子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2017年 4月3月2月1月。 2016年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月

 2017年5月以降のニュースは こちら

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【2017-4月】

桜の花の便りが 各地から届きます。
  「cherry blossoms」 の花言葉は、「spritual beauty (精神美)」。 桜の花を 日本の国花だと思う日本人が大半ですが、外国人からも 結構そう思われているようです。 「cherry」 の語源は 梵語・マレー語やギリシア語の 「keras (堅い/硬い)」 です。 幹は 堅い材木となり、昔は スキー板にもしました。 “生娘” の意味にも… (セクハラに注意)。 大阪市の市木でもあり、サッカー(Jリーグ) 「セレッソ大阪」 の 「CEREZO」 は、スペイン語の “桜” です。 海外ニュースで 「Cherry Blossoms」(注:複数形) といえば、日本代表チームのこと。 ほぼ 「Samurais」 と同義語です。 ラグビー日本チームは、三輪の桜を エンブレムにしています。

桜と言えば、ワシントン?
  アメリカ初代大統領のG・ワシントン (華盛頓 <hua2sheng4dun>) も、首都ワシントンDCも、桜で有名です。 同市の法律上の正式名称は 「コロンビア特別区 (District of Columbia:DC)」。 50州から独立した 連邦政府の特別区ですので “0番目の州” といってよいかもしれません。(人口 60万人=50州では中位の数)
  連邦議会上院は、各州2名ずつの100議席ですから、DCの議席はなく、下院 (435議席) のみ 投票権のない代表者の出席が認められています。 「代表なき課税 (Taxation Without Representation)」 と言われる所以です。 大統領選挙人 (Presidential elector) は3名分あります。 他方、裁判所は “州” としてのDC裁判所と、DCの連邦地方裁判所 (U. S. District Court。 cf.50州には 89ヶ所置かれている) とが 一審裁判所になります。 DC市内には 独自の拘置所が ほとんどなく、被告は 「近くの郡の拘置所」(つまり隣接州の拘置所) に預けられるのが普通です。
◆ DCにある最高ランクの大学は ジョージタウン大学 (Georgetown Univ.) で、200年以上に亘り 政治家・外交官等を輩出してきました。 なお、DCの桜の木は 20世紀になってからです。 G・ワシントンの伝記は??

第59回グローバル化社会の教育研究会(EGS) を開催
  最近、中学・高校の生徒募集活動では 「グローバル教育」 と 「アクティブ・ラーニング」 とが、流行語の如く扱われています。 しかし、これらは、帰国生を受け入れる学校では 30年以上前から話題になっていましたし、「双方向学習 (bi-directional learning)」 や 「対話型授業 (Interactive lesson)」 「教え合い・学び合い (peer/buddy teaching)」 という形で取り組む先生方も 少なくありませんでした。 今は流行のように 「グローバル教育」 「アクティブ・ラーニング」 が叫ばれながら、学校の現場では 言葉だけが上滑りしている ような感じが どうしても拭えません。
  長年、海外子女教育・帰国子女教育の現場をリードしてこられた 多田 孝志 先生 (日本学校教育学会 会長) が 昨年、『グローバル時代の対話型授業の研究』 という博士論文を まとめられました。 4月28日の第59回グローバル化社会の教育研究会(EGS) では、多田先生に論文のエッセンスをご紹介いただき、今後の方向性について話し合いたいと思います。

ユートピアとシャングリラ
  新年度を迎え、若者たちが真新しい制服やスーツに身を包み、夢や希望を抱いて 街に溢れています。 彼らに幸多かれ と祈る次第です。 しかし、「utopia (理想郷)」 は 元々 “素晴らしいけど 何処にもない” の意味で、中国語でも 「無何有郷 (wu2he2you3xiang)」(幻の世界) といいます。
  「シャングリラ (Shangrila, 香格里拉)」 は J.ヒルトンの小説 『失われた地平線 (Lost Horizon)』 で描かれた 「utopia」 です。 欧米の探検家たちによる 「シャングリラ探し」 のブームの結果、パキスタン・インド・ネパール・中国の各地に、観光村の 「シャングリラ」 が いくつも生まれ、果ては ホテルの名前にもなりました。
  1942年4月、初の日本本土爆撃に成功した 米空軍ドーリットル航空隊の “秘密基地” の場所を 記者団に追究された ルーズベルト大統領は、「シャングリラだよ! (何処にもない)」 と答えます。 冗談が理解できなかった記者たちは そのまま報道し、以後、「シャングリラ」 は 航空隊の秘密基地を意味するようになりました。 なお、米軍の秘密基地が中国にあると誤認した 旧 日本軍は、中国沿岸部の飛行場を 手当たり次第に攻撃していきます。

待望の教科書 『イスラム金融の基礎』 の刊行
  このたび 日本マレーシア協会から、『イスラム金融の基礎(紀伊国屋書店) が発行されました。 「イスラム金融を抜きに 世界経済は語れない」 と永年いわれてきましたが、やっと 待望の “教科書” が出たわけです。 社会の根底に シャリーア法があり、それが 社会の様々な制度の働きに影響を与えている--- その理解なくして、イスラムの仕組みや経済を学ぶことはできません。 とくに 「riba (利子) の禁止」 は、金融資本に振り回されている 今の私たちの胸に突き刺さります。 お急ぎの方は 同協会事務局まで。
  『「奨学金」地獄(小学館新書) も 注目されています。 奨学金制度が、2004年に 日本育英会から 日本学生支援機構(JASSO) に変わった途端、“サラ金ローン” 同然になったわけですが、ようやく その弊害が 認識されるようになりました。 奨学金に利息を付けるとは、愚策そのものです。 数年前、若者を食い物にする 「カードローン」 や 「リボ払い」 の怖さを繰り返し訴えていたら、大手銀行の方から 「教育通信の発信を止めて」 と圧力をかけられました。 イスラム教の感覚からすれば、「地獄の劫火に焼かれる人の発言」 となるでしょう。 若者や社会的弱者から利子を取ることの “犯罪性” を、一度 よく考えるべきです。

新参者の受け入れを考える
  池袋は、東京でも 有数の中国人の多い街です。 かつて 駅北口の 「日光亜細亜」(中国食材商社) や 「友誼商店」 の近くに住んでいた人達と違い、数年前から 住宅地区に サラリーマン家庭が増えました。 新華社東京支局など中国政府系の事務所も、引越してきています。
  ゴミのポイ捨て、植え込みでの用便などは、ほとんど見受けなくなって安堵していますが、マンションの管理費を払う習慣がない点や、ゴミの分別に不慣れな点、騒音への配慮不足などが、これからの改善課題です。 まあ、日々起こる行き違いに 鷹揚に対応していくのは、地方出身の学生を受け入れる際にも 必要なことです。 優しい眼で見守り、粘り強く 話すようにしましょう。

協調・調和の女神 「コンコルディア」
  ローマ神話の 「コンコルディア (Concordia)」(ギリシア神話の Harmonia) が手にしている 「Cornu Copia (豊穣の角)」 は、全能の神ゼウスが 養母アマルテイアに与えた 羊の角です。 望みのものが 何でも出てくるとされ、日本の “打ち出の小槌” みたいですが、何故か 果物や野菜くらいしか出さないところが 慎ましいです。
  パリの中心にある 「コンコルド広場」 は、フランス革命後の混乱の収拾を願って名づけられました。 古来の犬猿の仲だった 英仏両国が共同開発した超音速旅客機(SST) の名前も 「コンコルド」 でした。 しかし、この名前に 英国が抵抗したことは、余り知られていません。 アメリカ独立戦争 (1775年4月19日〜1783年9月3日) の口火となった古戦場が コンコード (マサチューセッツ州) であり、独立 (=英国の敗北) は フランスの支援を受けて達成されたことも 不愉快だったのでしょうか?

天才 プリンスの死に学ぶ
  4月21日は、音楽の天才 プリンス=ネルソンの一周忌です。 “湖の都” ミネアポリスで生れ、人類愛と社会奉仕に溢れた環境で育ったスーパースターは、満58歳の誕生日直前に 突然、世を去りました。 インフルエンザで体調を崩した というニュースの一週間後でしたが、死因は 「フェンタニル (Fentanyl)」 の過剰投与と発表されています。 フェンタニルは 「アヘン類縁物質 (Opioid)」 の一つ、つまり モルヒネ や ヘロインの仲間で、麻酔・鎮痛・鎮静剤に使われます。 しかし、「China White」 とも呼ばれて、現在の乱用薬物の 最右翼です。 ここ数年、モルヒネと併用して フェンタニルのトローチを 鎮痛剤として使用することが普及してもいます。 いずれも 麻薬には違いありませんので、とくに 留学生等には、好奇心から手を出さないよう 厳に戒めておきたいものです。

4月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
JOES 赴任前子女教育セミナー--- 4月 5日(水)・5月10日(水)、於:名古屋国際センター (名古屋市中村区)。 ※ 海外における子どもの教育の全体像をつかむための無料セミナー。 浜松会場 (6/21 於:アクトシティ浜松) も開催されます。
ASIA-NET 異文化理解シリーズ --- 4月5日(水)、於:南部労政会館 (東京都品川区)。 テーマ 『中国とビジネスをするための鉄則55』=吉村 章(Asia-Net 代表)。 ※ 文化の違い、商習慣の違い、人間関係の構築法…など。 前回(3/16) に参加できなかった方のための “アンコール企画” です。
外語大オープンアカデミー講座 「音声学に基づいた発音教育」--- 4月12日(水)〜7月5日(水)<全12回>、於:東京外国語大学府中キャンパス(東京都府中市)。 ※ 各言語の担当講師から その特徴、日本語との違い、苦労する点を音声学的に解説し、教え方のコツを研究します。
JSTM 第16回 日本旅行医学会大会--- 4月15日(土)・16日(日)、於:国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)。 テーマ 『救急災害医療と旅行医学』。[報告] 「留学生の旅行医学----最新情報と過去の事例」、「原発事故に学ぶ放射線影響とその対策」 ほか。 ※ 留学生などを送り出す高校・大学関係者にも必須の情報が提供されます。
ASIA-NETセミナー 第2回クロス・ナレッジ--- 4月26日(水)、於:南部労政会館(東京都品川区)。 テーマ 『ロジカルコミュニケーションの基本』=藤原 敬行(ナレッジフォース・パートナーズ代表)。 ※ 今回は 伝える技術の基本「PREP」。複雑な情報を瞬時に整理して、シンプルに考えるための基本スキルです。
第59回グローバル化社会の教育研究会(EGS)--- 4月28日(金)、於:波多野ファミリスクール (東京都新宿区)。 テーマ 『グローバル時代の学びを考える--- 対話型授業のエッセンスと可能性』= 多田 孝志 (金沢学院大学 教授/目白大学 名誉教授/日本学校教育学会 会長)。 ※ 欧米にはない 日本人独特の「相互扶助の精神」「感性の豊かさ」を活かした“21世紀型教育”の展開について考えます。
日本学校心理学会 第51回研修会--- 4月29日(土)、於: 筑波大学 東京キャンパス (東京都文京区)。 テーマ 『Recovery is Discovery−広がる当事者研究の世界』=向谷地 生良 (北海道医療大学 教授)。 ※ 精神障害を持つ人達が 自らの体験を有用な経験と捉え、研究を通じて生きる知恵を生み出し、発信していく活動です。
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◆ ニキビ治療の 「十味敗毒湯」 には 10種類の薬草が使われていますが、その中心は 「桜皮」 です。 消炎・解毒作用で、湿疹や化膿を改善する薬効があるほか、鎮咳・去痰の薬としても 使われてきました。
  かつての 「枯草熱 (hay fever)」 は、日本では “花粉による疾患 (pollen disease)” が主流で 「花粉症 (pollinosis)」 と呼ばれます。 主な原因は、1950年代に 杉の植林が全国で奨励されたことです。 1970年代には 桜並木を造るブームもあったので、桜の花粉も 決して侮れません。 花粉症などのアレルギーは、症状の軽い内に対処されますよう。

◆ アメリカ国防総省 (The Pentagon) は ポトマック河の桜並木の西側、ヴァージニア州にあります。 「ワシントン郡 (Washington County)」 という名の郡は、50州内に30以上あるそうです。 また、米海軍には 「ワシントン」 という名の軍艦が 10以上あると聞きました。

◆ 判定会議前に 某所から電話が入る……「〇〇番は合格ですよね」 「合格させろという意味ですか?」 「いや、そうは言っていないけど、合格ですよね」…… このやり取りの後、担当者が悩むのが“忖度<そんたく> の典型です。

◆ キリスト教の 「復活祭 (Easter, Pascha)」 は、今年 4月16日です。 しかも 今年は、東方教会 (ギリシア正教など) と 西方教会 (カトリックやプロテスタントなど) とが 同じ日に復活祭を行う、珍しい年です。

◆ 『月刊 海外子女教育』 4月号は 「海外赴任! 子どもの学校はどうする?」 と 「読み聞かせの大切さ」 の特集です。 後者は 「子どもの本棚」 の執筆者5人の座談会ですが、何度読み返しても 心が温まります。

◆ 13日(木)、南谷真鈴さんが 北極点に到達し、「冒険家グランドスラム」を達成! しかも 世界最年少記録(20歳) です。 『月刊 海外子女教育』 でインタビューさせてもらったのは 一年前。 次の目標は 「七つの海の制覇」 だそうですが……。

◆ 15日(土)の日本旅行医学会で、入江 芙美さん (厚労省の課長補佐) から フランス留学の報告がありました。 土肥 美智子さん (スポーツ科学センター医師。夫は日本サッカー協会の田嶋会長) のオリンピック同行報告も 印象的でした。 また、『留学生の旅行医学』 が改めて取り上げられました。 高校・大学の国際交流担当者に 「正しい知識が 一番のワクチン」 であることを発信していく方針が、はっきり打ち出されています。

◆ 千葉県で 誘拐・連れ去り等の事件 (未遂を含め) が相次いでいましたが、PTA会長の逮捕には 愕然としました。 「他にやる人がいないので…」 で選ばれていく 町内会長や防災班長と同様、相応しい人かどうか のチェック機能が、地域コミュティに失われてしまっています。 無責任な賛同と放置の傾向が 蔓延した結果です。

◆ ある弁護士の話では、30年前の東京弁護士会の登録者は 2,500名だったのが、今 8,000名を超えているとか。 弁護士助手 (paralegal) が 早晩 なくなるという予測もありますが、弁護士自体が供給過剰なわけです。 30年後にも残っている職業には、どんなものが あるのでしょうか? 町内の本屋や印刷屋、写真屋、仕立て屋などが どんどん減っていって、食堂ばかりが乱立する様子を眺めながら、考え込んでしまいます。

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【2017-3月】

「桃の節句」 の節目
  中国暦の3月3日は、五節句の一つ 「上巳 <じょうし>」 です。 日本では江戸時代まで、田植えが始まる直前の <みそぎ>(身も心も清める) のため、海や川に行く風習でした。 西暦でいえば4月中旬ですから 「潮干狩り」 や 「流し雛<ひな>」 をしても寒くはないし、も咲きました。 アジアの稲作文化に共通の、豊穣の女神 「ラクシュミー (Sri)」 を迎える儀式のため、山や丘にも登りました。 その際の 「雛の国見せ」 が雛段飾りの起源だそうです。 それが、季節の節目の 邪気・厄祓い祈願 (節句) にもなったのでしょう。 桃の花にも、魔除けや長寿の霊力があると信じられていて、雛祭りに欠かせない飾りでした。

「灰の水曜日 (Ash Wednesday)」 です。
  今年は3月1日で、キリスト教徒は 「四旬節 (Lent)」 に入ります。 復活祭(4月16日) までの 日曜を除く40日間 (四旬)、食べ物の品目や量を節制したり、祈りの回数を増やし (本来は一日5回ですが、いつもは省いているため) たりして 慎ましく過ごします。 そのために 前日(懺悔の火曜, Shrove Tuesday) まで 「肉断ち前の祭 (Carnival)」 で大騒ぎするわけですけど…。 こうしたお祭りの時期は、犯罪が多発することに注意が必要です。 とりわけ最終日ともなると、警備側も疲れが出て 手薄になりがちなのです。 “シーズンの変わり目”に 異教徒・異分子を処刑する暗い習慣も 影を落としています。 イエスも ヴァレンタイン神父も “前夜” の処刑でした。 こうした “境目を明らかにする” 衝動が 「禁忌 (taboo)」 の起源であり、為政者や過激派に作為的に利用される 危うさも孕んでいるわけです。
◆ 謝肉祭 (Carnival) の最終日 「懺悔の火曜」 は、フランス語では 「Mardi gras」、英語では 「Pancake Day」 とも呼ばれます。 元々 殺人沙汰は多かったのですが、この日に合わせたテロも 多発しています。 ご注意ください。

第58回グローバル化社会の教育研究会(EGS)が開催される
  2月24日(金)、いつもの 聖学院中学・高校(東京都北区) で開かれ、福永 佳津子さんから 『子どもの安全を守る』 のテーマでお話を伺い、それを基に話し合いました。 米国ルイジアナ州で起きた 服部君事件(1992年) 以降も 「日本と同じ感覚で地球散策を試みて 残念な結果になる若者」 の例は 後を絶ちません。 国内では、平和ボケと内向き志向、コミュニケーション欠乏…… が ますます酷くなっていくように感じられます。 「グローバル人材育成」 をいうならば、乳児から若い世代にかけての若者の 安全確保や安全教育を きちんとすべきでしょう。
  福永さんは 最後に 「同じ日本人同士が 何故 協力し合えないのか」 と話されましたが、同感です。 各機関同士の邪魔し合い、足の引っ張り合い……情けなくなります。 学校現場では、旅行会社に “安全教育を丸投げ” して責任を放棄している現実があり、これも残念。 ともかく、学校における 「渡航前の安全研修の見直し」 を、強く訴えます。
◆ 福永さんの勧める基本的な姿勢: 「自分の身は自分で守る」 という確固たる気持ちを持ち、そのために必要な 「情報」 を得て、その上で周りに起こる危機に対して常に勘を働かせ回避することが肝要。

3月8日は「国際婦人デー (IWD)」 です
  1904年3月8日、アメリカの婦人参政権デモを契機に 世界各地で男女平等実現に向けた運動が起こり、ロシア革命の端緒となる 「二月革命」(1917年3月8日) で、世界的に認知されました。 国連総会は「国際婦人年(1975年) のキャンペーンに際し、正式に決議しました。 (cf.「国際男性デー」 は 11月19日ですが、国連決議は未だです)
  イタリアでは 「女性の日 (Festa della Donna)」 と呼ばれ、男性が日頃の感謝を込めて 女性に 「mimosa (オジギソウ)」 の花 (花言葉=繊細な感受性) を贈ります。 この日だけは 家事・育児から解放され、女性同士で外食したりお喋りに興じたりしている姿を見ると、キリスト教社会が 思いのほか男尊女卑の伝統であることが判ります。
  因みに、オジギソウ (眠り草) の花は薄い紫(?) で、何かが触れると 葉を畳む様子が 「mimos(古代ギリシアのパントマイム) に似ているのだそうです。 ところが 英国で 「アカシア」(注:葉はお辞儀なんかしません) の黄色い花が 「mimosa」 と混同され、世界の常識を塗り替えました。 現在では イタリア女性も、3月8日には 黄色いアカシアの花を 誇らしげに身に付けます。 花言葉も 「秘密の恋、友情」 に変わり、何ともはや……。

日本の経済構造の歪みと 食の安全の危機
  先日、テレビの番組で 「わが国の3大都市はどこ?」 というイメージ調査(?) をやっていました。 「三大都市圏」 といえば 首都圏 (東京都と周辺7県)、中京圏 (愛知・岐阜・三重の3県)、近畿圏 (大阪・京都・兵庫・滋賀・和歌山・奈良の2府4県) のことで 「東名阪 <とうめいはん>」 とも呼ばれます。 人口や産業、文化/観光施設が この三大都市圏に集中しており、それだけ 他の地域の過疎化や経済衰退は 深刻な状況にあると言わざるを得ません。 辛うじて “地方経済” を支えているのが、米軍・自衛隊の基地や原子力発電所だったりだすると、わが国の歪<いびつ>な経済構造を感じます。
  中国の資産家たちが、北海道の原野やアルプス山麓などを買い漁るのは、安全な食糧・飲料水に対する “先行投資” なのでしょうが、わが国には 対抗する法律も方策もありません。 それどころか、既に 私たちは高い飲料水を購入することに、違和感がなくなっています。 また、生鮮食料品の価格は 高値留まり となっており、私たちが “小作料込み” “取水代込み” の代金を支払わされる時代に入っているのです。 「自然食品」 や 「持続可能な生活」 に関心を持つ人は 多いのですが、日本の土地が 日本国籍を持つ気がない外国人の所有に どんどん変わってしまうことを放置している (or 許容している) 政府を、許していてよいのでしょうか? 一国の安全保障は 軍事力だけで成立するものではないことを、今一度 考えたいものです。

春先に咲くサクラソウ
  シェイクスピアの 『冬物語 (Winter's Tale)』 第4幕で、パーディタ姫が恋人に詠う 「花くらべ (Words for flowers)」 の中に 「照る日の神も仰ぎ得で、嫁ぎもせぬに散り果つる」(上田敏 訳) と歌われる 「primrose (サクラソウ)」 があります。 春先に咲いて 盛夏を待たずに (=恋を成就できずに) 死んでしまう…… と感傷に浸る 青春の象徴です。 元は ギリシア古典の 「Paralisos」 で、許婚 <いいなずけ> の娘を失った悲哀から 衰弱死した青年が、サクラソウに変えられる というお話です。
  サクラソウは 「ox-lip/cowslip (牛の唇)」とも呼ばれ、人の願いを叶える力を持つとされます。 花言葉は “初恋”。 日陰の湿地に咲くので、 "pale" で哀れな感じを強調する習慣ですが、軍艦の名前にもなります。 まあ、『冬物語』 はハッピーエンドなので、まだ救われます。 人形浄瑠璃の 『曽根崎心中』 なんか、「咲くのは地獄、散るのも地獄……咲かずに枯れたら何としよう…」 ですから。
     「桜草の鉢 またがねばならぬかな」 (高浜虚子)

原子力発電所に事故は付き物
  原子力プラントの世界3大メーカーは、東芝WEC (米 Westinghouse社)、アレヴァ (仏 Areva社)−三菱重工業、日立GE (米 General Electric社) です。 WECといえば 「交流発電の父 W・スタンレー」 を抱え 19世紀には 交流変圧器、送電・配電システムの特許を独占していた “名門” です。 スリーマイル島 (TMI) の原発事故 (1979年3月28日) でも、B&W社製の加圧水型軽水炉について 「WEC製の原子炉だったらねぇ」 といわれたほど 信用もありました。 それでも 事故は起こるのですけど。 TMI事故当時、東京電力の福島原発では、沸騰水型軽水炉が5号機まで稼働 (6号機も試運転状態) しており、そのうち東芝は 3号機と5号機の工事を請け負っています (他の4基は日立GE)2011年の事故では “不幸中の幸い” に恵まれ、チェルノブイリ事故 (1986年4月) ほどの大惨事は免れましたが、地震多発地に建設している点を 各国から批判されました。
  しかし、もっと深刻なのは、どの原発からも出続ける 核廃棄物でしょう。 朝日新聞 (3月7日付) によると、韓国の 姜政敏<カン・ジョンミン> 博士が昨年10月末、釜山の東方の 「コリ原発」(7基) の核廃棄物について警告を発したそうです。 もし、災害やテロなど 何かの原因で冷却電源が失われると、多量の放射能が飛散する危険が高いとし、最悪の場合 「日本でも 6.7万平方km が避難対象地域になり 2,830万人が避難を迫られる」 との推計です。 原発が安上りなわけがありません。

3月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
関西・帰国子女教育を考える会 第75回 研究例会--- 3月11日(土)、於:大阪YMCA学院(大阪市天王寺区)。 テーマ 『グローバル化が進展する中で、日本人学校や補習授業校は これからいかにあるべきか?』=滝 多賀雄 (NPO法人 全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会 会長)。 ※ 目まぐるしく変化するグローバル化の進展の中で、日本人学校等は どうあるべきか伺います。
JACTFL日本外国語教育推進機構 シンポジウム--- 3月12日(日)、於:上智大学 四谷キャンパス (東京都千代田区)。テーマ 『外国語教育の未来を拓く--- つながり始めた多言語・複言語教育』。 [基調講演]「新時代の異言語教育の考え方―歴史の教訓に学ぶ」、[分科会]「多言語・複言語教育に向けて」、[パネルD.]「外部検定試験4言語(独・仏・中・韓) の現状。 ※ 様々な外国語教育の関係者が一堂に会し 外国語教育の未来を拓くための具体策を練り、それを実現するための機会です。
ASIA-NET 異文化理解シリーズ --- 3月16日(木)、於:南部労政会館 (東京都品川区)。 テーマ 『中国とビジネスをするための鉄則55』=吉村 章(Asia-Net 代表)。 ※ 文化の違い、商習慣の違い、人間関係の構築法…など 中華圏で仕事をする上で役立つ実践的なノウハウを、著者が解説。
よみうりGENKIフェスタ2017--- 3月26日(日)、於:東京国際フォーラム (東京都千代田区)。 ※ 今年の中学・高校進学相談会のトップを切ります。 大阪では 4月9日(日)の 「私立中学受験フェス2017」(於:大阪コングレコンベンションセンター) が最初でしょうか?
TJF 小中高校教員向けワークショップ--- 3月26日(日)、於:ナツラック飯田橋 (東京都千代田区)。 テーマ 「探究する学びをデザインしよう--- プロジェクト学習で 言葉と情報をフル活用する単元づくり」=稲垣 忠 (東北学院大学教養学部 准教授)。 ※ 十分な教材研究と学びの質を吟味した「骨太の単元デザイン」がポイントです。
獲得研 第16回 高校生プレゼンフェスタ--- 3月28日(火)、於:江東区深川江戸資料館 (東京都江東区)。 テーマ 『海外に向けて 江戸・東京を発信しよう』。 ※ 東京近郊の高校生が集い 一日でリサーチからプレゼンを作りあげます。
ASIA-NET 異文化理解セミナー--- 3月30日(木)、於:南部労政会館 (東京都品川区)。テーマ 『反省しないアメリカ人を扱う方法34』=海老沢 久 (アルク)。 ※ 同名著書の編集者が、日本人が取るべき対処法などを解説します。
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◆ アカシアは ネムノキの仲間ですが、白い蝶形の花を咲かせるのは 「ニセアカシア (ハリエンジュ)(“偽…”は 学名 「pseudo-acacia」 を直訳したもの) です。 痩せた土地や海岸の砂地でもよく育つため、土木現場で活用されるほか、薪・炭としても良質なので 各地で植えられます。

◆ 安全な食糧と飲料水の確保について、私たちは 余りに無頓着ではないでしょうか。 40数年前、田中角栄首相(当時) が 「食料安保」 を訴えたことすら、忘却の彼方となっています。

◆ 先月、『小学8年生』(小学館) が創刊されました。 "8" の字が デジタル数字で白抜きになっており、「子どもが自分の学年を塗り潰す趣向」? 百年近い伝統シリーズですが、実質的な “休刊”…… 寂しい限りです。

◆ 卒業式のシーズンです。 巣立っていく若者の前途に幸多かれと祈ります。 今年の梅は 早咲きでしたが、フキノトウは遅く、やっと店頭に出てきました。 とんでもない値段がついています (ハァ〜…)。

◆ 今年、欧州は 3月26日 (北米は 12日) から「夏時間 (ST,<米>DST)」 に入ります。 春分の日も過ぎて、もう春ですね。

◆ WECを 何故か 「WH」 と書く申し合せが…? 東芝が同社を破産申請するかどうか 注目されていますが、売りつけられた時のことには、誰も触れようとしません。 一体、いつ どこで 誰が 何を 儲けたのでしょうか?

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【2017-2月】

2月3日は ニコラス=サンダースの20回忌
  恭喜発財! 1月28日から 春節 (中国正月/旧正月) に入っています。 中国系の人々は 各地で 赤い提灯を吊るして、“新年” を祝っていることでしょう。
  さて、ニコラス=サンダースは、1967年(当時29歳) ころから 『Alternative London』 の活動を始め、若者たちに “多文化共生の生き方” や “自然食品” “持続可能な生活(sustainable living)” の考え方を、世界中に浸透させた 天才企業家でした。 父親は LSE (ロンドン大学の政治経済学部に相当) の校長で、父への反抗心が 活動の原動力だったという見方もされます。 “百科事典のようなガイドブック” といわれる 『Alternative London』 のシリーズは、A・フロマーの 『Europe on $5 a Day』(1957年) と それに続くシリーズ (“$10”も含め実に 350タイトル以上!) と並んで、“若者のバイブル” とされました。 「脛かじりで “既存社会の縁で暮らす” 若者たちが、少ない資金で “代替的な(新たな)価値観” や共同生活、霊的発達を追求する野心などに応える」 という概念は、1970年頃の世界の若者の心を捉えていました。
  だけど今、70歳前後になった彼らは、恐ろしいまでに右傾化しています。 “権利のみを主張する自己中心主義 (ミーイズム)” は 80年代の若者の特徴と よく言われますが、現在では 第一次ベビーブーム世代に それが はびこって、若い世代を貪欲に搾取する人の多いこと……。 半世紀前、サンダースに呼応して アメリカで起こった 「Service-Learning」 が今、日本の教育現場で再評価されるのは、歴史の皮肉ではないかと感じます。

広がり続ける大麻の合法化
  昨年のアメリカ大統領選挙(11/8) の際、医療用の 「大麻 (marih(j)uana = cannabis)」 を合法化する住民投票も 行った州がありました。 その結果、今では 全米50州の内 28州 (娯楽用は7州のみ) と首都ワシントンDC、そして カナダで、大麻が合法となったわけです。 米国薬物乱用研究所(NIDA) は、若者が大麻を使用すると IQ低下が認められ、思考・記憶・学習の能力に 永続的な影響を及ぼす可能性を警告しています。 1996年に カリフォルニア州・アリゾナ州で初めて合法化された頃と比べ、現在の大麻薬のTHC(Tetra-hydro-cannabinol) 濃度は 2〜3倍になっているとされ、中毒になる危険も高いそうです。 「海外渡航する者は 『THC』 の表示に注意せよ!」 と教えましょう。
  日本の大麻取締法では、大麻の所持・栽培・譲渡・輸出入は 免許制です。 産業的栽培は法的に可能なわけですが、厚生労働省は事実上、ほとんど認めない方針を取っています。 使用すること自体を禁ずる規定はないため、「尿から検出されたから 逮捕される」 ということは ありません。 だからといって 大麻に手を出すことは、厳に戒めたいですけど。 なお、2014年、全米で初めて娯楽用大麻を合法化したコロラド州は、翌年の大麻税収が1.4億米ドルもあったそうです。 でも、19歳の留学生が THC入りクッキーを知らずに食べて 事故死する事件も起きています。

東京・神奈川の私立高校では 「STEM」 がブーム?
  2月10日(金)、東京・神奈川の私立高校の入試が解禁しました。 今年の生徒募集の資料には 「STEM」 という言葉が 目につきました。 「科学・技術・工学・数学」の頭文字を並べたもので、この4要素の知識を 総合的・統合的に活用できるように教育することが必要だ という考え方です。 最近これに “Art (芸術・人為)” を加え 「STEAM教育」 という用語も使われ始めました。 日本の教育制度は、こうした要素を 「教科ごとに効率的に教える」 方針なのですが、現実の社会では、これらを総合的・統合的に活用できる力が 要求されることから、若干の修正を 余儀なくされてきたわけです。
  理数系の知識をビジネス現場で活かしたり、情報技術や医療技術の世界で人文系の知識を活用したりすることは、かつては 日本人の “得意芸” とされていたはずです。 しかし、ここ数十年間、受験準備中心の勉強が行き過ぎた結果、理系・文系分離の傾向が強まっていました。 例えば、経済学や心理学には 「数学II・B以上」 が必要なのですが、そのことを正確に理解している中学・高校教員は少数派です。 「グローバル人材の育成」 を目指す際には、教科の枠を越えた 総合力や統合力が 不可欠なのですけど、“教科間の壁” が障壁となって、なかなか旨く進みません。 数学の教員が教える地理や歴史、社会の教員が教える物理・化学・情報などは 抜群に面白いものの、文科省のSGH指定校以外では ほとんど目にすることがありません。

海外で暮らす人のための保険は?
  海外駐在員赴任者 および その家族の保険は、観光旅行者と異なる “生活リスク” も担保される必要があります。 例えば、近隣や来客、あるいは借家オーナー等に損害を与えてしまった場合 (個人賠償)、盗難・火災で家財道具が失われた場合 (携行品補償) などは、通常の旅行傷害保険では想定されていません。 また、傷害・疾病でも、よほどの重症でない限り、駐在国で治療・療養するのが普通なので、本来なら 現地での保険に加入しておくべきです。 しかし、赴任当初は 現地の医療事情・習慣にも疎く、日本からの救援を得られるようにしておきたいという心情もあって、最初の内は、旅行傷害保険を強引に適用する形の 「駐在員傷害保険(最長2年) を利用する例も少なくありません (ただし、保険会社の審査が必要)
  文科省派遣教員 ならびに海外子女教育振興財団の研修を受けて赴任する現地採用教員の場合は、同財団の仲介で 特別の保険が用意されており、任期が2年以上になっても 援用が認められています。 留学生の場合も、「駐在員傷害保険」 の加入が認められるのが普通ですが、やはり審査があります。 いずれにせよ、滞在期間が長いほど、また 年齢が高くなるほど “事故率”(怪我・病気・盗難など) が上ります。 渡航後 数か月経ち、現地の事情に一応慣れてきた頃の “油断” にも 注意が必要です。

アメリカの 「ラストベルト」の現実を考える
  昨年 アメリカ大統領選挙で注目された 「ラストベルト (Rust Belt)」 は、ミシガン州からペンシルバニア州にかけての “脱工業化” が進む地域です。 サービス産業・クリエイティブ産業の進展により、工場や機械が次第に使われなくなって “錆びて (rust)” しまった……というわけです。 しかし、歴史を振り返ると、この一帯から 南に向かって工場が広がっていっています。 1980年頃から、国道65号線 (シカゴ―インディアナポリス―ルイヴィル―ナッシュビル―バーミンガム) と、国道75号線 (デトロイト―デイトン(コロンバス)―シンシナティ―レキシントン―アトランタ) の一帯は、どんどん工場が誘致されました。 日系企業の工場もたくさんでき、補習授業校も 次々と生れました。
  国同士が 外国企業の誘致や産業育成のために 減税、労働基準・環境基準の緩和などを競い合えば、その国の労働環境や自然環境、社会福祉などが悪化していく 「底辺への競争 (Race to the bottom)」 に陥ります。 それによる利益を最も享受したのは、実はアメリカの資本家なのです。 米国内における格差拡大も、自由貿易や経済のグローバル化がもたらす弊害だったのですが、その責任を “既成政治家” に負わせる形で選挙の争点に持ち込んだのも、共和党 (資本家たち) でした。 国道65・75号線沿いの州が 全て共和党の色に染まったわけですが、保護主義の弊害に目を瞑ってよいのでしょうか?

学習指導要領改定案(2020年実施) に思う
  2月14日(火)、文部科学省が発表しました。 知識習得中心型から、討論や発表などを通した 「主体的・対話的で 深い学び(アクティブ・ラーニング) への授業改善を打ち出しています。 急速な技術革新に対応できるよう “自ら課題を見つけ、試行錯誤しながら解決していく力” を養おうというのです。 他方、小学校の英語の教科化により、週当たり授業数が1単位(45分) 増えます。 週5日制で この1単位を どう捻り出すのでしょうか。 また、道徳が教科となり “評価” が義務化されます。 評価の仕方は現場の教師に任されるわけで、それでなくても多忙な教員の負担が 一層増します。
  中等教育の方は 本来、大学入学試験という目標を超えて、生徒一人ひとりの “生きる力” や “人生の糧” を育むことが趣旨です。 生徒がともすると 「受験に有利かどうか」 という思考に陥ることを避けるためには、従来の中等教育の “枠” を変えて、生徒に “本物や現実を見せる” “学びの素晴しさに触れさせる” といった機会を増やし、「将来を見据える学び」 へのモチベーションを引き出していくことが大事です。 もし、そうした学びを身に付けた生徒を合格させない大学があるとしたら、その大学こそ陳腐でしょう。 そうした大学は大抵 「学ぶ意欲のある学生が欲しい」 などと広報するのですけど、生徒を選ぶ眼も教育力もないことを露呈しているといえます。
◆ 新学習指導要領(案) を読むと、先生方の心身の健康が心配です。 真面目な先生ほど マレー語でいう 「angin sulit (困難)」 が 皺寄せされます。 とくに 40歳代の先生のメンタルケアには、配慮すべきです。

2月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
NPO学校支援協議会 公開シンポジウム--- 2月5日(日)、於:東京大学 武田ホール(東京都文京区)。 テーマは 『人工知能で生き方が変わる! その時代を前に なすべき教育とは』=無藤 隆 (白梅学園大学教授。 中教審 教育課程部会長) ほか
TJF「外国語学習のめやす」セミナー--- 2月11日(土)、於:関西学院大梅田キャンパス (大阪市北区)。 テーマ 『ルーブリックを授業に取り入れよう』=田原 憲和 (立命館大学 准教授) <独語>、村上 陽子 (関西学院大 准教授) <西語>、阪上 彩子 (関西学院大 講師) <日本語>。 ※ 外国語教育従事者と それを目指す学生に「外国語学習のめやす」マスターが ていねいに指導します。
市民政治研究会 春の講演・討論会--- 2月11日(土)、於:婦選会館(東京都渋谷区)。 『新潟県知事選と脱原発へのポリティクス』=五十嵐 暁郎 (立教大学 名誉教授)、『“エネルギー・デモクラシー”の可能性』=佐々木 寛 (新潟国際情報大学 教授)。 ※ 福島原発の事故処理も原因究明も曖昧なまま なし崩し的に原発の再稼働が進むことへの 堅実な対抗策を考えます。
関西帰国生母の会「春のレッツトーク 2017」--- 2月15日(木)、於:大阪市立総合生涯学習センター(大阪市北区)
※ 帰国後に生じる多くの戸惑い・愚痴などを、皆で集まって ワイワイ… 解決のヒントが見つかるかも。
ASIA-NET セミナー 2/23--- 2月23日(木)、於:南部労政会館 (東京都品川区)。 テーマ 『海外ビジネスでの 「伝える技術/話し方/折衝力」 を鍛える』=藤原 敬行(ナレッジフォース・パートナーズ代表)、吉村 章 (SIA-NET/株式会社クロスコスモス代表)※ ロジカル・コミュニケーションの基本、主張のテクニック/効果的な反論のテクニック/落としどころを探る、モンローの説得話法など。
第58回グローバル化社会の教育研究会(EGS)--- 2月24日(金)、於:聖学院中学・高等学校 (東京都北区)。 テーマ 『 自分のことは自分で守る--- 子どもに教えたい危機管理 (仮題)』= 福永 佳津子 (海外生活カウンセラー/海外邦人安全協会 理事/NPO 国際人をめざす会 副会長)。 ※ 海外での子ども達の安全について、親として 或いは関係者として、どうしたらよいのかを 考えます。
ALCE 言語文化教育研究学会 第3回年次大会--- 2月25日(土)・26日(日)、於:関西学院大学 上ケ原キャンパス (兵庫県西宮市)。 テーマ 「言語文化教育のポリティクス」。 ※ 言語文化教育・学習者,教室・機関等の周囲および内部にある力関係を、言語文化教育のポリティクスとして問い直します。
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◆ 『Europe on $10 a Day』 『Alternative London』 は われらが 『地球の歩き方(1979年〜、ダイヤモンド社) の雛型でもあります。 いずれも 非常に質の高いガイドブックですが、悪用する輩も余計にいますので 要注意です。

◆ 少子化の時代ですが、海外に出かける子どもの数は急増するばかりです。 駐在員の子女だけでなく 留学や研修で渡航する者も多いのに、その安全対策については、旅行会社や保険会社に丸投げしている保護者・学校が ほとんどなのは 何故でしょう? 2月24日(金)のEGS研究会で 話し合いましょう。

◆ 香川県の合田芳弘さんの論文 『食の嗜好性が国民性に及ぼす影響に関する国際比較研究』 が発表されました。 『改変孩子、這里開始』に続く内容で、日本・中国・韓国の約4千数百名の生徒に調査を行っています。

◆ 海外の日本人学校では 総合的学習の題材が豊富ですし、教員も専門教科外の指導にも柔軟に対応します。 グローバル人材育成面でも恵まれた条件下にあるわけです。 『月刊 海外子女教育』2月号特集 「日本人学校で日本を考える」 に 子ども達が活動の様子を作文で寄せてくれています。

◆ 寒風の中、毎朝ラジオ体操をしていて、夜明けが ずいぶん早くなったことを感じます。 インドネシアやマレーシアなど赤道付近では、そうした季節感はないものの、スク―ルバスは暗い内から動き出していました。 夜明けの祈りのアザーン(呼びかけ) も、懐かしいです。 平均気温30℃の常夏に馴染むと、明け方の25℃でも 鳥肌が立つほど身が引き締まり、一日の平穏を祈る敬虔な気持ちになりました。

◆ 中学・高校・大学の海外研修や留学などが、盛んになればなるほど 危険も増すことを、ともすると 私たちは見落とします。 旅行代理店に責任を丸投げしたり 国際担当者を尻尾切りしたり……で 凌げる時代は、もう終わりました。

◆ 2月は花粉症の季節の始まりですね。 寒いのも辛いし、天気が好ければ 鼻や目がムズムズし始めます。 症状が激しくなる前に 早めの対策を。

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【2017-1月】

明けまして おめでとうございます。
皆様にとりまして、平穏な一年であることをお祈りします。


(トリ)年ですね。
  「」の字は 元が “酒壺” の形だったので、を意味します。 “銚子一本”(中身は 酒) みたいなものですね。 醉も酩酊も醜も、酒に関係しています。 だから おめでたく……。 方角としては “西”(or時計の9時の方角)、船では 「酉かじ (⇒取り舵)」 は “船首を左に転回” を意味します。 「酉の刻」 は午後6時頃で、アラビア語の 「magrib」 に当たり、多くの宗教で お祈りの時刻です。 また、時をつくるのは(cock)、時を衝くのは (bell) といわれます。
  「Cockney」は 元々 “雄鶏の出来損ない⇒ 弱虫・(都会の) やさ男” の意味でしたが、聖メリルボー教会の鐘 (Bow Bells) を子守歌にして育った “生粋のロンドン子” の意味になりました。 江戸っ子が言う 「神田の生れよォ」 と同じです。 発音に独特の訛があり、オーストラリアでも よく耳にします。 なお、鶏の鳴き声は、日本では 「コケコッコー」 ですが、江戸時代には 「東天紅 <トウテンコウ>(東の空が明ける頃に鳴く) とも表現しました。 英語圏では 「Cock-a-doodle-doo」 と聞こえるそうですけど……??

“純潔・柔和・平穏の象徴”の鳩
   (columbi=dove) の夢を見ると、欧米では家庭に幸運が訪れるとされます。 聖母像などでも、鳩は 幼な子イエスの周りに描かれるし、 Columbus, Columbia などの語源でもあります。 ギリシャ神話や旧約聖書で “聖鳥” とされた理由を 「肉食ではないし、虫も殺さないから」 と説明する方がありますが、実際は ミミズなども食べる雑食性です。 巣立ちまでは 親鳥の口から 「鳩乳」 や半消化の流動食をもらうだけなので、“純潔・柔和・平穏” の印象になったのでしょう。(しかし、喧嘩はよくしますし、執念深いです) 中国では 「布穀 <bu4gu3>」 と鳴き、穀物を害する “悪鳥” と考える人も多いようです (カッコウと混同?)。 日中戦争 (1937年〜 ) 中に 日本が鳩を図案化した和平促進のポスターを中国各地に貼ったことが、農地を荒らそうとしていると誤解され、反感をかったともいわれます。
  人間に飼育される鳩 (伝書鳩・鳴き鳩・食用鳩など) は 「pigeon」 で “可愛い子ちゃん” も意味します (注:セクハラ表現)。 下世話には “騙され易い/間抜け⇒ カモ” にもなり、dove とは異なるイメージです。 「鳩小屋 (pigeon house)」 は、コンクリート建築の屋上の 配管・空調ダクトなどの上部を覆う “小屋根” も意味します。 また、「鳩の巣原理 (Pigeonhole principle)」 の “巣” は 鳩小屋の間仕切りのこと。 「(集合) 郵便受け (letter/mail box)」や「元素周期(律)表 (Periodic table)」 を 「pigeon-holes」(鳩の巣) と呼ぶこともあります。

新春の風物詩は、何といっても凧揚げ
  中国語で“”は 「風筝 <feng1zheng>」 といい、どうも 音を奏でる趣向のようです。 英語で “凧” は 「kite (<とび>)」。 鳶は 中国では 「老鷹 <lao3ying1>」 とも呼ばれ、鷹 (hawk) や 隼 (falcon) のように 生きた獲物を襲うことは稀です。 人里の近くに棲み、空中を ピーヒョロロ と旋回している姿をよく見せるので、人々に親しまれ 凧 (⇒紙鳶 <しえん>) のイメージとなったのでしょう。 凧を “”(マレー語でikan」) に見立てるのは、南アジアの女凧の流れで、関西から北陸・東北にかけて 「イカ, イカのぼり」 と呼ぶ風習もあります。 沖縄では マレー語風に 「mata-ku (私の眼)」 などと呼ぶようですが、そういえば 目を描いた凧を どこかで見たことがあります。
  融通手形で資金を調達することも 「kite」 といいます。 ともすると “空手形” や “詐欺・騙<かた>り” となりかねません。 中国語の 「繃子 (beng1zi)」 は、刺繍のために 布地をピンと張る枠 (frame) のことで、凧に似通っているのですが、“他人の金を騙し取って逃げる” 意味もあり、日本語には 「ペテン」 と訛った音で入ってきました。 凧を イカ と呼ぶ風習から、「いかさま」 という言葉もできました。 かくて 鳶は鷹より 少し下賤に見られるようになります (鳶が鷹を生むこともありますけど…)。 因みに、北欧系の民族では、凧は “” のイメージです。 欧州人がアジア諸国の発展を 「アジアの昇龍」などと呼ぶ時、“糸の切れた凧” になる不安や危うさを 暗に表したいのでしょうか。
    「凧 <いかのぼり> きのふの空のありどころ」 (蕪村)
※ 東京都の日本橋にある洋食レストラン 「たいめいけん」 の5階に 「凧の博物館」 があります。 レストランの大将が館長で、「日本凧の会」 の会長も務められています。 凧のことなら 何でも教えてもらえます。

1月中旬から入試シーズンに入ります。
  大学センター試験は 14日(土)・15日(日) です。 私立高校の多くも 推薦入試が 1月中旬から始まりますし、東京都立高校の推薦入試は 26日(木)・27日(金) に行われます。 東京以外の公立高校は、4年前から 推薦入試を廃止、もしくは 一般入試の日程と一本化 (具体的には、群馬県が2月8日、千葉県が2月13日、神奈川県が2月15日、埼玉県が3月2日) してきています。
  なお、東京都立高校の 「一次及び分割前期」 の入試は 2月24日(金)、海外帰国生対象の入試は、2月17日(金)です。 私立中学・高校の帰国生特別選抜は、既に 11月頃から始まっていますが、一般入試については、各都道府県ごとに “入試解禁日”(東京・神奈川では 中学校が2月1日、高校が2月10日) が決められています。 一年で 最も寒い時期ですけど、受験生たちが体調を維持し 実力を発揮してくれるよう、心から祈っています。

大寒ですね。
  一年で最も寒い この時期を “谷底” と考えるか、“頂上” と考えるかは、心の持ちようです。 入試は 最盛期ですけど。 
  ある地域で一番高い山を 「最高峰(highest peak/summit)」 と呼びます。 サンスクリット語 (梵語⇒仏教経典) や マレー語の 「Puji」 も同じ意味で、“二つとない”“賞賛(に値する)” のイメージまで含みます。 初夢でも 一番人気ですね。 日本では古くは 「不二」 の漢字を当てていましたが、やがて 「富士」 が主流となりました。 富士山のほかに、その地方の最高峰を 「○○富士」 と呼ぶ習慣 (⇒郷土富士) もあります。 他方、「頂点・絶頂 (peak, acme)」 には “(登ってきて) もうこれより上はない=登り詰め” のイメージがあり、日本の富士山では 「剣ヶ峰」 (標高 3,776m) が それに当たります。 戦闘や相撲、ビジネスで 「ここを剣が峰と…」 というのは、“勝負/成否の分かれ目” だと鼓舞しているわけです。 入試も、下駄を履くまで 油断禁物!
  田部井 淳子さんが 女性初の登山者となったエべェレストは、清の康熙帝(18世紀) の命を受けて イエズス会宣教師が作成した地図には 「朱母郎馬阿林」 と記されていました。 19世紀、英国の王立地理学協会は東インド会社のインド測量局長官J・エヴェレストに因んで 「Mt. Everest」 と決めてしまいます。 1950年 中国政府はチベット名 「Chomolangma (⇒珠穆朗瑪)」 を採用。 “世界の母なる女神” の意味であるため、「聖母峰 <Sheng4mu3Feng1>」 とも呼びます。 なお、エクアドルのチンボラソ(標高 6,268m)は、エヴェレスト(8,848m、北緯28度) よりも 地球の半径が大きく 海水面も “高い” 赤道直下にあります。 だから、海抜標高ではエヴェレストの方が 2,580m高いものの、地球の中心からの距離では チンボラソが 約 2,100m上回わります。
◆ 「剣が峰」 を “絶体絶命のピンチ” と悲観的に捉える方が多いため、英訳する場合 「a desperate state」「a critical situation」 等 と訳さないと許されないかも……。 でも、もっと positive に考えませんか?

第58回グローバル化社会の教育研究会(EGS)を開催
  2月24日(金) 聖学院中学・高校 (東京都北区) で開かれます。 話題提供は 海外生活カウンセラーの 福永 佳津子さん。 家族のための海外安全研究の草分け ともいえる方です。 単に 「子連れ駐在では 〇〇を気を付けよう」 という話に留まらず、もっと広い範囲で 日本人であることを意識した危機管理… 日本国民であるが故の 「リスクと対応」 についても伺います。 1998年のインドネシア騒乱の際には、全ての駐在員家族が 外務省からの退避命令で帰国しました。 2001年 アメリカ同時多発テロの際、邦人犠牲者家族が どんな思いをしたかなども、知っておくべきでしょう。
 “ソフトテロ” や “サイバーテロ” も 他人事ではなくなってきた今日、赴任帯同や留学などで海外渡航する子ども達の安全に、親として 或いは 関係者として どうしたらよいのか、福永さんのお話を基に 話し合いたいと思います。

1月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
朗読ユニット『ポラリス』第4回公演--- 1月15日(日)、於:渋谷区文化総合センター(東京都渋谷区)。 テーマ「愛のか・た・ち」。 ※ 第一部は千葉県の高校生を交えた 朗読レッスン(講師:岩井 正=元NHK日本語センター長)です。
BCN AWARD/ITジュニア賞 授賞式 2017--- 1月20日(金)、於:TKPガーデンシティ品川(東京都港区)。 デジタル家電やパソコンなどの年間No.1企業の表彰。高専プロコン、工高プロコン、U-22プロコン、U-16プロコン、成都プロコンで勝ち残った子ども達10数名の表彰。 ※ 終了後(18時〜19時半) 大人と子ども達との懇親パーティがあります。
第3回 ウェアラブルEXPO--- 1月18日(水)〜20日(金)、於:東京ビッグサイト(東京都江東区)。 新発表のウェアラブル端末の展示、業界の最新トレンドをカンファレンスで、急成長する人工知能(AI)の最新情報 ほか。 ※ 第46回ネプコン ジャパン、第9回オートモーティブW、第9回ライトテックEXPO、第1回ロボデックスも同時開催。
IIST・中央ユーラシア調査会 公開シンポジウム--- 1月23日(月)、於:東海大学校友会館「阿蘇の間」(東京都千代田区)。 テーマ 『世界の地政学的変動と中央アジア』=袴田 茂樹 (青山学院大学名誉教授)、田中 哲二 (中央アジア・コーカサス研究所長) ほか。 ※ 英国のEU離脱や米国トランプ新政権など 予想外の状況に、各国が中央アジア諸国に どのような外交姿勢を取るか?
ASIA-NET セミナー--- 1月25日(水)、於:大崎南部労政会館(東京都品川区)。 テーマ 「なぜ東大は 中国人だらけなのか?」=中島 恵 (ジャーナリスト)。 ※ 『中国人エリートは日本を目指す』(中公新書ラクレ) の著者が 「爆留学/就職」 という独自の切り口で中華圏を分析します。
★ 第5回 日韓中 高校生フォトコンテスト 入賞写真展--- 1月24日(火)〜30日(月)、於:ニコンサロン bis 新宿(東京都新宿区)。 ※ 言葉が通じなくても分かり合え 国境を越えた共通言語となる写真を通して、文化・社会・人間への理解を深め 交流を図るコンテストです。 大阪会場は 2/23〜。
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◆ 日本では 初夢 (元旦の夜 or2日の夜の夢) で 縁起が良いものを 「一富士、二鷹、三茄子」 などと言いますが、その理由は 諸説入り乱れて チンプンカンプン…。 しかし、日本人が “タカ派” だと誤解されるのは困ります。

◆ 最初の国際マレーシア駅伝 (1994年) は 「The Dove Run」 と呼ばれました。 日本人学校教員チームが、参加145チ―ム中の36位・45位に入る大健闘をし、部門別では 共に入賞したのは、懐かしい思い出です。

◆ 海外の公園や墓地のベンチに座っていると、お年寄りが話しかけてくれます。 ジョークや駄洒落が満載の楽しい会話になるのですけど、その中には 「通俗語源説」 の類も たくさんです。 トリに足らず…(お粗末!)

◆ 米語の 「Taco!」 は メキシコ人を蔑む言葉ですが、ラテン語の 「tacho-」 は “速さ (speed)” の意味で、速度計や回転速度計 あるいは “急成長” などの語幹です。 「tachy-」は 良からぬ意味になるので ご注意を。

◆ 『月刊 海外子女教育』11月号に クアラルンプール日本人学校の農村(Kampung) ホームステイが紹介されています。 実施に当たっては 当初、衛生面、安全面など 多くの課題が山積でしたが、先生方の頑張りで 環境整備が進み、今では 日本から毎年4千名以上の高校生が、農村ホームステイのため マレーシアを訪れています。 日本人学校の面目躍如ですね。

◆ 旧暦では満月であった小正月 (1月15日) は、豊作祈願や 女正月の行事と共に 「元服」 の儀式も行っていました。 それが成人の日の起源なのですが、今では 何がなんだか……? 心身の健やかな成長を 願うばかりです。

◆ アメリカ西海岸のレーニア山(Mt. Rainier) を、日本人は 「タコマ富士」 と呼びます。 かつて先住民族が、この山を 「Tacobet (水の母)」 とは呼んでいたそうですけど、「Tacoma」 は 材木集散で有名な都市の名です。

◆ 1月20日、昨年のU-22プログラミング・コンテストで 経済産業大臣賞に輝いた 二ノ方 理仁くん(学芸大竹早小 4年) と 青山 柊太朗くん(ぐんま国際アカデミー中1) 等に BCN ITジュニア賞が授与されました。 文字通り “日本の頂点” に立った若者たちです。将来が楽しみですね。

◆ 1月18日は 山田 峰子さんの命日です。 北米の補習校を支援するINFOEのほか、現地校入学のための親子教室スピーチディベート研究所などで活躍され、グローバル化社会の教育研究会(EGS) の事務局も務めてくださいました。 爽やかで魅力的な お人柄は、今でも忘れられません。

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2016年12月以前のニュースは こちら。 

小山和智の執筆記事・コラム等の一覧

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