第57回 グローバル化社会の教育研究会のご案内
秋も大分深まってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

  さて、第57回グローバル化社会の教育研究会(EGS) は、日本旅行医学会の専務理事 篠塚 規 先生に、話題提供をお願いしました。 篠塚先生は、世界保健機関(WHO) の 『INTERNATIONAL TRAVEL AND HEALTH』 の編集委員としても活躍されています。
  現在、グローバル人材育成を掲げて 高校生・大学生の海外研修や留学が盛んに行われていますが、そのオリエンテーションの不適切さから、深刻な事態に陥るケースが 後を絶ちません。 従来は 「本人が悪い」 で片づけられてきたものの、大学関係者の間でも、放置できない状況 という認識が広がってきました。
  「旅行医学」とは、「人の移動の安全と快適性を高める医学」 と定義されます。 統計的なアプローチを通して、旅行・留学・海外赴任の安全と快適のための、科学的根拠のある 具体的で分かり易いメッセージ を発信する活動の先頭に立たれる 篠塚先生から、海外赴任や留学などに関わる正しい知識の持ち方について、易しく解説していただきます。
開催日時 :  2016年11月25日(金)  午後2時〜4時半
開催場所 : 聖 学 院 中 学 校 ・ 高 等 学 校
(東京都北区中里3−12−1 Tel.03-3917-1121)  地図
* JR山の手線「駒込駅」東口より徒歩5分、地下鉄南北線「駒込駅」北口より徒歩7分
研修テーマ: 病院のかかり方を知ってますか?
             --- 保険加入とワクチンが安全手段??
 (1) 話題提供: 篠 塚  規 (日本旅行医学会 専務理事/千駄ヶ谷インターナショナルクリニック院長)
1949年生れ。千葉大学医学部卒業後、日本赤十字社医療センター外科研修を経て、1979年より米国ピッツバーグ大学医学部の重症疾患ユニット(ER) に勤務し、救急医学を学ぶ。 また、ジョンズ・ホプキンズ大学医学部で小児脳神経外科の研修も受けた。 欧州救急医学会教育認定医の資格を取得し、2001年、日本旅行医学会を設立。 (医)松弘会三愛病院 副院長・外科部長を経て、現職。 2002年 欧州旅行医学会からユリシーズ賞を受賞。 2013年より WHO(世界保健機関)の「INTERNATIONAL TRAVEL AND HEALTH」の編集委員。
著書に『海外医療ハンドブック』(山と渓谷社)、『50歳からの旅行医学』(講談社)など多数。
 (2) 自由協議: 話題提供の後、ご意見・ご質問をたくさんいただき、活発な会にしたいと考えています。
参 加 費: 1,000円 (運営費)
申込み方法: 氏名、所属先、Eメール連絡先、(もしあれば)同伴者の氏名、ご意見・ご要望などを <kyoiku@t.toshima.ne.jp>まで ご連絡ください。
以 上   

『小山の教育通信』 2016年12月
  話題提供は 日本旅行医学会 専務理事の篠塚 規 医師です。 リオ五輪が終わるまで 超多忙な毎日を送られていました。
  昨今、グローバル人材育成のため高校生・大学生の海外研修や留学が盛んに行われていますが、その渡航前学習における医療指導の不適切さから、深刻な事態に陥るケースが後を絶ちません。 従来は 「本人が悪い」で片づけられてきたものの、教育現場で ようやく 「放置できない状況」 という認識が広がってきています。 「人の移動の安全と快適性を高める医学 = 統計的なアプローチを通して、旅行・留学・海外赴任の安全と快適のための、科学的根拠のある具体的で分かり易いメッセージを発信する活動」の先頭に立たれる 篠塚先生から、留学や子供の海外帯同に関わる正しい知識の持ち方について お話を伺い、対策も考えたいと思います。
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  各国の医療に関する “文化と制度の違い” を知ることの大切さが話し合われました。 とくに日本のような 「応召義務 (医師が診療を拒否できない)」 がある国は まずありませんから、親の治療同意書やアレルギー告知書等の携行、ER(救急医療) の受け方などを、生徒・学生を海外に行かせる学校は 正しく指導しておく必要があります。
  なお、真っ先に海外の感染症等に晒される海外研修の引率教員や帰国生受け入れ担当教員の労災対策まで考えている学校は、どれだけあるでしょうか? 2003年のSARS騒動の時、「帰国後10日以内の来校はご遠慮ください」と国・公立校が連絡していたことも思い出します。 グローバル人材教育には それなりのリスクが伴うのです。


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