、特にダニエル・ハーディングがマーラー室内管弦楽団と共に来日した際、NHKホールで聴いたことがあり、非常に感銘を受けたのを今でも覚えている。  おわり  (10/05/24)