11/24/05

文化都市創造宣言イベントB河合文化庁長官の講演・フルート演奏

 人間国宝の狂言野村萬さんのあと、特別講師として、河合隼雄文化庁長官の講演と長官自らのフルート演奏がありました。講演ではユングの分析心理学の大家として、精神医学の分野から経済と文化の関係について述べられ「文化と経済の両輪で日本を元気に」という文化庁長官就任当時のご自信の決意を披露されました。
 例えば、高学歴の企業戦士が診察にきて「あなたは高学歴で会社にはなくてはならない方だから、頑張りなさい」と激励すると自殺してしまう。重要なのは専ら辛抱強く聞く℃p勢に徹する事。帰り際に「5日後に又来てください」と言って次にきた時は又、ひたすら聞いてあげる=Bそれを繰り返しているうちに患者さんの方で「今日は街路樹が綺麗に見えました」「それなら和歌でも作ったら?」、後日、新聞の短歌で入選し、患者自らが落ち着きを取り戻し、社会復帰を飾り、会社の同僚から「人間が大きくなられましたね」と言われる、という事例を引きながら、今まで日本はあまりにも経済のみを考え過ぎた、文化は人間の生き方そのものであり、文化を大切にし、広く民衆が文化に触れることが、車の両輪の如くこれから大切である。と話されました。
 具体的な例として、大阪で「ナイトカルチャー」というPM7:30からのコンサートが大好評であることを挙げられ、仕事帰りに充分間に合う時間に開演し、終了後は家族で食事をできるように、周辺のお店と協働しPM10時、11時まで営業をするようにする取り組みであるとか、そのようなコンサートに夫婦2人と子ども1人の場合、1人分は企業が負担し、2人分の負担で家族が芸術に親しめる企業の取り組みを紹介されました。
 講演後、ご自身がフルートの演奏を、文化庁職員の方と一緒にしてくださり、参加者から大きな声援と拍手がありました。
 終了後、河合長官、野村先生等来賓への御礼の懇親会があり、私は、長橋都議と一緒に、河合長官、小田島先生、粕谷先生とご挨拶し記念撮影しました。
 


後列左から高野区長、河合長官、小田島先生、粕谷先生」

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