第61回 グローバル化社会の教育研究会のご案内
残暑厳しき折、皆様 いかがお過ごしでしょうか?

  さて、第61回グローバル化社会の教育研究会(EGS) は、神奈川県立弥栄高校 校長の坂本万里先生(前 鶴見総合高校校長) に、話題提供をお願いしました。 坂本先生は、高校段階の帰国子女・国際理解教育にも永年 関わってこられています。
  弥栄高校では来年度から 「海外帰国生徒特別募集」 に加えて、「在県外国人等特別募集」 が新たに始まりますが、、その背景や趣旨、今後の展望について、帰国子女・国際理解教育の現状を踏まえながらお話を伺う 絶好の機会です。 そのお話を基に、これからの帰国子女・国際理解教育、あるいは多文化共生教育について、話し合いたいと思います。
開催日時 :  2017年10月 6日(金)  午後2時〜4時半
開催場所 : 聖 学 院 中 学 校 ・ 高 等 学 校
(東京都北区中里3−12−1 Tel.03-3917-1121)  地図
* JR山の手線「駒込駅」東口より徒歩5分、地下鉄南北線「駒込駅」北口より徒歩7分
研修テーマ: 神奈川県立高校の「外国につながる生徒の特別募集」
       --- 帰国子女・国際理解教育の現状報告を兼ねて
 (1) 話題提供: 坂 本 万 里 (神奈川県立弥栄高等学校 校長)
1958年生れ。早稲田大学教育学部を卒業後、神奈川県立高校教員(外国語科)に。 1999年 県教育委員会 高校教育課指導主事、2003年 県総合教育センター 人材育成課主幹兼指導主事、2007年 県立六ツ川高等学校 教頭 兼 再編統合準備室 教頭、2008年 県立横浜国際高等学校 副校長、2010年 県庁 県民局私学振興課 課長代理(教育指導総括)、2012年 県立鶴見総合高等学校 校長。 2015年から現職。 このほか 県高等学校校長会議 総合学科部会長、県高等学校国際教育研究協議会 会長、全国高等学校国際教育研究協議会 関東甲信越静ブロック副会長などの役員暦もある。 著書に『Gateways to English』(英進社)、『がんばろう!イングリッシュ・ティーチャーズ!』(三省堂,共著)、『人権と多文化共生の高校 外国につながる生徒たちと鶴見総合高校の実践』(明石書店,共著) など。
 (2) 自由協議: 話題提供の後、ご意見・ご質問をたくさんいただき、活発な会にしたいと考えています。
参 加 費: 1,000円 (運営費)
申込み方法: 氏名、所属先、Eメール連絡先、(もしあれば)同伴者の氏名、ご意見・ご要望などを <kyoiku@t.toshima.ne.jp>まで ご連絡ください。
以 上   

『小山の教育通信』 2017年10月
  話題提供は神奈川県立弥栄高校の 坂本万里校長 (前 鶴見総合高校校長)。 坂本先生は、高校段階の帰国子女・国際理解教育にも 永年関わってこられています。
  県立弥栄高校では、来年度から 「海外帰国生徒特別募集」 に加えて 「在県外国人等特別募集」 が新たに始まりますが、その背景や趣旨、今後の展望について、帰国子女・国際理解教育の現状を踏まえながらお話を伺う絶好の機会です。
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  神奈川県内の公立高校の帰国生募集定員は 8校90名(内1校は横浜市立) で、2017年度の在籍者総数は206名 (全学年)--- つまり 64名分の枠が残っており、県教委の転編入相談センターに照会すれば、受け入れ先は必ずある状況 (転編入時期は年4回、高3秋まで可) とのことです。
  神奈川県は 明治時代から外国人が多く、人口の2%を超えています。 公立高校では 12校(次年度は 13校) が 外国籍生徒の定員を持ち、体制を整えていますが、手厚い対応策が取られれば取られるほど、一般生との交流の機会が不足していく というジレンマが課題とされます。 今後 ますます加速する 帰国生と外国籍生徒の増加、そしてグローバルに活躍できる資質の養成のためには、“異文化間のズレを調整できる力” が、教師にも 生徒にも求められていることが 再確認されました。


『月刊 海外子女教育』 2017年12月号ニュース欄
  10月6日、60回目となる「グローバル化社会の教育研究会」が聖学院中学高等学校(東京都北区)で開かれ、「神奈川県立高校の『外国につながる生徒の特別募集』―帰国子女・国際理解教育の現状報告を兼ねて」をテーマに 神奈川県立弥栄高等学校長の坂本万里氏が話題提供を行い、来場者が意見を交換し合った。
  坂本氏は大学卒業後に神奈川県立高等学校の教員となり、同県の教育委員会の指導主事、教頭や副校長、校長等を歴任しているほか、さまざまな教育研究協議会の会長や役員等を務めた経験がある。
  まず、神奈川県の帰国生徒と外国人生徒の受け入れ状況について、県内の公立高校の帰国生募集定員は8校90名(横浜市立の1校含む)で、2017年度の在籍者総数は全学年で約200名であると紹介した。 現在、数十名分の枠が残っているため、神奈川県に帰国する予定がある場合は 県の教育委員会の転編入相談センターに照会すれば受け入れ先はある (転編入の時期は年4回、高三の秋まで可)と話した。 編入学後の対応としては、おもに 「個別対応授業」「英語の伸長教育」「日本語授業」「個別カウンセリング」「授業プリントや保護者向け文書等へのルビふり」 が行われていると説明した。
  また、神奈川県は外国人居住者が全人口の2パーセントに達し、公立高校では12校(来年度は13校)が外国籍の生徒の定員を持つと紹介した。 帰国生徒や外国人生徒を受け入れている学校では 取り出し授業など、手厚い対策が取られている一方で、一般生との交流の機会がその分減ることが懸念されていると述べたほか、教育現場での課題として 「外国人教員を含めた人材不足」「受け入れに関する情報不足」「募集定員の見直し」 等を挙げた。
  さらに、帰国生徒と外国人生徒は 外国につながっている点で必要なサポートは似ているが、母国に帰ってきた子どもと 異国に来た子どもとは「生活」が違うため、人権含め、各人に合った慎重な対応・対策が必要だと注意を促した。
  そして今後 ますます加速すると予測される帰国生徒と外国人生徒の増加、グローバルに活躍できる資質の養成のためにはコミュニケーション力を育むだけでなく、「異文化間のズレを調整できる力」 が求められていると述べた。
  会場からは 帰国生徒や外国人生徒を積極的に受け入れている神奈川県に期待する声が多く聞かれた。

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