2019年 6月吉日 | |||||||||||||||||||||||||||
多文化共生を目指す教育関係者の皆様 | |||||||||||||||||||||||||||
グローバル化社会の教育研究会 事務局 | |||||||||||||||||||||||||||
第70回 グローバル化社会の教育研究会のご案内 |
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拝啓 すっかり夏の陽気になってきました。
皆様いかがお過ごしでしょうか? さて、第70回グローバル化社会の教育研究会(EGS)では、元 文部科学副大臣の鈴木 寛 先生(慶應義塾大学・東京大学 教授)に話題提供をお願いしました。 昨年10月まで 文部科学大臣補佐官をされたほか、今でも多くの役職を務めておられます。 2015年に 「OECD日本イノベーション教育ネットワーク(ISN)」を設立され、「Education 2030」という 2030年の教育を議論し構想するプロジェクトをスタート、教育現場の実践的な改革と活性化に努力されています。 2017年には、高校生たちによる「生徒国際イノベーションフォーラム 2017(ISIF'17)」を 東京で開催されました。 新学習指導要領の内容や大学入試改革に大きな影響を与えた「グローバル・プロジェクト・ベースト・ラーニング」の実践の仕掛け人ですが、そこから見えてきた現状を伺い、それを素に話し合いたいと思います。 なお、準備の都合上、お申込みは お早めにこちらまで ご連絡ください。(受付: 7月 1日まで)
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以 上 |
節目の今回は、われらが鈴木 寛 先生に話題提供をいただきます。 文部科学省の副大臣や大臣補佐官を歴任され、現在は
慶應義塾大学と東京大学の教授のかたわら、「OECD日本イノベーション教育ネットワーク(ISN)」の代表も務めておられます。 「学校・教育
総合展」でも 特別講演はされますが、EGS研究会では、灘高校での教員経験や高校生の国際交流の苦労話等を交えて、"あるべきコンピテンシー(力)" について具体的にお話しいただき、それを素に
"膝詰め" で話し合いたいと思います。 ----------------------------------------------------------------- 日本の15歳は、2012年以降 PISAでトップレベルに返り咲いたこと、数学優秀者(Level5以上)は約2割で アメリカ(6%)と ほぼ同数(約20万人)…… といった話には 元気が湧きます。 心配なのは、「学び続ける意欲」や「世界への貢献意欲」では、世界で最低レベルになっていることで、アクティブラーニングや課題解決型学習(PBL) は 必須です。 新学習指導要領も 決して学習量を減らせというのではなく、知識伝達型教育を脱し 「能動的な学習で 学習定着率を上げよう」という趣旨です。 作業・学習のやり方も、「PDCA」 から 「デバグ主義(AAR)」 への転換が グローバル標準になっていることが解りました。 ◆ 一斉授業や講義で学習者の頭に残る内容は わずか5%、資料や書籍を読むのは1割とされる一方で、他者と議論すれば50%、経験・実地訓練をすれば75%、学んだことを他者に教えれば90%といわれ、能動的になればなるほど 学習の定着化を図れます。 探究や課題解決型の学習の導入は 定着率向上にも役立ちます。 |
7月8日、70回目となる「グローバル化社会の教育研究会」が聖学院中学高等学校(東京都北区)で開かれ、教育関係者を中心に約20人の参加があった。「AIとグローバル化の時代に必要とされるコンピテンシーとは?」をテーマに、元文部科学省副大臣・前文部科学大臣補佐官で、現在、慶應義塾大学政策メディア研究科・総合政策学部および東京大学公共政策大学院の教授を務める鈴木寛氏が話題提供を行った。 鈴木氏は日本でアクティブラーニングの導入をいち早く推進し、高大連携の立役者との呼び声も高い。二〇二〇年度から始まる学習指導要領の改訂や大学入学制度改革のほか、学習の機会均等などにも尽力している。 近年、「AI化により仕事内容が大きく変わる」といわれる。 また 外国人労働者の増加など、国内のグローバル化が急速に進んでいる。 そのような時代を生きる子どもたちに向けて鈴木氏は、「ゆとり教育を廃止したり小学校から英語教育を取り入れたりなど、さまざまな教育改革が進められてきた」と説明したうえで、最近のPISAや国立青少年教育振興機構の調査結果を紹介した。 日本の十五歳の学力は世界的にトップレベルに返り咲き、読書習慣も定着してきているが、その一方で「学び続ける意欲」や「世界への貢献意欲」、は最低レベルの結果だったという。 さらに 日本の高校生はアメリカ・中国・韓国に比べて「自己肯定感」の低さが目立つと問題視した。 今後、日本人に求められる能力について「『AIでは解けない難問と向き合い続ける力』『多文化・多様性への対応力』とし、想定外や板挟みになっている問題に対し、乗り越え、幸せを仲間と共に創造していく意欲が大切」と述べた。 さらに、そういった教育の推進には、「将来、自分もこうなりたい」と思えるようなロールモデルを見せることが必要で、保護者や地域の応援があるかどうかが大きなカギになると力を込めた。 会場からは 「PISAの調査はデータ段階でバイアスがかかっていないか」、「学ぶ意欲は国の豊さに関係するのではないか」、「アクティブラーニング等は教員の負担が大きく、その技量が成果に大きく響く」等の声が上がり、その一つ一つに鈴木氏が丁寧に答え、参加者の議論が深まった。 |