第35回 グローバル化社会の教育研究会のご案内 | |||||||||||||||||||||||||||
桜の花が満開となり春爛漫の時候です。 皆様いかがお過ごしでしょうか。 さて、第35回グローバル化社会の教育研究会(EGS)研究会は、(財)波多野ファミリスクールの大藏 守久さん(同財団理事)に話題提供を お願いしました。 皆様ご存知のとおり、波多野ファミリスクールは 「海外子女教育・帰国子女教育の発祥の地」といっても過言ではありません。 1963年(昭和38)に児童心理学者の波多野勤子さんが「(財) 母親乃学園」を設立されて以来、海外子女通信教育、帰国児国際学級、夫人のための海外赴任講座など、1970年代の海外子女教育創生期を先導する活動の"拠点"となっていました。 EGS研究会は8年目を迎えますが、関係者にとって"故郷"ともいえる波多野ファミリスクールで、大藏さんから 海外子女教育・帰国子女教育の原点から将来への展望までのお話を伺い、それを基に話し合いたいと思います。
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以 上 |
グローバル化社会の教育研究会は4月16日、(財)波多野ファミリスクール(東京都新宿区)において
「波多野の国際教育を振り返り、《これから》を考える」
を研修テーマに35回目となる研究会を行った。 当日は文部科学省や企業の教育相談室をはじめ、帰国子女教育をサポートする団体などから25人が参加した。 会ではまず、(財)波多野ファミリスクール理事の大藏守久氏から 同スクールの事業について説明がされた。 大藏氏によると、波多野ファミリスクールは1963年に設立された 「(財)母親乃学園」が母体で、通信添削や教室事業などを通していち早く海外・帰国子女のための活動を行ってきた。 78年には文部省委嘱事業として小・中学校への就学義務が猶予される 「帰国児国際学級」を開設し、日本語力の不足から年齢相応の学年への編入が困難な児童生徒に、日本語や学校生活を送る上で必要な指導を行う。 この学級は、88年に外国人児童生徒の入学増加に伴い「帰国児等国際学級」と名称を変更。 98年までの20年間で1,200人、別に一時帰国生を対象に夏休みに行ったセミナーでは 延べ500人の児童生徒を受け入れてきたが、文部省委嘱の終了とともに閉鎖をしたという。 現在は こうした日本語指導・教科指導にとどまらず、長年の国際教育から得た知見を 逆に広く幼児・言語・体育教育といった分野で生かしている。 今後は 国際学級を再開することも視野に、国際教育の分野でもできる限りの社会貢献をしていきたいと語った。 続いて設けられた自由協議の場では、帰国生が直面している日本語の教科指導に関する問題が提起され、「小学校の高学年になるにつれ、教科学習特有の表現の壁にぶつかる」 「日本の教科学習について深いところまで理解できていなくても、日常生活では一見不自由なく日本語を使用していることで、かえって問題が表面化しづらくなっている」など、活発な意見交換がされた。 参加者からは 「帰国子女教育は近年、制度面での優先順位は下がっているが、国や自治体だけでなく社会で解決していくべき問題だと改めて思った」 「帰国生のよいところである物事を多面的にとらえる力や、上意下達型ではなく自分でまず考えてみるという習慣などを育てている波多野の教育が、日本でももっと広がればと感じた」 といった感想が聞かれた。 |