2022年 4月吉日
多文化共生を目指す教育関係者の皆様
グローバル化社会の教育研究会 事務局

第79回 グローバル化社会の教育研究会のご案内

拝啓 新年度のスタートに当たり、皆様 ご多忙のことと存じます。

  さて、第79回グローバル化社会の教育研究会(EGS)は、3月までパリ日本人学校 校長をされていた小野江 隆先生に 話題提供をお願いしました。 ずっと東京都の公立小学校に勤務されていましたが、その間、ジャカルタ、中国の蘇州の日本人学校でも、政府派遣教員として勤務された経験をお持ちです。

  小野江先生は、通知表の所見欄の書き方や “授業のネタ” など実践的な著書も多く書かれていて、若い先生方の間では頼りにされています。 また 4校15年間の校長在任中、学習行動目標に 「わけを添えて話すことができる子ども」 を掲げて来られました。
  パリ日本人学校では国際バカロレアの考え方、とくに世界で通用する力を 研究テーマにされ、『月刊 海外子女教育』 にも寄稿されています。 日本の教育システムだけでなく、社会の変化や保護者の考え方の変化等についてのお話しを伺い、それを素に話し合いたいと思います。

  なお、お申込みは 郵便振替用紙にて 参加費を払い込んでいただく方法で受け付けます。準備の都合上、お早めにお願いします。 (受付:4月20日まで)

               記

開催日時 :  2022年 4 月 27 日(水)  午後2時〜4時半

開催方法 :

Zoom利用による On-Line 開催

* スタジオ会場=金沢工業大学 虎ノ門Campus (東京都港区)に話題提供者と 事務局が参集します。
研修テーマ: 日本の教育は 何が変わりつつあるか?

 (1) 話題提供:

小 野 江  隆 (パリ日本人学校 校長/元 蘇州日本人学校 校長
               
/元 武蔵村山市立 小中一貫校 大南学園 校長)
1959年 東京生まれ。都留文科大学 文学部を卒業後、東京都の小学校教諭に。1988年 ジャカルタ日本人学校に赴任。2011年 蘇州日本人学校に校長として赴任。2014年 武蔵村山市立第七小学校の校長に着任し、2年後 第四中学校を併せた小中一貫校 大南学園を立ち上げた。2019年 定年退職し、パリ日本人学校校長に シニア派遣。日本教材学会会員。全国小学校国語教育研究会 会長。著書は 『エピソード方式による通知表所見の文例と解説』(学事出版 2008) など多数。

 (2) 自由協議:


話題提供の、ご意見・ご質問をたくさんいただき、活発な会にしたいと考えています。

参 加 費:

1,000円(運営費)
※ On-Line参加者は、848円+払込手数料
申込み方法: 郵便振替用紙に 氏名、所属先、Eメール連絡先、ご意見・ご要望などを記入し、ATMで848円を払い込んでください。(詳しくは ここをクリック)
海外在住の方は、どなたか日本にお住まいの方に、申込み手続きを依頼してください。

※ 開催日の4日前になっても Zoom招待のURLが届かない場合や、ご不明な点がありましたら、<kyoiku@t.toshima.ne.jp>まで お問い合せください。
以 上   


『小山の教育通信』 2022年 4月・5月

  話題提供は パリから帰国されたばかりの小野江 隆先生にお願いしました。 4月から武蔵村山市教育センター教授として 若手教員の指導に当たられますが、多くの実践的な著書でも有名です。 パリ日本人学校では 国際バカロレアの考え方、とくに世界で通用する力を 研究テーマにされました。 日本の教育システムだけでなく、社会の変化や保護者の考え方の変化等についてのお話しは楽しみです。 インドネシアのジャカルタ、中国の蘇州、そして パリの日本人学校に赴任されたご経歴もユニーク。 『月刊 海外子女教育』には書かれなかった “オフレコ”の話しも ぜひ伺いたいです。
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  小野江 先生は、通知表の所見欄の書き方や “授業のネタ” など実践的な著作が多いので、上海日本人学校の職員研修をお願いしたことがあります。 校長(当時)の福井 明雄先生が 「この本は 講話付きですよね?」 と蘇州に電話すると、快諾してくださいました (笑)。 40年の教職生活と3つの日本人学校勤務の総括、IB教育の可能性の話しも楽しみです。
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  冒頭、3つの日本人学校で いずれも感染症・テロ・紛争等に遭遇したこと…… 一瞬にして仕事や国際交流が停止する恐さや 危機管理の難しさを話されました。 学校教育の基盤の下で国際交流を行うことを通して、「何をしたかではなく、何のためにそれをしたか」に至る過程、あるいは 現地の学校や国際学校、日系企業から学ぶ貴重な体験から、「選ばれる学校づくり」に向けた提案もありました。 とりわけ、パリ日本人学校で 小学1年から “探究のプロセス”を螺旋(Spiral)状に繰り返している様子に感動しました。 学びの成果として 子どもたちから出された 「提言」も 実に現実的で、説得力がありました。 日本人学校の子どもと教員の全員が 日仏の親善大使に任命され、2024年のオリパラまで活動を継続するそうです。
  「わけ(理由)を添えて話す」 は 欧米の学校教育の基本ですが、それは 探究的な学習の基本であることが判ります。 それは 「地域おこし」 にも関われるし、ICTを駆使してグローバルに繋がってもいけることを、実証されたわけです。 願わくば、こうした実践面の話しが 国内校のイノベーションに役立てられますよう、心より祈ります。
  小野江先生は 「社会に開かれた教育課程」 の継続性・持続性についても話されましたが、日本人学校の教員は3年で交代していきます。 だからこそ 工夫も必要で、その鍵は 「Act locally.」 にあります。 現地理解教育の授業案を きちんと蓄積していくことが大事です。

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