子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2016年 12月11月10月9月5月〜8月1月〜4月。2015年 9月〜12月5月〜8月

 2017年1月以降のニュースは こちら

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【2016-12月】

ジャカルタ事件(1986年)で 東京地裁が判決
  11月24日(木)、裁判員裁判の判決が出て、日本としては 30年越しに解決しました。 決め手となったのは、ジャカルタ警視庁による潜在指紋 (Latent fingerprint, [マレー語] Sidik Jari Laten) 採取と 2つのホテルの フロント担当者の証言です。 警察の 「刑事部/課 (Criminal Investigation Dep.:CID)」 には 「鑑識 (Identification)」 という部署があり、犯罪の科学的捜査のために 筆跡や指紋・血痕などを 現場から採取して 真否を見分ける職務を負っています。 したがって、事件現場に最初に入るのは 「鑑識」 ですし、広範囲から集めた 膨大な指紋データや写真等を 照合に備えて管理しています。 他方、「法医学研究所/室 (Forensic Laboratory, LABFOR)」 という 分析・鑑定だけをする科学捜査の一部署もあります。 鑑識チームが集めてきた遺留品などを扱うわけで、現場には出向かないのが普通です。
  アメリカの 「科学捜査班 (Crime Scene Investigation:CSI)」 は元々、テレビドラマ(米2001年〜) の名称でした。 放送開始の頃、LABFORは地味な仕事なので 応募者も ほとんどなく、常に 人手不足だったそうです。 ところが、ドラマの大ヒットで CSIが実在する と誤認した就職希望者が殺到したことから、LABFORを改組して捜査権限を持つ部署として CSIを設置する警察署も出て来ています。 ドラマは、DNA鑑定や毒物・薬物の分析結果が 数時間で出るという、現実にはあり得ない展開が 人気の源なのですが、所詮 “臨時的な部署” であることを踏まえておくと、ドラマを 数倍楽しく観ることができます。
  因みに、アメリカの警察組織は複雑です。司法省 (FBI, 連邦保安局, 麻薬取締局, BATFE)、国土安全保障省 (沿岸警備隊, 大統領警護隊, 国境輸送警備総局)のほか、各省・各州が捜査・取締の機関を持っており、相互の確執は 格好の小説ネタ。 軍人絡みの事件は凶悪化し易く、海軍犯罪捜査局 (NCIS)・陸軍犯罪捜査司令部 (CID。D=command) もあります。

第57回グローバル化社会の教育研究会(EGS) の開催
  11月25日(金)のでは、各国の医療に関する文化と制度の違い” を知ることの大切さが話し合われました。 とくに日本のような 「応召義務 (医師が診療を拒否できない)」 がある国は まずありませんから、親の治療同意書アレルギー告知書等の携行、ER(救急医療) の受け方などを、生徒・学生を海外に行かせる学校は 正しく指導しておく必要があります。 なお、真っ先に海外の感染症等に晒される海外研修の引率教員や帰国生受け入れ担当教員の労災対策まで考えている学校は、どれだけあるでしょうか? 2003年のSARS騒動の時、「帰国後10日以内の来校はご遠慮ください」と国・公立校が連絡していたことも思い出します。 グローバル人材教育には それなりのリスクが伴うのです。

12月1日は「映画の日」です。
  60年前 (1956年)、日本映画産業団体連合会 (現 日本映画製作者連盟) が制定したもので、さらに その60年前 (1896年) の暮れに、日本で初めて “映画”(当時は キネトスコープ) が一般公開されたからです。 (丙申の年への抵抗でしょうか?) 興行用の映画は、幅35mm/70mmフィルムで “foot (約30.5cm、複数形は feet)” に 16コマ(画像) 入っているのが標準です。 現在の映写機では 「1秒24コマ」 と定められているので、毎秒1.5 feet(=90feet/分) が映写されます。 映画博物館などでは 映画の長さ (footage)を 「XX feet」と表記していますが、90で割れば 上映時間が何分か判ります。
  インターネットで動画を探していると 「footage」 という単語を よく目にします。 「静止画像 (image)」「動画 (moving image, animation)」 と違って 「(何フィートかの) 未編集/素材の映像」 という意味です。 “秘蔵の/ボツになった/埋もれていた” などの印象を伴い、提供者が 「これは掘り出し物=必見!」 と訴えているわけです。 『青空文庫』の富田倫生さんが、マルチメディアを 「時を鮮やかに刻み取る技を万人に解放する世界」 と書いたのは 1992年秋 (当時40歳) です。 彼の予測通り “他人の目からすれば クズ” の 「footage」 の山だらけの現状ながら、その中に“かけがえのない作品”も 埋もれているのです。

ヤブランとヤブコウジの親心
  晩秋の紅葉の根元にある常緑の草木は、心を癒してくれる大事な存在ですが、その代表 「ヤブラン (藪蘭, Liriope)」 も 赤い実をつけています。 ギリシャ神話の 泉の妖精(美少年ナルキッソスの母) の名を持つことから、文学・心理学・天文学などでも 親しまれています。 “自己愛 (Narcissism⇒水仙) を育む母” は 多年草で、淡紫色の小花を たくさん穂のように付けます。 暑さ・寒さ、乾燥や日陰にも強く、放っておけるため、庭や路地の植栽の定番です。 根にできる豆粒くらいの塊は 漢方の 「麦門冬 <ばくもんどう>」 … 庶民の滋養強壮や咳止め・解熱の薬でした。 そして、子どもの健やかな成長の願いが こもっています。
  落語の『寿限無』で “ヤブラン小路” というほど身近だったのですが、「ヤブコウジ (藪柑子)」 の方は ツツジの仲間の常緑小低木。 こちらも 万葉集で 「ヤマタチバナ」 と詠まれるほど、古くから親しまれてきました。 葉の付け根に薄紅色の花が咲き、実は冬に赤く熟します。 漢方では 「紫金牛 <こうじ>」 で、虫下し、鎮痛・解毒剤、咳止め 等に用いられ、これまた 子育てには欠かせませんでした。
  ヤブコウジの別名「十両」 は 「(関取として) 一人前になる」 という意味でもあり、正月の縁起物です。 また、江戸時代に人気が出て高値で取り引きされたことから、文字通り “金運・幸運を呼ぶ” ことになりました。 明治時代には投機の対象とされ、現在の金額で 1千万円以上の値もついたそうです (17世紀 オランダのチューリップ・バブルと似ていますね)。 日本庭園では センリョウ (千両)、マンリョウ (万両)、カラタチバナ (百両) と一緒に、ヤブコウジも植えられます。
     「ちゝと鳴く 鳥の行方や 藪柑子」(巌谷小波)

イッパイアッテナの世界
  童話『ルドルフとイッパイアッテナ(作・斉藤洋、絵・杉浦範茂) は、講談社児童文学新人賞(1986年) を受賞しましたが、もう30年も経ちます。 1991年、NHK教育テレビの 「母と子のテレビ絵本」 でアニメ化され、今年 劇場版に--- 監督は映画 『ポケットモンスター』 の湯山邦彦さん、脚本は 『妖怪ウォッチ』 の加藤陽一さんです。 また、人形劇団 ポポロが 今年、人形劇としても公演しています。
  映画『男はつらいよ』 で有名な 葛飾区柴又から南 (江戸川女子高校の方角) に歩いて行くと、トラやブッチ―たちのいる一帯(北小岩) に入ります。 ルドルフか 岩合光昭さんになった気持ちで “ちよだ通り商店街” とか、銀杏の小川邸を探したりして散歩するのも 楽しいです。 そこには必ず、ヤブランもヤブコウジもあります。 なお、27日(火)から 西武池袋本店 (東京都豊島区) で 『世界ネコ歩き』 の写真展が開かれます (1月4日まで)

HLAB(エイチラボ)の年次総会の開催
  12月18日(日)、東京大学 伊藤国際学術センター(東京都文京区) で 開かれました。 同年代の仲間 (peer) が学び合い 共に進路を考える「Peer-mentorship」の教育環境を創ろうという運動も、今年で6年目を終え、大きなコミュニティに成長しています。 海外からも 多くの若者が参加しています。 今年は 高校22校で説明会も行われるなど 広報活動が かなり広範になり、また 「Public diplomacy (民間外交)」 の取り組みを 一層促進するため、首相官邸国際広報室の協力を得てハーバード大学やオクスフォード大学等から “学生ジャーナリスト” が10名招へいされたそうです。
  HLABは 2016年度グッドデザイン賞も 受賞しました。 こうした社会的な仕組みのデザインに 賞が与えられることは 稀ですが、先輩から後輩へ、また 国内から海外へと 経験が還流する仕組み、自治体や企業も組み込みながら “開かれた運動体” としていくコンセプトが 評価されたものです。 他方、柳井正財団が 海外の大学学部への進学を志す高校生に対し、4年間で 約3,200万円(28万US$)×10名 を給付する奨学金を新設。 その制度設計・選考・現地支援体制等に HLABが協力しています。 自らの意志さえあれば グローバルな教育を受けられる途が、また大きく広がりました。

12月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
BCNフォーラム--- 12月 2日(金)、於:ベルサール九段(東京都千代田区)。 テーマ 「IoTと情報セキュリティの2016年を総括する」。 ※ 『ヒヤリングしてわかった! 金融、医療、学校に合わせたエンドポイントセキュリティ対策とは』 は 午後3時からです。
市民文化フォーラム12月研究シンポジウム--- 12月10日(土)、於:日本教育会館 (東京都千代田区)。テーマ 『天皇の生前退位と憲法体制』=武藤 一羊(ピープルズ・プラン研究所)ほか。 ※「試論:戦後国家解体プロセスでの『象徴権力』の露出」の著者を迎え、象徴天皇制の政治的機能などを議論します。
第10回 日本旅行医学会 看護部会 教育講演--- 12月10日(土)、於:リロの会議室 (東京都中央区)。 『旅行と食と感染症--- 旅行中・旅行後の下痢を考える』『麻疹の旅行医学--- 過去・現在・未来』。 ※ 関西空港で起こった麻疹流行について 佐藤武幸先生(前 千葉大学病院)の報告は注目です。
HLAB年次総会 2016--- 12月18日(日)、於:東京大学 伊藤国際学術センター(東京都文京区)。 サマースクールの報告、海外大学進学のための奨学金制度創設など。 ※ 高校生・大学生のための 「国境や世代を越えた多様な出会いと交流から学ぶ、リベラル・アーツ教育」の報告会です。
TJFトークイベント りんごをかじろう--- 12月17日(土)、於:TJF国際文化フォーラム(東京都文京区)。 テーマ 『モノ研究の魅力--- ナマコとクジラ、ヤシとバナナから見える世界』=赤嶺 淳 (一橋大学大学院 教授)※ ナマコ研究家の赤嶺淳さんと一緒に “モノ研究” の視点から 私達の便利で豊かな暮らしを考えます。
IIST国際情勢シンポジウム--- 12月22日(木)、於:東海大学校友会館 (東京都千代田区)。 テーマ 『米国新政権とアジア』=久保 文明 (東京大学大学院 教授)、香田 洋二 (ジャパンマリンユナイテッド顧問/元 自衛艦隊司令官) ほか。 ※ 米新政権による外交政策、とくに対アジア政策は 今後どうなるのか、各分野の第一人者の分析・論評を聞きます。
獲得研・日本学校演劇教育会関西支部 共催セミナー--- 12月27日(火)、於:クレオ大阪中央(大阪市天王寺区)。テーマ 「学びの魅力とパワー! 教師・学習者のためのアクティブラーニング入門セミナー」=武田 富美子 (立命館大学 准教授)ほか※ 理系大学・教員免許更新講習の事例、小学校での実践例などを 教職を目指す学生のためにワークショップ形式で…。
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◆ ドラマ『踊る大捜査線』 の舞台である 「湾岸警察署」 は、ドラマの大ヒットで、既存の東京水上警察署だと 誤認されるようになり、2008年、同署の新庁舎落成を機に (交番4つ分 管轄も拡大)、「東京湾岸警察署」 と改名されました。

渋谷シンガポール高校設立時の功労者である桑原 汎さんが 今年の2月に亡くなったことを 喪中連絡で知りました。 1990年、三宅 駐シンガポール大使が早稲田大学に高校設立を依頼にいらした時、西原総長は素っ気なく断られましたが、十年後に、早稲田大学が買い取りました。

◆ ホラー映画の 『フッテージ』(米 2012年) は、主人公が新居の屋根裏で 8mmフィルムを見つけることから 物語が展開します。 原題は 『Sinister (不吉なこと…)』 ですけど、この映画に関しては 邦題の方が しっくりします。

◆ 落語『寿限無』では、「ヤブラ(ン)小路のブラコウジ」と言っていますが、“コウジ” が ヤブコウジのことですから、“ヤブ”⇒“ブラ” となったというよりも、元は “ヤブラ(ン)+コウジ” の繰り返しだったのかもしれません。

◆ 児童虐待や子殺しのニュースが続き、胸が塞がれる思いです。 「子を持って知る親の恩」 の境地に辿り着けないのは、自尊心 (Self-esteem) が育っていないからでしょう。 無償の愛は 無償の愛でしか育めません。

◆ 社会保険事務所が呆れるほど “就職先” を変えてきた私ですが、それ以外の名刺も いろいろ…。 「あなたは どういうお仕事?」 と聞かれて、多羅尾 伴内… と答えても 分かる方が減りました。 いっぱいあってな……。

◆ 『ネクスト私学(晃洋書房) が いよいよ発売! 21世紀型教育を見据える学校経営者19名の “思い” が赤裸々に語られています。 日本の学校が 今、何を考えているかを知る 格好の本です。 実現するかどうかは別として…。

◆ キリスト教徒はアドヴェント (待降節) に入っています。 仏教では “師が走る” シーズンです。 長年、海外育ちの子どもや渡航家族の支援に携わってきましたが、一人ひとりの子に どれだけ寄り添っていけるかが教育の基本だと信じます。 そのためにも 皆、 心身ともに健康でいること!

◆ 冬至の頃は、昼間の時間が 一年で最も短いのですが、公園でラジオ体操をしていると、既に 日の出が早くなっていることを感じます。 10年もすれば、「あの時が歴史の転機だった」 と振り返るだろうことが いっぱいあった一年でしたが、滅入ってしまいそうな気持を切り替え、少しでも明るい社会に向け 頑張っていきたいと思います。

◆ 今年も ご愛読ありがとうございました。 新年快楽! Selamat Hari Natal dan Tahun Baru! 皆様、よいお歳をお迎えください。
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【2016-11月】

11月は、秋も深まり 灯火親しむ候
  『海外子女教育』先月号に 「この絵本が役立った」 の特集がありました。 本好きの子は 大事に育みたいものです。 本といえば、柚子<ユズ>や酢橘<スダチ>のお話も…。
  「ルチン(rutin)」 は 柑橘類やソバ、桑の実、アスパラガスなどに含まれ、健康増進の効果があるとされます。 炎症を抑えたり (花粉症にも?) 血の巡りをよくしたりする薬効を知らないまでも、柑橘類等には豊富に含まれます (皮にも!) ので、ビタミンCと一緒に摂取できています。 最初、ミカン科の 「ヘンルーダ (ruta)」 から発見されたため、「ルチン」 と呼ばれます。 漢方では 「芸香 <yun2xiang>」 で、虫下し・月経調整剤等で用いられます。 <しおり>にすれば 本の虫食いを防げることから、書庫や書斎を 「芸室・芸閣」 とも呼びました。 (注:"芸" は <うん>と読みます)
  中国語で 「●(虫+主)書虫 <zhu4shu1chong>」 は、書籍を食い荒らす 「シミ (silver-fish)」 です。 体が魚に似ていて 鱗状に光り、クネるように走ることから 「紙魚」 と書きます。 本だけでなく 障子や襖・屏風まで食べ、衣類を食い荒らす “衣魚” までいます。 しかし、人を 「本の虫 (書虫)」 と呼ぶ時は、マレー語の 「ulat buku」 と同様に “本の中身を貪る呆子 <dai1zi>”、つまり 「読書好き」 の意味になります。 いつも本を読んでいる子は 一見 役に立たないように見えますけど、“良質の苗 (benih yang baik)”(⇒豊かな知識を持つ人) は どこの社会でも歓迎されます。
     「良質の苗は 海に落ちても島になる」(マレーの諺)

第57回グローバル化社会の教育研究会(EGS)を開催
  11月25日(金)、聖学院中学・高校 (東京都北区) で開かれます。 話題提供は 日本旅行医学会 専務理事の篠塚 規 医師です。 篠塚先生は 世界保健機関 (WHO) の 「INTERNATIONAL TRAVEL AND HEALTH」 編集委員としても 活躍されていまして、リオ五輪が終わるまで 超多忙な毎日を送られていました。
  昨今、グローバル人材育成のため高校生・大学生の海外研修や留学が盛んに行われていますが、その渡航前学習における医療指導の不適切さから、深刻な事態に陥るケースが後を絶ちません。 従来は 「本人が悪い」で片づけられてきたものの、教育現場で ようやく 「放置できない状況」 という認識が広がってきています。 「人の移動の安全と快適性を高める医学 = 統計的なアプローチを通して、旅行・留学・海外赴任の安全と快適のための、科学的根拠のある具体的で分かり易いメッセージを発信する活動」の先頭に立たれる 篠塚先生から、留学や子供の海外帯同に関わる正しい知識の持ち方について お話を伺い、対策も考えたいと思います。

11月11日は、中国の「独身の日」
  ピン(1) が並んでいるからですね。 「ピン」 は汎用性の高い言葉で、熟語も無数にあります。 欧州で 「pin」が発明された(=製造技術が確立した) のは12世紀頃のようですが、数百年間は貴重品でした。 「pin one's faith to/on〜」(〜を絶対信じて疑わない)の表現は元々、中世の騎士が、愛する淑女(lady-love) のくれた「token (徴し)」を自分の袖にピンで付け “身も心も捧げる” ことを誓う習慣があったことが起源とされます。 近代以降の軍隊では、テントや兵舎の壁に、映画スターやファッションモデルなどの “妖艶な写真” を ピンで留めておくので、「pin-up girl」という表現も生まれました。
  「pin」には “”の意味もありますが、パソコンやスマホ、あるいは その中のアプリケ−ションの “開錠” 暗号 (pass-word)、銀行口座やクレジットカードの暗証番号などを、「PIN: Personal Identification Number」(中国語は密碼<mi4ma>)、役所などの入構許可バッジも 「PIN」 と呼びます。 海外赴任・出張の際には知っておきたい用語です。 “〜を釘付けにする” の「pin」 は 元はチェスの用語で、相手の駒が身動きできない状況に追い込むこと。 レスリングのフォール勝ちも、部下などを “凍りつかせる” パワハラも、「pin」 といいます。 (注:受身形の表現も多いです)
  因みに、ピンはピンでも 「ping」は、銃弾が金属に当たったような “ビーン” という 跳弾音(擬声語)で、敵の存在と概ねの距離が判ります。 潜水艦などの「超音波探信儀 (SONAR)」も この原理を利用しており、海中や海底の物体を探知・測距するために発する 超音波も 「ping」。 インターネットの世界でも それに倣い、回線が どこまでどれだけ繋がっているかを確かめる信号 及び プログラムを 「ping」 と呼びます。

関西の「帰国子女教育を考える会」第74回研究例会のご案内
  11月26日(土)、YMCA学院高校(大阪市天王寺区) で 『日本人学校の原点と今』 のテーマで開かれます。 発題は 小島 勝 先生 (龍谷大学名誉教授)山下良一 先生 (元 海外子女教育振興財団教育相談員)芝野淳一先生 (大阪成蹊大学教育学部専任講師)。 司会は 藤内 博 先生 (全海研幹事、大海研顧問) です。 台北、ニューデリー、グアムの日本人学校の、過去と現在の対比をベースに、60年に亘る日本人学校の変遷やニーズの変化などを振り返り、今後を考えようという試みです。 それは同時に、帰国してくる子ども達の支援のあり方等を考えることにもつながっています。

「青鞜」の起源は?
  アメリカ初の女性大統領が生まれるまで あと一歩でしたが、“女性党首” や 女性の知事は ずいぶん増えました。 “ガラスの天井 (glass ceiling)” といった用語を 感情的に用いることなく、堅実な努力を期待しています。 雑誌 『青鞜<せいとう>』は 1911年秋から 4年半発行された月刊誌で、わが国のフェミニズム文化の先駆け といえるでしょう。 その起源は、英国ジョージア時代(18世紀) にあります。 当時 モンタギューやヴィーシらの才気溢れる女性たちが、文学サロンを開いていました。 その頃は 「女性に教養など無用」 とされ、公の発言権も認められなかったことに対抗し、学者・作家などを招いて 勉強会を開いていたのです。
  招待者の中に ある作家がいましたが、彼は貧しくて、改まった場に履く黒い絹の靴下を持っていません。 「毛織 (worsted) の青い靴下でいいのよ」 などと言われて 誘われるので、時々参加していましたが、彼が欠席の日は、不思議と話が盛り上がらなかったとか…… そんな日は、サロンの日誌に 「青い靴下が 居ない」 と記録されたことから、次第に このサロン自体を 「Blue Stockings」 と呼ぶようになったそうです。
  古代ローマで 青は “死” や異民族を象徴する 忌み嫌うべき色、とされていました。 「wear the blue (召使いとなって尽くす)」 という熟語がある通り、青い衣服を身に着けるのは “召使, 身分の低い者” という印象にもなります。 だから 例の作家は “貧しい身なり” だったのかもしれません。 わが国で 平塚明子らが 活動を始める時に、“青い靴下” ではなく 「青踏」 と意訳したのは、賢明だったと思います。 2013年11月、アメリカの女性差別撤廃運動の旗手グロリア・スタイネムに 「大統領自由勲章 (Presidential Medal of Freedom)」 が贈られました。 彼女も “青い衣装” で有名でした。

国内総生産(GDP)の ごまかし広報
  国内総生産 (GDP) の計算は、各国政府が “内々に” やるので部外秘とされるものの、国連は2009年に 「計算基準見直し」 を提議しています。 企業の研究開発費、防衛装備費、不動産仲介手数料、特許使用料も GDP計算に加えようというもので、各国は現政権に有利な情報となるため 直ぐに導入しました。 日本は直ぐには賛同しかねていたのですが、今年の7〜9月期から導入を決定、その場合、日本のGDPは 数字上で約3%(約15兆円) 増えると予測されていました。
  14日に 内閣府が発表した速報によると、7〜9月期の実質GDPは 年率換算で “+2.2%”、“景気は 緩やかな回復基調”と 目減り… でも、アベノミックスの実績として発表されました。 “物価は下落している” と嘘の上塗りまでして国民を欺く政府の姿勢に対し、何もしない政治家、マスコミは どうなっているのでしょう。

11月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★ シャープのモバイル型ロボット電話「RoBoHoN」試用研究会--- 11月 4日(金)、於:東京都南部労政会館(東京都品川区)。 「RoBoHoN」を各自が手に持ち、どんな使い方ができるかアイデアを出し合い、新しい発想や IoT の方向性を考える。 ※ RoBoHoN は 二足歩行が可能な携帯情報通信端末(19.5cm)。実機を手に持って アプリ開発を夢見る幸せを 体感しましょう。
★ JACTFL第2回ワークショップ --- 11月5日(土)、於:慶應義塾大学日吉キャンパス(横浜市港北区) 。 テーマ 「複言語・複文化主義に基づく外国語教育」。
Digima〜出島〜 海外ビジネスEXPO2016--- 11月 9日(水)、於:秋葉原UDX 南ウィング(東京都千代田区)。 ※ 世界140ヶ国から出展。海外ビジネス専門家が 最新動向からノウハウまで紹介するセミナーもあります。
東洋大学人間科学総合研究所 特別講演・研究発表会--- 11月11日(金)、於:東洋大学 白山キャンパス(東京都文京区)。 [特別講演] 「日本を知る楽しみ―中国の学生の努力を中心に」、[研究発表会] 「中国における日本語教科書の変遷」 ほか。※ 中国における日本語教育の検定教科書などの歴史を紐解きつつ、グローバル化時代の日本語教科書のあり方を紹介。
第9回 日本旅行医学会 東京大会--- 11月13日(日)、於:東医健保会館(東京都新宿区)。 『海外留学生のための予防接種』=篠塚 規(日本旅行医学会 専務理事)、『海外赴任者のための予防接種』=金川 修造(国立国際医療研究センター)ほか。 ※ 日医認定産業医制度 生涯研修単位認定研修会として指定もされています。  
第57回グローバル化社会の教育研究会(EGS)--- 11月25日(金)、於:聖学院中学校高等学校(東京都北区)。 テーマ 『 病院のかかり方を知ってますか? --- 保険加入とワクチンが安全手段?? 』= 篠塚 規(日本旅行医学会 専務理事/千駄ヶ谷インターナショナルクリニック院長)。 ※ 「人の移動の安全と快適性を高める医学」の旗頭である篠塚先生に、本当の現状を教えてもらいます。 学校関係者には 必須事項です。
Embedded Technology 2016 / 組込み総合技術展<ET30回記念>--- 11月16日(水)〜18日(金)、於:パシフィコ横浜(県横浜市西区)。 [特別講演] 江崎 浩 (東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授)、徳田 英幸 (慶應義塾大学環境情報学部 教授)ほか。 ※ IoT市場を牽引するキーパーソンの話、先端6社によるIoTソリューション事例の解説など、来年の技術トレンドを一足先に。
TJF「アクティブラーニングの評価」のレクチャー&ワークショップ--- 11月26日(土)、於:北海道 札幌旭丘高校(札幌市中央区)。 [レクチャー]「評価のパラダイムシフト: 講義中心の教育からアクティブラーニング中心の教育への変化は評価をどのように変えたか」=當作 靖彦 (カリフォルニア大学サンディエゴ校教授)※ 社会に求められる資質・能力の変化に伴い、それらの育成・評価は どう変わってきたか、理論と実践の両方から探ります。
※ 『外国語学習者のめやす』(2013年刊行) は好評完売だそうですが、寄贈版PDFは無料ダウンロードできます。
「ほっとコンサートX」朗読で知る広島,長崎そして福島! --- 11月27日(日) 、於:つくばイノベーションプラザ(つくば市吾妻)※ 鶴文乃さんの『ところてんの歌』と 橋本和坦担当さんの切り絵コラボなど 平和の祈りを込めて…。
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シミよりも怖いのは 屋内の埃りを食べる 「チリダニ (House dust mite)」 で、この虫の糞や死骸が飛散すれば ハウスダスト アレルギーの元凶となります。 ダニアレルギーに悩まされたら、まず本棚の掃除をし、扉がなければ、棚カバーをかけておくだけでも ずいぶんと改善します。

◆ 一昨年9月に死亡した日本人留学生の話は、他人事ではありません。 彼女は 大学の留学ガイダンスで 誤った病院のかかり方をインプットされて渡米し、明らかに手遅れの状態で超一流の病院に搬送され亡くなりました。 送り出した大学の渡航指導の瑕疵責任は 明白です。

◆ 「ピンからキリまで」 のキリは 「crus」(十) が原形。 つまり 「一から十まで」 の意味ですが、元は ピンの方が最低/最小を表しました。 武道や書道などの段、HSK中国語検定の級もそうです。 ところが商売の世界で 「二作目から次第に品質を落とすことで儲けること」 が横行し、次第に ピンとキリは逆転しました。

◆ ローマ以外の民族でも、青は “神秘さ, 異世界, 魔除け” の色でした。 12世紀から聖母マリアの服装を青で描くことが流行り、ルネサンスの波に繋がったのですが、心のどこかに 怖れも残っています。 Windows 7 のセットアップ画面は 「青が嫌/眩し過ぎた」 という方も結構あります。

桑ヶ谷 森男先生は、奥様の介護の傍ら、同人誌に出す 『新渡戸稲造と柏木義円の朝鮮認識を問う』 を完成されたとのこと。 健筆に敬服します。
◆ 獲得型教育研究会の渡部 淳さんは 9月に手術を受けられましたが、すぐに退院され、元気にご活躍中。 今月12日には 「獲得研オープンセミナー2」(テーマ:教師養成のあり方) を開かれるとのことです。

◆ 中村学園(東京都江東区) の前理事長 小林和夫先生は 今、京都大学文学部に聴講生として週3日通われています。 11月26日に 『68歳の大学生日記』 の講演をされるとのこと。 久々の小林節を拝聴…… 楽しみです。

◆ NHK講師の遠山 顕さんから、「一ヶ月前に退院し、順調に回復しています。そろそろ録音などが再開…」 とのお便りをいただきました。 ご活躍をお待ちしています。

◆ 先月の教育通信で紹介した小説『イブキの島』 (作:合田芳弘さん=香川県大野原中学校教頭) がミュージカルに…? 脚本を担当される浜畑賢吉さん (俳優/大阪芸大教授) が 23日に現地を取材訪問されるそうです。

◆ 政府発表の消費者物価指数 (コアコアCPI) には、生鮮食料品は含まれないのですが、TVニュースで流される時の背景は生鮮市場です。 今回の 「物価は下がっているので 実質賃金は上昇」 という発表を 何の疑いもなく流すのも、犯罪的と言わざるを得ません。
  夏前からの野菜の “高騰” は、高値留まりのまま 秋が深まっています。 皆様、お身体をご自愛ください。

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【2016-10月】

10月1日は 「印章(ハンコ)の日」です。
  今年の6月、最高裁は、遺言書に 押印する代わりに 「花押(日本古来の自署サイン) を使うことが 有効かどうかが争われた訴訟で、「花押は 押印の要件を満たさない」 と判決しました。 その背景には、明治政府が1873年に 公式の書類には「実印(住民票がある市区町村の役場に登録された 戸籍上の名前を彫った印章/ハンコ)を押すように布告し、それが 今日の 「署名捺印」 の慣習となっていることがあります。 「印鑑(役場にある 印章登録原簿上の印影)に登録されていないハンコは「認め印」と呼びますが、民法上の契約が 「両者の合意で成立」 する日本では、その効力は実印と ほとんど変わりません。
  外国人は「signature (自署サイン)(注:模倣が困難な図柄。旅券の写し等を添付) が普通ですけど、アルファベットや片仮名のハンコも、実印にすること(=印鑑登録) ができます。 また、「拇印・爪印」とは、右手の 「大拇指 <da4muzhi3>」、マレー語なら 「母指 (Ibu jari)」(親指) の腹に 墨や朱肉を付けて、ハンコの代わりに書類に押すことです。
  なお、警察に逮捕された被疑者は、所持品を全て留置場の保管庫に入れられてしまうので、その中にハンコがあっても使えません。 だから逮捕後に作成される調書などには、「指印(左手の人指し指に墨を付けて押す) することになっています。 被疑者が外国人でも、指印させます。(注:朱肉は不可、他の指もダメです)

第56回グローバル化社会の教育研究会を開催
  9月23日(金)、聖学院中学高校で開かれ、(株)わいわいアリス今尾 光子さん・明日香さんから、子どもの “思考言語” に視点をおいた指導法の実際を 教えていただきました。 幼児期を海外で育ったことにより、「読める」 と 「内容が理解できる」 とが一致しない状態の子が急増しています。 とりわけ アジアでインター校に通う子は、来年辺りから 帰国ラッシュが始まりますが、その大半を受け入れる公立小学校には、準備体制がありません。 負担は 現場の担任教師の肩に掛かるわけで、教員のセイフティ・ネットの整備も 喫緊の課題となっています。
  そんな折、ICBA国際児童文庫協会の設立者の一人で 作家の オパール・ダンさんが、久し振りに来日され、2つの講演会をしてくださるとの連絡が届きました。 まず10月11日(火)には、国連大学(東京都渋谷区)のエリザベスローズホールで 「Education for Double Children --- children with two identities and two languages」 のテーマで話されます。 主催・問い合せ先は 国連大学女性協会 です。 もう一つは、港ユネスコ協会 の主催で 14日(金)、港区立生涯学習センターにて行われ、テーマは 「バイリンガルの子ども達 --- グローバル社会の未来を担う子ども達を育む」 です。

「完璧を期すのは 時間の無駄」 が流行語に?
  「Waste time with a masterpiece」 は、アメリカの人気ポップグループDNCEの曲 『Cake by the Ocean』 の一節です。
  2010年度予算の編成過程で、文科省が推進する次世代スーパーコンピュータ事業に関して、蓮舫議員の「2位じゃダメなんでしょうか?」の発言が騒動になりました。 質問の趣旨は「日本にとって世界最速のコンピュータが一台必要なのか、それとも二番目のスピードでもいいから複数台必要なのか?」というものでしたが、お役人さんも理化学研究所のお偉方も 答えられませんでした(未だに逃げています)。 蓮舫議員は 次世代スーパーコンピュータ事業の“masterpiece志向” を否定していないし、何度も助け舟を出しています。 現に予算も付けているにも拘らず、マスコミは寄ってたかって 「2位でよいとは何事か!」 と食い下がりました。
  かくして 「1位じゃなければダメ!」 の大合唱が巻き起こり、「最後に負ければ 全部ダメ!」 のストレスを、中学・高校の部活動にまで与えることになりました。 学校の部活動は 「生徒の自主的、自発的な参加」 により、教育の一貫で行われるもので、勝利至上主義とは相容れない部分があります。 しかし、鍛錬の途上において、若者たちが 「完璧を期すのは 時間の無駄!」 と言いたくなる衝動、あるいは 「あぶなく生きて行こうぜ!」と叫びたくなる気持ちに迎合するわけにもいきません。 それらを どこまで “稚気” として許容しながら導いていけるか、教育現場が試されているのです。
  なお、原子力安全委員会(Nuclear Safety Commission)は1978年、原子力の安全確保に “完璧を期す”ために内閣府に設置された審議会でした。 ところが 2012年暮れ、「原子力規制委員会」(安全基準は示さない・判断しない)へ改組されます。 正に 「完璧を期すのは 時間の無駄」 が 政府から出されたわけです。 マスコミは 沈黙しました。(喝ッ!)

『東南アジア指導者が抱いた日本人像』が完結
  久保田 武先生の論文ですが、『地理』 10月号で完結しました。 “アジアの解放者” として東南アジアの人々の前に現れた日本軍は、「旧宗主国の白人より人権を無視し、現地の文化を理解せず、日本軍の価値観を振り回し、粗暴で残忍な行為を働くことが多く」、まもなく “新しい抑圧者” と見なされたことを、1940年頃の各国指導者の言説を整理されるにより 浮き彫りにされています。
  大東亜戦争が 資源獲得目的の侵攻だったことは 明白で、「絶望的な国力差を知りながら、狂信的な精神主義と神国思想を拠り所にして自爆戦争を始めた」 点は、現在の中東の “武装勢力” のロジックと非常に似ていることに 心が痛みます。 周辺国にとり、こんな迷惑な話はありません。  安倍首相の訴える 「いつまでも過去にこだわらず、未来志向で向き合うべきである」 は、過去の侵略を きちんと謝罪した上でこそ成立する論理 (つまり 現段階では ごまかし) であることは、久保田先生が ご指摘の通りです。

「素晴しい」「あぶない」を考える
  今から30年前、1986年秋に 日商岩井(現 双日)と富士通によるパソコン通信サービスが 「nifty」の名で登場したとき、文字通り “素晴しい”と感じました。 高校生や成人男性の服装を良く評価するとき、「smart (垢抜けした)」「spruce (キリッとした)」「have good sense (センスがよい)」 が用いられます。 きちんとした基準感覚・節度を持ち、それを守っている状態です。 決して “粋”ではありません。 逆に、“凝った”服装は「fancy(洒落た)」「nifty(格好よい, 気の利いた)」「dandy(めかし屋/最上等の)」で、昔は “ハイカラな”とも訳しました。 成人女性の “垢抜けした”は 「chic, stylish (流行の先端を行く)」 ですが、「swinging, sexy (溌剌とした, イケてる, 洗練されている)」 となると、“刺” や危険度(性的開放感) が増します。 かつては 「ナウい, イマい」 という若者言葉もありました。 現在なら “あぶない/ヤバい格好” でしょうか? 男女差がなくなっていくのも “あぶない”…。
  英語圏の学校関係者が “生徒らしい身だしなみ、きちんとした身なり” を指導する時は、「neatness」を使います。 通知表にも 「Neatness」 の欄があります。 しかし、これは “だらしなくないか”の観点が主で、余りにビシッと整え過ぎると 「Chicago(ギャングみたい)」などといわれて、“不良”の評価になりかねません。 ミュージカル『シカゴ』が1975年に ブロードウェイで初演されてから、「Chicago」 という言葉は 服装を “ビシッと格好よく決める” というニュアンスを持つようになったそうです。 この都会的な “はったり”(乱暴/危険で 派手だけど、カッコイイ ⇒ あぶない) は、マレー語で 「keren」といい、日本では 「外連」 の字が 当てられました。 若者たちが使う “ヤバい”も、元はヤクザの用語でしたけど…。

シンガポールの学校で 「硯を洗う」が義務化
  シンガポール教育省は 今年2月、すべての小学校〜短期大学で 「清掃の時間」 を義務付けることを発表しました。 日本と台湾の教育システムに倣って、在校生が毎日、少なくとも数分間は校内を清掃する “良い生活習慣” を身に着けさせたいというものです。 教育大臣は 「自らと社会的な責任を学ぶためには、好い機会となる」 と語っているものの、清掃を日課にしている学校と そうでない学校とで、大きな学力格差が生じている点を 何とかしたいというのが、本音のようです。 導入時期や方法は 各学校に任せられ、年内に 全校で導入しようという法律となりました(期限まで残り2ヶ月)
  なお、最近のわが国の名門進学校では逆に、「生徒に掃除をさせません」 が宣伝要素とされています。 全寮制学校の中には、生徒を勉強に集中させるため、保護者有志が掃除・洗濯・裁縫をこなす学校もあるそうです。 “生きる力” や “グローバル人材” には、逆行していませんか?

10月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
IAPL国際表現言語学会 第7回大会--- 10月 1日(土)、於:城崎国際アートセンター(兵庫県豊岡市)。 [ワークショップ] 平田オリザ(劇作家)、 [英語ワークショップ+公演] 劇団 WHITE HORSE THEATRE。 ※ IAPLは 演劇の力を第二言語教育に活用することを目的とした団体で、研究者と現場の実践者との交流を促進しています。
日本旅行医学会 第3回関西 感染症・ワクチンセミナー--- 10月2日(日)、於:大阪医科大学(大阪府高槻市)。 「シンガポールの最新医療事情--- どのようなワクチンを使用しているか? 現地の医療制度、病院施設他を説明」=日暮 浩実(シンガポール日本人会クリニック)ほか。 ※ 海外の医療現場の最先端の報告が聞けます。
ファイル無害化「ESS FileGate」デビューセミナー--- 10月 4日(火)、於:(株)BCN 本社(東京都千代田区)。 テーマ 『ファイル無害化ソリューション ESS FileGate その特徴とメリット』 講師:丸山 良弘(エンカレッジ・テクノロジ(株) 代表取締役) ほか。 ※ 自治体が WEBや電子メールを介して取得した文書等を無害化して LGWANに持ち込む方策は、学校にとっても課題です。 
「もっと知りたい韓国、韓日交流」 第4回講演会--- 10月20日(木)、於:韓国文化院ハンマダンホール(東京都新宿区)。 テーマ 『宗教文化からみた日韓比較』=安達 義弘(帝京大学文学部 教授)。 ※ 韓国 ムーダン、生活の基礎にある儒教、急速に拡大したキリスト教が 人々の考え方にどんな影響を…。
日本IBM バックアップ・災害対策の課題解決セミナー--- 10月14日(金)、於:日本IBM本社(東京都中央区)。 テーマ 『しくじらない最新トレンドバックアップは これだ!』。 ※ ネット世界でのバックアップに経験豊富なSEが 独自検証結果で得た“秘伝”の導入・構築のコツを伝授。アプライアンスだけでなく、 最新のBC/DRとデータマネジメント事情が解ります。
関西帰国生母の会「秋のレッツトーク 2016」--- 10月24日(月)、於:大阪市立総合生涯学習センター(大阪市北区)。 テーマ 『みんなどうしているの? どうしたらいいのかな? そこが知りたい、本音が聞きたい、etc.』。 ※ 子どもの教育や自分自身のことなど 帰国後には多くの戸惑いが生まれます。皆で集まって 先輩帰国ママたちとお喋り会。解決のヒントが見つかるかもしれません。
日本語教育における「外国語学習のめやす」研修会--- 10月29日(土)、於:宮城学院女子大学(仙台市青葉区)。 [基調講演]『「外国語学習のめやす」とは何か?』=山崎 直樹(関西大学 外国語学部 教授)、 [実践報告]『日本語教育における「外国語学習のめやす」』=田中 祐輔(東洋大学 国際教育センター講師) ※ 言語領域・文化領域・グローバル社会領域を統合した 総合的コミュニケーション能力の育成を志向する 外国語教育のスタンダードを学ぶ場です。
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◆ 時代劇で、親指の表皮を少し切り、滲み出た血で誓約書などに 「血判」 を押す場面を 見たことがあるでしょうか? 元は「盟誓 <meng2shi4>」(山羊などの喉を切った血を盃に受け、それを共に舐めて 天地神明に約束を誓う) という儒教の儀式です。 盟誓は、日本人には馴染めませんね。

◆ 役場に登録されたハンコ自体 (物体そのもの)を 「印鑑」 と呼ぶ誤用は、やがて 銀行口座のハンコへと広がり、今日では 認め印・三文判までが 「印鑑」と呼ばれるようになりました。 弁護士でも 平気で混同するようになっては、辞書を修正せざるを得ません。

◆ アメリカ西海岸の情報誌 『ライトハウス』 秋の増刊号に、「日本帰国後の学校選びガイド 初級編」の特集が載りました。 帰国生が 私立中学・高校を選ぶ際の基本事項を、森上展安さんが 易しく解説されています。

◆ 『Cake by the Ocean』を 入試問題にしようとしている先生は、私は大好きです。 でも、子供に 「飲酒の心得」 を自由研究させるようなもので、やはり不適切でしょうね。 それに今、ここに書いてしまったし…(笑)。

◆ ノーベル医学生理学賞の大隅良典さんが 「日本の大学の基礎体力が低下しているのは深刻な問題」 と指摘され、研究費の多くが(軍事産業に絡んだ)競争的資金になることに警鐘を鳴らされました。 科学者としての矜持を、精一杯の形で示されたと思います。

◆ 関西帰国生親の会かけはしの 『帰国生への学校案内 《関西》2017』 が完成! 国公立校の部分も充実していて 貴重です。 海外子女教育振興財団の 『学校便覧2017』 のほか、フレンズ帰国生母の会の 『母親が歩いて見た帰国生のための学校案内 2017(首都圏版)』 も、いよいよ出揃います。

◆ 10月16日は「世界食糧の日」です。 昨年の 「世界飢餓指標 (World Hunger Index)」 によれば、世界で約8億の人々が 十分な食料を得られず飢餓死亡した数は、エイズとマラリアと結核が死因となった人の合計を 越えているそうです。 砂漠の緑化と食糧増産を 一層推進しなくてなりません。

◆ 英語で 「r」 が付く月は 牡蠣や蟹が美味しいと言われますが、その前半4ヶ月は 「ber-months」 と呼ばれ、農産物を堪能できます。 しかし、クリスマスのための “稼ぎ時” ⇒ “犯罪多発の季節” の意味にもなります。 身体にも 財産にも お気を付けください。

◆ 「クールは?」 という声が聞こえるようです(笑)。 本来 「cool」 は “そのものズバリ” という意味ですが、やがて “素晴しい/魅力的な/カッコイイ” の意味に 進化します。 中国語では 「酷 (ku4)」。 日本語の 「素晴しい」 も、大昔は “ひどい/とんでもない” の意味だったようですけど…。

◆ 先月末、国産ジェット機 「MRJ」 が アメリカのグラント郡空港(旧ラーソン基地) の飛行試験センターに到着しました。 シアトルから ロッキー山脈を越えた東側で、かつて 日本航空の訓練センターが置かれ、モーゼスレイク補習授業校もありました。 試験が上首尾にいくよう祈ります。

◆ 上海日本人学校にいらした合田芳弘さん (香川県大野原中学校教頭) の書かれた小説『イブキの島』 が14日、毎日新聞に紹介されました。瀬戸内海の伊吹島に残る伝承が元だとか。 挿絵は 生徒が描いたそうです。

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【2016-9月】

秋風がたつと 「くしゃみ」も出ます。
  グローバルな社会では、「くしゃみ (sneeze)」 をしたら 「Bless you!」「Salute!」 などと 声を掛けられますが、“お大事に” という呪い言葉 (=挨拶) なのです。  (注:くしゃみをした人に 黙っているのは、「あなたとは親しくない」の意思表示と受け取られます。日本語でもよいので、「お大事に」と言いましょう!)
  「Salute」 という言葉は、“敬意・挨拶 (greeting)・健康・乾杯” の意味で、軍隊では “敬礼/捧げ銃<つつ>” の掛け声です。 サーベルを持つ士官なら、抜刀して右下に向け、砲手なら空砲 (弾はこめない⇒ 礼砲・祝砲) に点火します。 オリンピックでも お馴染みの光景ですが、“歓迎/敬意をはらう” という 国際儀礼 (protocol) なのです。
  ぺリーが4隻の軍艦を率いて 浦賀沖に来航したのは、1853年7月でした。 折しも アメリカ独立記念日の直後で、内水 (ここでは東京湾) に入れてもらえるお祝いも兼ねて、礼砲を数十発鳴らします。 国際法に則って鳴らす旨を 予め通告されてはいたものの、人々は驚きました。 江戸幕府は、慌てて 「大船建造の禁 (武家諸法度第17条)」 を撤廃、各藩に西洋式水軍力の強化を奨励します。 幕府自身も オランダに軍艦建造の発注を決めますが、国際法・国際儀礼の理解は 後回しでした。
  なお、現代の軍隊では、全ての兵士に効率的な監視・報告の技能を習得させる用語として、「SALUTE」を用います。 規模(size)・行動(activity)・位置(location)・部隊(unit)・時刻(time)・装備(equipment)の頭文字を取って、敵の状況を的確に伝えるための必要事項を明示しているのです。 軍事用語を ビジネスの世界に持ち込むのが大好きな政治家たちの下で、「SALUTE」も早晩、わが国のビジネス用語に認知されるでしょう。

第56回グローバル化社会の教育研究会(EGS)を開催
  9月23日(金)、聖学院 中学・高校(東京都北区)で行われますが、話題提供は、横浜を拠点に全国で発達相談・指導教室の活動をされている 「わいわいアリス」 の 今尾 光子さん と 今尾 明日香さんに お願いしました。 前回の江口俊昭先生のお話に続き、具体的な実践例として WISC−IV 知能検査によるアセスメントと指導法の実際を ご紹介いただきます。
  また、同社の推進する 「インクルーシブ教育」 は、「全ての子どもが同じ場で共に学ぶことを追及するとともに、一人ひとりの子どもの発達的・教育的ニーズに対して、自立と社会的参加を見据えて、その時点における 最も的確に応える指導・援助を 提供」するものです。 公立校で学ぶ帰国生にとっては 革命的ともいえる可能性をはらんでおり、お二人のご報告を基に、参加者で話し合いたいと思います。

上海ガニ と 「和諧」
  中国では 「河蟹 (he2xie2)」(上海ガニ) のシーズンが 到来です。 私は好物ではないのですが、つい最近まで、EメイルやWEB上に 「上海ガニは嫌い」 と書かないように 気を付けてきました。 というのも、「河蟹」 と音通の 「和諧」 という言葉があります。 「和諧社会」 は、2004年の中国共産党大会で提議された 「矛盾のない調和のとれた社会を目指し、心を合せ助け合おう」 という国家スローガンなのです。 だから 「上海ガニは…」 と言うと、中国共産党批判を意味しますし、当局が インターネット上の 「敏感詞」(検閲対象語) を削除することも、若者たちは 「被河蟹」(上海ガニされる) と表現していました。
  中国高速鉄路(CRH) の車両は 「日・独・仏の技術の粋を調和させる」 という “自主技術” で開発・製造し、「和諧号」 と名付けられています。 たとえ事故や困難があっても、「互いが争うことなく 強調して事後処理に当たる」 ことが 誇らしく掲げられているのです。 2011年7月の事故で、「原因究明よりも和諧 (河蟹)!」 と考え 事故車両を土中に埋めてしまった関係者を、私は笑えません。
  高速鉄路は、輸出品としても国家的事業になります。 しかし、今年6月、べネズエラに続いて アメリカのラスベガス−ロサンゼルス間の 高速鉄路の米中JV(合弁事業)が 頓挫したことが判明。 既に メキシコ政府は中国との契約を取り消しており、タイ政府も 政変を契機に 中国の資金提供を拒絶。 また、インドネシアの案件も、インドネシア政府から英文設計図の提示を求められています。 マレーシア・シンガポールの案件では、どうでしょうか? 「河蟹」 の影が つきまといます。
  
定年退職後はボランティアなど地域貢献を
  『終わった人』(内館牧子 著、講談社) が売れているそうです。 この種の本にしては 珍しいことですが、団塊の世代にも 真面目に悩む人は多いのでしょう。 しかし、定年退職した後の人生を “どう生きるか” が問題なのであって、“社会から必要とされなくなった” と感じる人は、今まで世間に甘えていただけです。 給料を通して社会とつながろうとするのではなく、町内会・自治会やボランティアなど、様々なつながりを周囲の人々と創り、維持していく努力をすべきでしょう。
  夏休み中、多くの高校生が ボランティア体験 に参加しました。 学校の履修単位にも 認められるのです。 受け入れ側としては、作業が捗って助かるということは 余りないのですが、若い人の参加で メンバーは明るい気分になります。 ちょっとした鋏の使い方やロープの結び方など “昔からの技” を引き継いでもらえるのも 嬉しいことです。 『月刊 海外子女教育』9月号の 「中学校の部活動」 の取材で訪れた学校でも、部活動や植栽に協力する地元の人たちは 楽しそうでした。

「商法」の意味するもの
  1937年9月、近衛文麿内閣が 7月から始まった紛争を 「支那事変」と呼ぶと閣議決定し (中国側の呼称:「中日戦争」=宣戦布告は1941年)、“死の商人” や戦争屋たちに加担してから、80年目を迎えます。
  中国古代 殷王朝の「殷」は 現在の河南省にある地名で、人々は自分たちの国を 「 (Shang1)」(子に恵まれる幸せの国) と呼んでいました。 彼らは物流・交易で生計を立てる部族なのですが、交渉不成立の時は略奪してしまう性癖があり、他の部族は「商法」と呼んで嫌っていました (cf. 店舗を構えたビジネスは<gu3>」)。 紀元前11世紀、周一族が殷王朝を倒すと、人々は一斉に 「商の撲滅」を行い、歴史からも抹殺します (⇒20世紀の殷墟発掘まで、殷は“伝説上の王朝”に)
  しかし、17世紀に欧州列強が 「商船艦隊 (Mercantile Navy)」 を中国に送り込んで来た時、武力を背景とした略奪貿易であることは明白でした。 1886年の長崎事件(清国艦隊が“補給”のため 長崎に入港し、上陸した水兵が 市街で乱暴・略奪を働いた。双方の死傷者 100名以上) でも、清国としては “通常の商法” と考えていたわけです。 その後、明治政府も 「商社」育成に躍起になり (「生めよ増やせよ」も“商”ですね)、やがて 日清戦争での意趣返し、さらには 「商船派遣」 へと進みます。 支那事変(中日戦争)は 「邦人の保護」 を名目として開始・拡大しましたが、中国側にしてみれば “盗人の居直り” としか思えなかったでしょう。
  現在、中国のビジネスのやり方を批判する人は、1945年まで日本人がやっていた 「商法」 を知るべきです。 そして、戦後70余年、武力を振りかざさず 必死に頑張ってきた私たちの努力を忘れて、“先祖帰り” しようとしている 今の政財界には、異議申し立てをしましょう。

第6回全国中学生英語ディベートPre大会の開催
  一国の外交力を支えるのは、国民の健全な愛国心情報の収集・分析力、そして論理的な発言力です。そのために 小学校段階から、会議やディベートの訓練は 不可欠となります。 海外子女教育振興財団の外国語保持教室や 順心女子学園の英語補習校でも、井上敏之さん、T・ライトさん、山田峰子さんの 「Speech & Debate」 の授業は 人気でした。 今流行りの 「模擬国連 (Model United Nations)」 も ディベートの一種といえます。
  9月25日(日)、第6回全国中学生英語ディベートPre大会が 中京大学センタービル(名古屋市昭和区) で行われます。 論題は『All secondary schools in Japan should stop providing lunches for the students.(すべての日本の中学・高校は、給食を廃止すべきである。是か否か)』。 主催は 中京大学国際英語学部 森山研究室。 全国高校英語ディベート連盟(HEnDA) の時間短縮版で闘います。 観戦は無料、参加選手との交流も有益です。 お問い合せは <nagao@biglobe.jp> 長尾美武さん(岐阜聖徳学園)まで。

9月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
台日産業連携推進オフィス セミナー--- 9月 2日(金)、於:大田区産業プラザ(東京都大田区)。 テーマ 『新分野での日本と台湾の産業連携/商機を考える』。 「日本と台湾の産業提携分野についての展望」=翁 建一 (TJIC 主任) ほか。 ※ 5人の講師が 新しい台湾政権の新経済戦略、バイオ産業における台湾の現状と課題、日本との連携、ビジネスチャンスなどを解説します。
関西FC EXPO 2016/第1回 水素・燃料電池展--- 9月 7日(水)〜9日(金)、於:インテックス大阪(大阪市住之江区)。 [基調講演] 「ホンダの燃料電池自動車の開発と水素社会に向けた取組み」=松尾 歩((株)本田技術研究所 執行役員)、「アイシン精機のエネファーム普及に向けた取組み」=杉浦 勝浩(アイシン精機(株) 常務役員)ほか。 ※ 水素・燃料電池の研究開発/製造に必要なあらゆる技術、部品・材料、装置、燃料電池システムの 310社が出展。
第31回 SIETAR 異文化コミュニケーション学会--- 9月17日(土)・18日(日)、於:名古屋外国語大学(愛知県日進市)。 テーマ 『多文化共生社会への構築に向けて:アクティブ・ラーニングと異文化コミュニケーション能力』。 [基調講演] 「≪黙認≫と想像力:世界の不幸を見つめて」=亀山 郁夫(名古屋外国語大学 学長)、「キャンパスのグローバル化を目指して:グローバル人材育成から得られた教訓」=Darla Deardorff (Duke Univ.)。※ 国際間/異文化間における円滑なコミュニケーションと協力関係を育むための 異文化の教育・訓練・研究の研究会です。
第56回 グローバル化社会の教育研究会(EGS)--- 9月23日(金)、於:聖学院 中学高等学校 (東京都北区)。 テーマ 『帰国生の“学び”のために --- WISCなどの発達検査、具体的な相談例・指導例など 』 =今尾 光子((株)わいわいアリス 代表)・今尾 明日香((株)わいわいアリス 指導員)。 ※ 「子供の“学び”を どう保証するか」の第2弾。 「インクルーシブ教育」は、公立校で学ぶ帰国生にとって 革命的ともいえる可能性をはらんでいます。
第23回 マレーシア総合セミナー--- 9月23日(金)、於:国際文化会館 講堂(東京都港区)。 テーマ 『イスラム金融を考える』 「イスラム金融における資産運用の考え方」=ザエマ・ザイヌディン(国立マレーシア北部大学 経済学部金融学科長)ほか。 ※ イスラム金融先進国のマレーシアの視点を基に イスラム金融の今後の展望やわが国経済との関係などについて考えます。
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くしゃみをした人に言う言葉は、英語圏では 「Bless you!」 が一般的なのですけど、「Salute!」 も紹介した次第です。 古家 敦さんが “くしゃみの挨拶”のサイトを教えてくださいました。 仏教圏の 「くさめ!」 と声をかける習慣が廃れたのは 残念です。

◆ 8月17日、ノート型パソコンの父 J・エレンビーが亡くなりました。 1982年にグリッド社から発売した 「コンパス」 は 8,150米ドルと途轍もなく高価でしたが、「PCはこうでなくちゃ」 と感激しました。 同じ年、海外子女教育振興財団にも ワープロの 「シャープ書院」 が入り、“誰でも使えるOA” の時代に…… 8インチFDに 文書保存する “化石” みたいな話です。 アップル社の 「マック(デスクトップ型) 発売は、その2年後でした。

◆ 8月26日、東京サマーランドが営業を再開。 「タトゥーお断り」 の決定(2008年) が 他の遊園地よりも2年遅かったため、“刺青<いれずみ>愛好家” に愛され続けた故の 今回の傷害事件ですが、長年の試練に よく耐えておられます。 マスコミは、何故か 刺青に関する報道を自粛しています。

◆ 『憲法って、どこにあるの?(谷口 真由美 著、集英社) は、憲法を “おばちゃん感覚” で易しく解説しています。 教員免許の取得には、憲法の履修が必修ですが、憲法が何かを知っている教員は ほとんどいません。 プロ意識があるなら、この本くらいは 読んでおいて欲しいものです。

◆ 昨年6月、カニ座の説明で 「上海ガニは、その凶暴さと繁殖力の強さで急速に世界中に拡散、各国が “侵略的外来種” に指定」 と紹介したため、「高速鉄路を牽制する気?」 と勘ぐる人もありました。 誤解です。

部活動のあり方や顧問の強制等が問題とされ、文部大臣までがコメントを求められる時代ですが、「生徒の自由参加」「教員が生徒たちと直接触れ合い、寄り添う」 という大前提を 忘れないようにしたいものです。

広島カープが 25年振りにリーグ優勝しました! 地域全体で若手を育てる伝統は、現役プロ選手の中の “赤ヘル経験者” や 広島出身者の多さでも証明されています。 ここ数年、カープ女子が全国的に増えたのも嬉しいことです。 応援 ありがとうございます!

◆ 英語の「Navy」を “海軍” と訳すか “武装船団” と訳すかは、政府が 認知(recognize) しているかどうかで決まります。 F・ドレーク提督だって、スペイン側から見れば “海賊の親分” 以外の何者でもありません。 アメリカの 「海員殊勲勲章 (Merchant Marine Distinguished Service Medal)」 は 「敵に攻撃され 撃退した(応戦した) 偉大な商船員」 に与えられます。 たとえ撃沈されても 貰えます (何度でも)

◆ 中国は、10月1日から国慶節の休暇(〜10/9?) に入りますね。 これを利用して、帰国後の学校探しのため一時帰国する子ども達も多いことでしょう。 帰国生受け入れ校の先生方は、対応をよろしくお願いします。

◆ 「生産部品承認プロセス(PPAP)」 は自動車業界発祥の用語ですが、最近、高校生の間で奇妙な病気 「PPAP」が流行。 「何それ?」 と訊いても、「ペンパイナッポー アッポーペン」 としか答えません。 対症療法は?(笑)

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2016年 8月以前のニュースは こちら。 

小山和智の執筆記事・コラム等の一覧

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