2018年 1月吉日
多文化共生を目指す教育関係者の皆様
グローバル化社会の教育研究会 事務局
第63回 グローバル化社会の教育研究会のご案内

寒中お見舞い申し上げます。

  さて、本年最初のEGS研究会
(第63回) は、日本アクティブ・ラーニング学会の難波 俊樹事務局長に話題提供をお願いし、地頭 (じあたま) のよさを育くむ教育について考えます。

  ペンネームの 「はざまけんじ」 の方が、皆様には親しみがあるかもしれません。 文学青年でありながら、“未来型の算数能力” を育成するための学力診断法と教材の開発を志し、教育現場や家庭で実践できる学習支援システムを 数々提案してこられています。
  グローバル社会を生き抜く力は、“学ぶ力” があってこそ育ちます。 今や流行語ともいえる 「アクティブ・ラーニング」 の基礎にも、“学ぶ力” が欠かせません。 いわゆる “地頭のよい子” をどれだけ育てられるかを追究されている難波さんのお話を基に、グローバル化社会における教育のあり方を一緒に考えましょう。

  
なお、準備の都合上、お申込みは お早めにこちらまで ご連絡ください。 (受付: 2月 9日まで)



開催日時 :  2018年 2月16日(金)  午後2時〜4時半
開催場所 : 聖 学 院 中 学 校 ・ 高 等 学 校
(東京都北区中里3−12−1 Tel.03-3917-1121)  地図
   * JR山の手線「駒込駅」東口より徒歩5分、地下鉄南北線「駒込駅」北口より徒歩7分

研修テーマ: “地頭”がよいとは?
     --- 学ぶ力を引き出す教育の再生を

(1) 話題提供:

難 波 俊 樹 (日本アクティブ・ラーニング学会 事務局長・理事)
1967年 大阪生まれ。 国学院大学文学部を卒業後、東京工業大学大学院 社会理工学研究科修了。 1995年にユーフォ―ブックス(株)入社。 2017年から東京富士大学 非常勤講師。数学的な見方・考え方と汎用的問題解決力の育成が 研究テーマ。 『算数と国語を伸ばす天才パズル』(学研出版),『小学生でも解ける東大京大入試問題』(東洋館出版社) など著書多数。 数学検定協会問題品質委員、日本数学教育学会 会員。

 (2) 自由協議:


話題提供の後、ご意見・ご質問をたくさんいただき、活発な会にしたいと考えています。

参 加 費:

1,000円 (運営費)

申込み方法: 氏名、所属先、Eメール連絡先、(もしあれば)同伴者の氏名、ご意見・ご要望などを <kyoiku@t.toshima.ne.jp>まで ご連絡ください。
以 上   

『小山の教育通信』 2018年 2月
  難波さんは、“未来型の算数能力”を育成するための学力診断法と教材の開発、教育現場や家庭で実践できる学習支援システムの提案などで知られます。 元々は 文学青年で、その柔らか頭から次々と生まれるアイディアや発想に触れることは、私たちが 既存の“常識”から解放される契機になると思われます。
  新学習指導要領が目指す 「新しい時代に必要となる資質・能力」は、従来の “教科” の発想からは捉えきれません。 「カリキュラム・マネジメント」や「教科横断的に身に付ける力」 といった用語は、意味不明の遠い存在と思われ易いようですが、全ての教員が待ったなしで対応を迫られています。 難波さんの “柔かい” 解説は、グローバル化社会における教育のあり方や多文化共生教育を考える上でも、ありがたいです。
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  まず、「大学入学共通テスト」の試案問題を分析した結果については、数学においては 「圧倒的な文章量」「語句の穴埋め」「選択肢が1対1ではない」「正解が一つではない」等の特色が報告されました。 数学教師から 「これは数学ではなくて、国語教師が指導すべき範囲」 との感想も多かったとのことで、これには 参加者から強い反発が出ます。 世界史や現代文の試案問題についても、同様の議論が続きました。
  各教科が縦割りになっている点を 縦糸と考えると、いわゆる 「汎用的な能力」を横糸 (or全教科を横串に指すイメージ) として明確に認識していないと、本来 目指すべき “学力”は育たないといえます。 それを、いわば 「千本ノック」(基礎や課題学習等の繰り返し練習) で体得させるのではなく、「学ぶべき要素」への分解と、それを明示的に学ばせることとが、教師集団に求められています。 教育改革は、あたかも “黒船” のようにいわれますが、いつ時代にも 突き付けられている課題です。 とりわけ昨今の、読解力と思考力の低下に どう対処していくのか、教育の本質を見据えた議論が必要です。

『月刊 海外子女教育』 2018年 4月号ニュース欄
  2月16日、63回目となる 「グローバル化社会の教育研究会」 が聖学院中学校・高等学校(東京都北区)で開かれ、「『地頭』がよいとは? 学ぶ力を引き出す教育の再生を」 をテーマに、日本アクティブ・ラーニング学会事務局長兼理事の難波俊樹氏が 「シンギュラリティ(人工知能が人類の知能を超える転換期)」 「新しい大学入試」 「これから必要な能力」 について話題を提供し、来場者が意見を交換し合った。
  難波氏はまず、シンギュラリティに向けて人と機械の情報のやりとりの方法が変わってくると説明し、人に求められる力のうち、特に汎用的能力が必要になるだろうと述べた。
  さらに少子高齢化や社会のグローバル化等を背景に 2020年から行われる新しい大学入試においては 読解力や思考力に重点が置かれるようになると解説した。 さらに 「大学入学共通テスト」の試案問題には 「圧倒的に文章量が多い」 「精緻な知識がなくても解ける」 「選択肢が一対一対応ではない」 「正解が一つではない」 等の特色が見られると言い、今後の教育に必要なのは 基礎・課題学習等の繰り返し練習ではなく、必要な考え方を 「学ぶべき要素」 に分解して わかりやすく学習させ、教えられない「地頭」を鍛えることではないかと結んだ。
  会場からは 「知識や情報を いかに整理して課題を解決するか、考える力やコミュニケーション力が問われる時代になってきている」 等の声聞かれた。

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