2022年10月吉日
多文化共生を目指す教育関係者の皆様
グローバル化社会の教育研究会 事務局

第82回 グローバル化社会の教育研究会のご案内

拝啓 秋もだいぶ深まってまいりましたが、皆様 如何お過ごしでしょうか?

  さて、第82回グローバル化社会の教育研究会(EGS)は、金沢の国際高等専門学校(ICT)の事務局長、山岸 徹さんに話題提供をお願いしました。 “世界の変化を起こす側の人材育成” のデザイナーです。
 
  5年前の校名変更発表、そして 「グローバルイノベータ」(英語とテクノロジーを駆使してグローバル社会に貢献する人財)のメッセージは、注目を集めました。
  15歳からAI、IoT、ロボティクス分野の実践力を英語で学ぶ “先端性+挑戦” の営みも 完成年度を迎えますが、その現場の “成功と失敗” は…? ご報告を素に話し合いたいと思います。

  なお、お申込みは 郵便振替用紙にて 参加費を払い込んでいただく方法で受け付けます。 準備の都合上、お早めにお願いします。 (受付:11月10日まで)

               記

開催日時 :  2022年 11 月 17 日(木) 午後2時〜4時半

開催方法 :

対面式+Zoom 利用による On-Line のハイブリッド開催

[スタジオ会場] 金沢工業大学 虎ノ門Campus
         (東京都 港区 愛宕1−3−4 愛宕東洋ビル 11F)
             * 海外子女教育振興財団の上。

研修テーマ: グローバルイノベータの育成と 教育プロトタイピング

 (1) 話題提供:

山 岸  徹  (国際高等専門学校(ICT) 事務局長)
 1959年石川県生まれ。 金沢工業大学 工学部を卒業後、建築関係の会社に就職したが、1986年 母校に再就職。 高等専門学校の事務局、大学の進路開発室長、法人本部の企画課主幹や企画部CS室長などを歴任して、2006年 高専の事務局長に。 2012年 法人の常任理事にも就任(現在は参与)。

 (2) 自由協議:


話題提供の、ご意見・ご質問をたくさんいただき、活発な会にしたいと考えています。

参 加 費:

1,000円(運営費)

申込み方法: 郵便振替用紙に 氏名、所属先、Eメール連絡先、ご意見・ご要望などを記入し、ATMで1,000円を払い込んでください。(詳しくは ここをクリック)
※ スタジオ会場参加をご希望の方は、その旨を通信欄に明記してください。
※ 開催日の4日前になっても Zoom招待のURLが届かない場合や、ご不明な点がありましたら、<kyoiku@t.toshima.ne.jp>まで お問い合せください。
以 上   


『小山の教育通信』 2022年11・12月

  高等専門学校(高専)が 「一条校」であることを知らない教員も多いのですが、高専は人類の将来が懸かる貴重な存在です。 埼玉・神奈川・山梨・滋賀・佐賀を除く42都道府県に 57校(国立51, 公立5, 私立3)ある “技術エリート校”なのです。 “オタクっぽい生徒”を大事に育て上げる点では、金沢工業大学や東京理科大学以上の教育力を誇っています。 海外に住んでいると 「Kosen」という “英単語”の存在に驚かされるのですけど、独特のネットワークがあります。
  第82回グローバル化社会の教育研究会(EGS)は17日(木)、金沢の国際高等専門学校(ICT) について協議します。 テーマは 『グローバルイノベータの育成と 教育プロトタイピング 』。 先日、白山山麓の国際高専を観てきましたが、想像していた以上に素晴らしい学校でした。 しかし、周辺状況として、
 1) ここ数年、インターナショナルスクールが次々と生まれては 行き詰っていること、
 2) 通信制高校やオールタナティブ校/サポート校等の隆盛、
 3) 東海工業地帯にある 海陽学園や名古屋国際の低迷、
 4) 私立で4校目の神山高専(徳島県)の大々的な宣伝攻勢と、“田舎留学”に対する偏見の壁、
など 見極めたい課題も山積みです。 山岸事務局長の現状報告を素に、率直に話し合いたいと思います。
◆ 国際高専の課題の一つに、米・豪・シンガポール等のトップ大学が認めるクレジット取得の対策もあります。 年収一千万円以上の高給を稼ぐ高専卒業者のほとんどが、そういう有名大学に編入した経歴を持っているからです。
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  国際高専の発想は、グローバル企業のトップにインド人が多数就任していることと無縁ではありません。 いつの間にか 製鉄業界では Arcelor-Mittal社が業界トップになって、Aditya Mittal(1976年インド生れ)がCEOに。 Tata Steel社と Tata Motors社の会長は Natarajan Chandrasekaran(1963年 モハヌール生れ)ですが、名車の Jaguar, Land Rover, Fiat などを傘下に入れています。
  そして IT関係では、
 Google/Alphabet社の Sundar Pichai (1972年 チェンナイ出身)
 Microsoft社の Satya Nadella (1967年 ハイデラバード生れ)
 IBM社の Arvind Krishna (1962年 コスタアンドラ生れ)
 Adbe<アドビ>社の Shantanu Narayen (1962年 ハイデラバード生れ)
そして つい先月まで Twitter社の代表だった Parag Agrawal (1984年 アジメール生れ)も。
  小さな頃から二桁の九九を覚えるほどの理数的知能を持ち、広大な国土の共通語として英語を駆使する環境、そして 多種多様な宗教・文化・価値観の混沌と貧富の差の中で 逞しく育ってきた人と 競える人財は滅多にいません。 私たちが国際高専に望みを託すのは、「理数力+英語力+混沌を生き抜く逞しさ」を鍛える条件が揃うからです。 とくに 三番目の “混沌”の環境を整えるため、アジア各地の超優秀な人財を招へいできる条件にも恵まれています。
◆ 金沢の国際高専は インター校ではありません。 「Fabless」(工場を持たない生産)の流れの中で “モノづくり”の核心を手放さない智慧を磨く場なのです。 広報展開の見直しは必至…… 17日(木)のEGS研究会が楽しみです。
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  高等専門学校(高専)は、いわゆる “専門学校”とは異なる “技術エリート校”なのですが、今年は 「高専」の制度が生まれて60周年です。 中でも ひときわ偉才を放っている 「国際高専」を 今回取り上げたのは、わが国の将来の希望にも繋がるからでした。 一言でいうと 「英語でSTEM科目とリベラルアーツを学べ、海外大学の進学も可能なボーディングスクール」!
  人気が集まっている中高一貫校(公立を含む)でも、高校から “進路変更”して他校に移る事例は少なくありません。 他方、高2・3年段階で帰国してくる生徒の受け入れ先は極めて限られ、たとえあっても 大学進学の壁が待ってます。 そんな特殊事情を持つ 個性的な生徒には、高専から米・豪・シンガポール等のトップ大学への進学の途は魅力でしょう。 STEAMではなく 「STEM+リベラルアーツ」…… 大学に準ずる高等教育機関なので、IB校をも超越してます。
◆ 全国の高専OB、高専関係者およびその賛同者で構成される 「HNK(Human Network Kosen)」が 創立30周年を迎えました。 24日(木) のパネルディスカッション 「高専DCON(Deep-Learning Contest)について」等は楽しみです。

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