第53回 グローバル化社会の教育研究会のご案内 | |||||||||||||||||||||||||||
寒さの中、入試シーズンを迎えていますが、皆様
いかがお過ごしでしょうか? さて、第53回グローバル化社会の教育研究会 (EGS) は、NPO法人 NEWVERY事務局の山瀬 加奈さんに お願いしました。 山瀬さんは 元 帰国生で、学生時代から RTNや HLAB (エイチラボ) などのネットワーク活動の中心で活躍してこられています。 今世紀に入り、「ネットワーク型組織」 とか 「プラットフォーム」 といった企業・団体活動のあり方が注目されるようになりました。 「CEO」というような聞き慣れない役職も現れるなど、職場の編成の仕方にも 新しい流れが生まれてきているようです。 今の学生や若者が将来、社会の中堅を担うようになる頃、どんな職場環境になっているかを見据えることは、職業観教育の面からも 避けては通れません。 また、既存の社会の中で運動を成立させていくに当たっては、さまざまな困難や葛藤もあるはずですし、学生たちが 何を拠り所にして努力しているのか等について、山瀬さんから現状を伺えることは、貴重な機会です。
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以 上 |
今世紀に入り、「ネットワーク型組織」とか
「プラットフォーム」といった企業・団体活動のあり方が
注目されるようになりました。 「CEO」 というような聞き慣れない役職も現れるなど、職場の編成の仕方にも新しい流れが生まれてきているようです。 今の学生や若者が
将来、社会の中堅を担うようになる頃、どんな職場環境になっているかを見据えることは、職業観教育の面からも避けては通れません。 昨年暮れに行われた 「HLAB2015 年次総会」のシンポジウムで、慶応義塾高校 前校長の駒村圭吾 先生(慶応大学法学部教授)が、「こういう活動が出てきたのは、既存の大学が 時代の要請に応えていないという証しでもある」 と仰っていました。 昨年秋まで HLABの事務局長を勤められた山瀬さんから、今の学生たちを取り巻く環境や、彼らが何を拠り所にして努力しているのか等について お話しを伺える貴重な機会です。 ◆ 「CEO (最高経営責任者)」は 「日本の商法では単なる“肩書き”で、社長とも限らない」といわれます。 「仲間 (company)」 を母体とする企業の概念を持たない日本人には、「ネットワーク型」や「事務総(局)長の権限」は、理解し難い代物です。 お役人さんも お困りのようです。 ------------------------------------------------------------------------------------ 山瀬加奈さんから、今の学生たちを取り巻く環境や内面の現状についてお話しを伺いました。 1991年生れといえば 「ゆとり教育世代」の少し前、土曜日も 隔週で授業を受けていたそうです。 渡米すれば 土曜は補習校に通いますから、当然 “週6日制”… 帰国受験に備えて GPA(評定平均値)を上げること、小論文の練習、TOEFL・SATなど統一試験の受験、IB授業の履修などで 忙しかったものの、この時期の友達との “謎のチームワーク” が、ネットワークつくりのベースなのかもしれないとのことです。 渡米してよかったのは、教育とテクノロジー(ICT)との融合が進んでいたことと、“友達”に対する価値観や考え方が変わったことだそうです。 「自分と違うこと」を前提に仲良くしてくれる、各々が自分の好きなことに没頭しながら 一緒にいられる友達に囲まれていること、また、身近かにインパクトを与えてくれる先輩・親・教師などに恵まれていたことも 良い経験だったそうです。 従来の “学生団体” は、いわばピラミッド型(官僚型)組織で、拘束力・命令権が強い反面、活動も “学業の片手間・趣味” の色彩が強かったのに対し、最近の RTNやHLABでは 「リーダーの命令権が弱く、自律した意思決定を行うメンバーが相互に作用し合う組織」 となっています。 山瀬さんはこれを 「自律型組織を核とする組織経営」と捉え、「学業を本業とする、様々なスキルを持つ学生が 自分の強み・特技を活かして団体に貢献している」 と説明してくれました。 「2枚目の名刺(肩書)がある」「副業・兼業で社会貢献をする」「フリーランスで、自分の特技を活かし いろいろな仕事を受け持つ」 といった感覚を 当然とする若者たちが、様々な働き方(在宅勤務、ノマドワーカー、育休制度etc.)を しなやかに 逞しく こなしていく時代が、もう目の前に来ているようです。 |