第45回 グローバル化社会の教育研究会のご案内 | |||||||||||||||||||||||||||
日ごとに暑さが増していますが、皆様いかがお過ごしでしょうか? さて、グローバル化社会の教育研究会(EGS)研究会の再開後の第2弾は、昨年5月に予定していましたテーマです。全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会(全海研)の会長、滝 多賀雄先生と一緒に 「これからの補習授業校を考える」 というテーマで行います。 滝先生は 長年、世界各地の補習授業校の巡回指導も続けてこられましたので、各補習校の運営状況や苦労している様子などを 熟知されています。 ここ10年、アジアに於いても 日本人学校に通う小中学生の比率が下がり続ける一方、地元校・国際学校等での学力がどうしても伸びないために 日本人学校に編入してくる子のケースも急増しています。 「アジアで補習授業校は要らない」というのは、もはや過去のものとなり、日本人学校に通わない子供のための母語教育を充実させることで、地元校・国際学校等で学ぶ子供の精神安定と学力増進を図る "学校"の整備が急がれます。 今、改めて補習授業校の性格を見定めるとともに、保護者の果たすべき役割などについても話し合いたいと思います。
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以 上 |
注)台風8号の接近により、11日(金)から1週間
延期となりました。 話題提供は 全国海外子女教育国際理解教育研究協議会(全海研)の会長、滝 多賀雄さんにお願いしました。 滝さんは長年、世界各地の補習授業校の巡回指導も続けてこられましたので、各補習校の運営状況や苦労している様子などを熟知されています。 いま 改めて補習授業校の性格を見定めるとともに、保護者の果たすべき役割などについても 話し合いたいと思います |
グローバル化社会の教育研究会は7月18日、波多野ファミリスクール(東京都新宿区)において「これからの補習授業校を考える―海外子女教育の再構築に向けて」をテーマに研究会を行った。今回は全海研(全国海外子女教育・国際理解教育県有協議会)会長の滝多賀雄氏の発題をもとに、来場者が意見を交換し合った。参加したのは海外子女・帰国子女教育の関係者など19人。 発題者の滝氏は一般企業での勤務を経て川崎市の公立小・中学校で教員を長く勤め、その間、リオ・デ・ジャネイロ日本人学校に派遣された経験を持つ。 2010年から全海研の会長を務め、日本人学校や補習授業校の関係者の指導および相談に当たっている。 はじめに 全海研について 「派遣教師が帰国後に活躍できる場として発足したが、その後さまざまな立場のかたがたも参画して、優秀な教師を派遣・養成すべく世界各国で活動しているNPO法人である」 と紹介。 続いて補習授業校について 「現地校やインターナショナルスクールに通う子どもが日本に帰国後、学校に順応できるよう、教科の基礎的基本的知識・技能および日本の学校文化を日本語によって学習する場。 世界中に約200校あり、その内派遣教員のいる学校は43校。 基本的に派遣教員は授業を持たず、現地採用教員の指導監督に当たったり、事務的な作業を行ったりするのがおもな仕事。 子どもが通学するのは週1日でも派遣教員の仕事は多く、超多忙である」と語った。 次に 授業日数や児童生徒数、派遣教員の有無等が過去の推移も含めて説明されたが、現在、現地校やインターナショナルスクールのみに通う子どもの割合は40%余り。 日本人学校や補習授業校離れが進む背景に外国語の環境を求める傾向が強まっていること等が挙げられた。 在外教育施設の魅力が問われるいま、滝氏は 「海外志向が進むなか、補習授業校の二ーズはあるはず。 『補習校に通ってよかった』 という子どもや保護者を増やし、評判を高めることが解決策」 と言う。 そのためにはグローバル人材育成を見据え、日本人としてのアイデンティティを身につけさせ、学力向上の環境を保障する必要があると述べた。 子どもは楽しい授業であればついてくるとし、求められる教員の資質として 「精神的に強い」「意欲がある」「よい人間関係を築ける」「冷静沈着で行動力がある」「近隣の補習校等にも協力できる」 ことを挙げた。 参加者からは 「教員に必要な資質は日本国内も同じ」「日本文化の視点や親日家を育てるという観点から補習授業校のあるべき姿を探ってみてはどうか」「現地校やインターナショナルスクールに通い、補習授業校に行かない子どもたちは日本語をどのように学んでいるのか」 といった声のほか、「母語としての日本語は大切。 補習授業校の先生は多くの苦労があると思うが、子どもたちのためにがんばってほしい」 とのエールも聞かれた。 |