第45回 グローバル化社会の教育研究会のご案内
日ごとに暑さが増していますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

  さて、グローバル化社会の教育研究会(EGS)研究会の再開後の第2弾は、昨年5月に予定していましたテーマです。全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会(全海研)の会長、滝 多賀雄先生と一緒に 「これからの補習授業校を考える」 というテーマで行います。 滝先生は 長年、世界各地の補習授業校の巡回指導も続けてこられましたので、各補習校の運営状況や苦労している様子などを 熟知されています。
  ここ10年、アジアに於いても 日本人学校に通う小中学生の比率が下がり続ける一方、地元校・国際学校等での学力がどうしても伸びないために 日本人学校に編入してくる子のケースも急増しています。 「アジアで補習授業校は要らない」というのは、もはや過去のものとなり、日本人学校に通わない子供のための母語教育を充実させることで、地元校・国際学校等で学ぶ子供の精神安定と学力増進を図る "学校"の整備が急がれます。 今、改めて補習授業校の性格を見定めるとともに、保護者の果たすべき役割などについても話し合いたいと思います。
開催日時 :  2014年 7月18日(金) 午後2時〜4時半
開催場所 : 波 多 野 フ ァ ミ リ ス ク ー ル
(東京都新宿区下落合2−14−22 Tel.03-3954-3211)  地図
  * JR山の手線「目白駅」より徒歩5分


研修テーマ: これからの補習授業校を考える
               --- 海外子女教育の再構築に向けて
 (1) 話題提供: 滝 多 賀 雄 (全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会 会長)
1972年 大学を卒業後、某金融機関 入行。1974年から川崎市立小学校で教鞭を執ることに。 初めての担任でニューヨークからの日本語不理解の児童に出会い、海外子女のあり方を考えた。 1979年、リオデジャネイロ日本人学校へ赴任。3年後帰国して、全国初の教育研究会を設立。 その後、全海研の事務局に参加し、欧州・中近東・アフリカ・アジア・大洋州・中南米・北米と、世界各地の日本人学校・補習授業校等を巡って、関係者の指導・相談に当たっている。 2010年から、全海研会長。 著書に 『海外で教えるための実践ガイドブック』『海外派遣教師への道』(創友社刊) など。
 (2) 自由協議: 話題提供の後、ご意見・ご質問をたくさんいただき、活発な会にしたいと考えています。
参 加 費: 1,000円 (運営費)
申込み方法: 氏名、所属先、Eメール連絡先、(もしあれば)同伴者の氏名、ご意見・ご要望などを <kyoiku@t.toshima.ne.jp>まで ご連絡ください。
以 上   

『小山の教育通信』 2014年 7月
注)台風8号の接近により、11日(金)から1週間 延期となりました。
  話題提供は 全国海外子女教育国際理解教育研究協議会(全海研)の会長、滝 多賀雄さんにお願いしました。 滝さんは長年、世界各地の補習授業校の巡回指導も続けてこられましたので、各補習校の運営状況や苦労している様子などを熟知されています。 いま 改めて補習授業校の性格を見定めるとともに、保護者の果たすべき役割などについても 話し合いたいと思います


『月刊 海外子女教育』 2014年 9月ニュース欄
  グローバル化社会の教育研究会は7月18日、波多野ファミリスクール(東京都新宿区)において「これからの補習授業校を考える―海外子女教育の再構築に向けて」をテーマに研究会を行った。今回は全海研(全国海外子女教育・国際理解教育県有協議会)会長の滝多賀雄氏の発題をもとに、来場者が意見を交換し合った。参加したのは海外子女・帰国子女教育の関係者など19人。
  発題者の滝氏は一般企業での勤務を経て川崎市の公立小・中学校で教員を長く勤め、その間、リオ・デ・ジャネイロ日本人学校に派遣された経験を持つ。 2010年から全海研の会長を務め、日本人学校や補習授業校の関係者の指導および相談に当たっている。
  はじめに 全海研について 「派遣教師が帰国後に活躍できる場として発足したが、その後さまざまな立場のかたがたも参画して、優秀な教師を派遣・養成すべく世界各国で活動しているNPO法人である」 と紹介。 続いて補習授業校について 「現地校やインターナショナルスクールに通う子どもが日本に帰国後、学校に順応できるよう、教科の基礎的基本的知識・技能および日本の学校文化を日本語によって学習する場。 世界中に約200校あり、その内派遣教員のいる学校は43校。 基本的に派遣教員は授業を持たず、現地採用教員の指導監督に当たったり、事務的な作業を行ったりするのがおもな仕事。 子どもが通学するのは週1日でも派遣教員の仕事は多く、超多忙である」と語った。
  次に 授業日数や児童生徒数、派遣教員の有無等が過去の推移も含めて説明されたが、現在、現地校やインターナショナルスクールのみに通う子どもの割合は40%余り。 日本人学校や補習授業校離れが進む背景に外国語の環境を求める傾向が強まっていること等が挙げられた。 在外教育施設の魅力が問われるいま、滝氏は 「海外志向が進むなか、補習授業校の二ーズはあるはず。 『補習校に通ってよかった』 という子どもや保護者を増やし、評判を高めることが解決策」 と言う。 そのためにはグローバル人材育成を見据え、日本人としてのアイデンティティを身につけさせ、学力向上の環境を保障する必要があると述べた。 子どもは楽しい授業であればついてくるとし、求められる教員の資質として 「精神的に強い」「意欲がある」「よい人間関係を築ける」「冷静沈着で行動力がある」「近隣の補習校等にも協力できる」 ことを挙げた。
  参加者からは 「教員に必要な資質は日本国内も同じ」「日本文化の視点や親日家を育てるという観点から補習授業校のあるべき姿を探ってみてはどうか」「現地校やインターナショナルスクールに通い、補習授業校に行かない子どもたちは日本語をどのように学んでいるのか」 といった声のほか、「母語としての日本語は大切。 補習授業校の先生は多くの苦労があると思うが、子どもたちのためにがんばってほしい」 とのエールも聞かれた。


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