第44回 グローバル化社会の教育研究会のご案内
新年度がスタートして1ト月、風薫る5月です。 皆様いかがお過ごしでしょうか?
  グローバル化社会の教育研究会(EGS)は 昨年5月に活動を停止し、ご心配をおかけしましたが、このたび活動を再開することになりました。 今後ともご支援・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

  さて、第44回EGS研究会は、事務局長の小山から上海報告ならびに各地の日本人学校が直面する問題の整理、自民党にできた議員連盟など海外子女教育の現状報告を行うとともに、 「今後のEGSへの要望等を参加の皆様から聞く会」といたします。
  EGS研究会は 2003年4月以来、海外子女・帰国子女教育等に関わる皆様のネットワークとして 10余年歩んできました。 今や 「グローバル」という言葉を聞かない日はないほどになっていますが、教育現場において「グローバルとは何か」の検討・確認が十分になされているのでしょうか。 かつての「国際化」と 何がどう異なるのでしょうか?
  今回は、EGS研究会の今後を、皆様と一緒に考える機会にしたいと思います。
開催日時 :  2014年 5月30日(金) 午後2時〜4時半
開催場所 : 聖 学 院 中 学 校 ・ 高 等 学 校
(東京都北区中里3−12−1 Tel.03-3917-1121)  地図
* JR山の手線「駒込駅」東口より徒歩5分、地下鉄南北線「駒込駅」北口より徒歩7分
研修テーマ: 上海から見た海外子女教育の報告、
          今後のEGSへの要望等を参加の皆様から聞く会
 (1) 話題提供: 小 山 和 智 (国際教育相談員/EGS事務局長)
1952年広島生まれ。立教大学法学部法学科卒。目白大学研究科修士修了(国際学)。 海外子女教育振興財団で、駐在員夫人渡航前研修や帰国子女のための外国語保持教室などを担当。 ジャカルタ日本人学校事務長、クアラルンプール 日本人学校国際交流ディレクター、啓明学園国際教育センター所長、順心広尾学園 校長補佐を歴任。 2010年 上海の高校開設に着手し、2011年から3年間、上海日本人学校に赴任。 著書に 『インドネシア・マレイシア駐在員マニュアル』(旺史社)、『海外赴任のためのリロケーションガイド』(NNA他) のほか、ビデオ教材『中国人の交渉術と価値観』(ジオモンド社) などがある。
 (2) 自由協議: 話題提供の後、ご意見・ご質問をたくさんいただき、活発な会にしたいと考えています。
参 加 費: 1,000円 (運営費)
申込み方法: 氏名、所属先、Eメール連絡先、(もしあれば)同伴者の氏名、ご意見・ご要望などを <kyoiku@t.toshima.ne.jp>まで ご連絡ください。
以 上   

『小山の教育通信』 2014年 6月
  5月30日(金)に グローバル化社会の教育研究会(EGS) が 1年3か月振りに開かれました。 今後の研究会の持ち方等について皆様から要望を伺いましたが、基本的には従来通りの形で進めてまいります。
  EGS研究会は、特定の理念や政策案を構築 もしくは追求したり、何かを社会に訴えていったりするような組織ではなく、「さまざまな現場で主体的に仕事をするなかで悩んだり孤独を感じたりしている者同士が交流し 心の拠り所となるような場 (Platform)」 でありたいと思います。 なぜなら、その方が 遥かに現実の対応の助けになり、政府や公的機関がやれば数年かかることでも、数か月で (しかも余りお金もかけずに) 実現できることが多いのです。
  ここ数年、「プラットフォーム」 を冠した会を よく見かけるようになりました。 「ネットワーク」 も 「プラットフォーム」 も基本的には同じ "自由な空間" を意味します。 EGS研究会も 「プラットフォーム」 として、新しい 「公共」 の創出に貢献できれば幸いです。
  <ご参考>帰国子女等の受け入れと国際教育の足跡--- 民間活動団体の歴史と分析』(2003年)

◆ EGSは 「井戸端会議同然」で構いません。 参加者が各々の目的や利益、事情を抱えながら、どう この世界に働きかけていけるのかを考える場、あるいは意見や立場は全く異なっても 「自由な空間」で “志” を確かめ合える場 であればよいと考えます。


『月刊 海外子女教育』 2014年 7月号ニュース欄
  グローバル化社会の教育研究会は5月30日、聖学院中学校高等学校(東京都北区)において 「上海から見た海外子女教育の報告」 等をテーマに研究会を行った。
  同研究会は2003年の発足以来、毎回異なるテーマで研究会を開いている。 約一年ぶりとなる今回は、国際教育相談員で同研究会の事務局長である 小山和智氏の発題をもとに、来場者が意見を交換し合った。 海外子女・帰国子女教育の関係者など 24人の参加があった。
  小山氏は 日本人学校で初の高等部が設置された上海日本人学校から帰国したばかり。 高等部を立ち上げたあとに、三年にわたり 同校の学校事業計画室長を務めた。
  はじめに、海外子女数は アジアを中心に増加傾向にあるが、日本人学校に通う子どもの割合は 全体的に減少していることについて解説。 一方、上海では 高等部を開校して以来、小・中学生の帰国やインターナショナルスクール・現地校等への転校が減り、日本人学校の人気は高まっているという。 日本人学校の財政基盤のためにも、“選ばれる学校” になる必要があり、現地在住の邦人のニーズにこたえる努力も大切だと述べた。 さらに 自らの経験をもとに、日本人学校の環境がさま変わりしている様子について説明し、要因として 「幼児や高校生の増加」「家族ぐるみの現地化・無国籍化」「日本人会の幹事会社の消失」「政府派遣教員の比率低下」 等を挙げた。
  さらに 海外子女の概念が変化しつつある いま、海外子女教育の使命を再定義すべきだと指摘し、「母語教育を正面に据えた海外子女教育」「日本人高校生への助成」「補習授業校の認定基準見直し・支援の充実」 の必要性を訴えた。
  引き続き行われた参加者全体での協議では、それぞれの立場や経験から今後の海外子女教育のあり方や同研究会の持ち方等について熱心に意見が交わされた。 「さまざまな年齢や立場の人が集い、広い視野から自由に語り合える会のよさ。 ネットワーク型の研究会」(小山氏)は、実務者にとって貴重な心のよりどころとなっているようである。


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