第41回 グローバル化社会の教育研究会のご案内
拝啓、秋も大分深まってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
  7月のEGS研究会が『月刊・海外子女教育』9月号で紹介されました。 久し振りに開催してみて、EGS研究会の果たすべき役割のようなものを改めて感じた次第です。 たとえ「同窓会」のような感じになったとしても、海外子女教育・帰国子女教育の関係者の情報共有と相互支援のネットワークは大事にしていきたいと、事務局一同、思いを新たにしています。

  さて、次回は年末恒例の近況報告会ですが、JOBAの佐藤光洋さんから話題提供をいただけることになりました。
  JOBAは1981年に わが国の学習塾としては初めて海外展開を始めた塾でして、「帰国子女専門の塾」としての地位を保っています。 学習塾から見て 海外子女やその保護者の様子は30年間で どう変わってきたのかをお話しいただきます。
  後半は、佐藤さんのお話を呼び水にして、「各自の近況報告」の形で楽しく過ごしましょう。
開催日時 :  2012年12月 1日(土)  午後1時〜3時半
開催場所 : 聖 学 院 中 学 校 ・ 高 等 学 校
(東京都北区中里3−12−1 Tel.03-3917-1121)  地図
* JR山の手線「駒込駅」東口より徒歩5分、地下鉄南北線「駒込駅」北口より徒歩7分
研修テーマ: 学習塾から見た帰国子女教育
                --- これまでの振り返りと、これから
 (1) 話題提供: 佐 藤 光 洋  (JOBA赴任前アジア地区-帰国枠受験相談員)
1990年から1999年までシンガポールJOBA海外校 校長。海外生を指導するとともに 在外企業への帯同子女に関する教育カウンセリングおよび、現地高校生による日本語スピーチコンテストの開催等を通して現地との交流に努める。 また、マレーシア、インドネシア、タイなどで教育セミナーを開催し、その講師を担当。 帰国後は主にアジア地域での教育環境、帯同子女の心理的な問題に対してのカウンセリング、帰国に際しての進路相談などを担当。
 (2) 自由協議: 話題提供の後、ご意見・ご質問をたくさんいただき、活発な会にしたいと考えています。
参 加 費: 1,000円 (運営費)
申込み方法: 氏名、所属先、Eメール連絡先、(もしあれば)同伴者の氏名、ご意見・ご要望などを <kyoiku@t.toshima.ne.jp>まで ご連絡ください。
以 上   


『月刊 海外子女教育』 2013年 2月号ニュース欄
  グローバル化社会の教育研究会(EGS・小山和智事務局長) は12月1日、聖学院中学校高等学校(東京都北区)において「学習塾から見た帰国子女教育―これまでのふり返りと、これから」を研修テーマに研究会を行った。
  同研究会は2003年の発足以来、帰国子女、教職員、企業の教育相談員、子どもを抱える海外勤務者の家庭を支援するボランティア団体などのネットワークとして活動している。 毎回異なるテーマで研究会を開いていて、今回は25人の参加があった。
  会では JOBAの佐藤光洋氏の発表をもとに 参加者が意見交換を行った。 JOBAは1981年から海外展開している海外・帰国子女教育の専門機関。 佐藤氏は1990年から99年まで シンガポール校の校長として海外生を指導し、現在は 相談員としてアジアの教育事情や子どもの心理的な問題などについて、赴任前のカウンセリングと帰国に際しての進路相談に当たっている。
  佐藤氏は発表の中で、以前と比べ変わっているのは 子ども自身ではなく、子どもを取り巻く環境であるとして、近年見られる傾向に帰国生受け入れ校の多様化、駐在家庭の低年齢化、そして家庭環境の変化を挙げた。 家庭においては、父親の教育への参画が目立ちつつあり、これにより過去の父親の成功体験と子どもが直面する現実との間で 家庭の教育観がブレるケースが増えているという。 その例として、高校受験において進学実績や知名度で学校を選んだばかりに、入学後に学業についていけなかったり自分の居場所を見つけられなかったりして苦労するケースや、中学受験において父親の赴任期間が残っていることもあって 中途半端な対策で試験に臨み、思わしくない結果になって子どもが傷つくケースを紹介した。
  そのうえで佐藤氏は、出国前の段階から保護者が本音で話し合い、限られた期間の海外生活において、子どもにほんとうに獲得してほしいものは何か、ということを真剣に考えることが 各家庭での価値観の共有、教育方針の確立につながる。 ひいてはそれが、子どもの海外生活のあり方を決めていくことになる。 だからこそ、そういった機会を事前につくることの重要性を各家庭に広く、そして丁寧に告知していくことが求められているのではないかと訴えた。
  参加者による協議では、「さまざまなタイプの受け入れ校ができたが、それぞれの学校が帰国生に望むことをしっかり発信することで、子どもは家庭の教育方針のもと海外でも安心して勉強に励むことができるようになると思う」 など、活発な意見が交わされた。


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