子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2017年 12月11月10月9月5月〜8月1月〜4月。 2016年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月

 2018年1月以降のニュースは こちら

 ページトップ、 海外支援センター   ※ ニュースのオリジナル版は、日本人学校・補習授業校にも お送りしています。
【2017-12月】

キリスト教徒は 「Advent(待降節/降臨節)に入っています。
  クリスマスまでの4週間は、何かを節制しながら (昼間の断食や禁酒、遊興の我慢など)、それで生じた浄財を恵まれない人に施し (present="神がおわす")、キリスト降誕の幸せと感謝を噛みしめる期間です。

冬はハリアーがやってきます。
  落ち葉が舞う中を、鷹の仲間の 「チョウヒ (harrier)」 が、越冬のために北方から飛来します。 名前の由来とされる “宙飛”(circus=中空を舞うように飛ぶ求愛) を 一度見てみたいのですが、私は未だ その機会に恵まれません。 この鷹は 垂直に飛び立てるし、“停翔”(hovering=中空に留まること) もできる特技があります。 英国の垂直離着陸戦闘機(VTOL) の名前です。 よく 「鳶 <トビ>(kite)」と間違われますけど、尾羽の形が異なります。 鳶は生きた獲物を狙うことは珍しいのに、チョウヒが狩猟するようすを 「悪い鳶が…」と評されるのは可哀そうです。
  なお、動詞の「harry」は “襲う, 奪い取る, 剥がす” などの意味です。 元は 王室の “悪行・狼藉”を表わし (cf. 庶民がやると "poach/steal")、Henry、Harold の愛称でもあります。 今のハリー王子の本名は 「Henry Charles Albert David」。 誰かさんの口癖、「誓って/絶対に (by the Lord Harry)」 も、何だか胡散臭さが伴います。  注)"急ぐ・慌てる" は「hurry」
◆ 英海軍のハリアーは 2011年11月に退役し (垂直離着陸はヘリのみになりました)、今年、旗艦の揚陸ヘリ空母「HMSオーシャン」も売却されれば、空母を持たない海軍となります。 昔は “七つの海の王者”だったのですが…

教員のグローバル化とドメスティック化
  日本の政治・経済の空気が、昭和10年頃と似たのものに急速に変化していくに伴い、教員の世界でも “ドメスティック化”が進んでいます。 「世界は見たくない」「日本が一番」 という本音を見せることに 躊躇もしない一群は、教育のグローバル化に目をつむっています。 わが国の中等教育において IB(インターナショナル・バカロレア) の導入が難しいのは、教員をまるで職能組合のように組織し 「勤務先を超えてグローバルに還流させる」 という “IBの思想” が、わが国の教育界に馴染めないからです。 確かに、国境を越えて教員の引き抜き合戦が展開されているのを目の当たりにすると、その凄さに圧倒されます。 教育のグローバル化においては、日本のドメスティック型教員は “絶滅危惧種” ともいえますが、何故 ここまで極端に “内向き志向+過剰防衛志向”になってしまったのでしょうか?
  文科省としては、教員の引き抜き合戦が絡む英語ベースのDP導入を回避し、「日本語DP」を奨励することで、各都道府県に最低1校は IB校を創りたいようです。 その試金石が、仙台育英学園高校、茗渓学園高校、筑波大附属坂戸高校、学芸大附属国際中等、山梨学院大附属高校、法政大学国際高校、英数学館高校、沖縄尚学高校の8校で、関係者は固唾を呑んで見守っています。

経営者は責任を肝に銘じるべし
  中央自動車道の笹子トンネル天井板落下事故から 丸5年です。 被害者の遺族が 「会計検査院の昭和50年度報告でも、既に危険が指摘されていたのに、歴代の経営者が点検を見送ってきた責任はあるはず。 経営者を罰する法律がないことの弊害は大きい」 と話しています。 他方、昨年の三菱自動車の不祥事に続いて、日産自動車、スバル、神戸製鋼所、三菱マテリアル、東レと “検査データの改竄” 等が発覚しています。 “発覚”という通り、今の70歳前後の人たちが 経営者として「経営効率("非正規雇用" "45歳定年+年俸制移行"など) を打ち出した頃 (1990年代) から、この懸念は強まっていました。
  生産現場の「ものづくり組織能力」や「品質の競争力」が低下したのではありません。 元は “秀才型の成績優秀者”だった人たちが 企業人としての管理能力がなく、現場を把握しないことを無責任と感じないこと(+いつまでも会社にしがみつく⇒ 管理コストの増大) が原因でした。
  不祥事があれば、経営陣は皆、「現場までは知りませんでした」「この事態は予測できませんでした」と弁解しますが、現場の人員を削減する一方で 成果向上を要求する体質 そのものが、問題なのです。 アメリカのMBA(経営学修士) の奥義には、「この事態を放置して実行する場合の損害額はいくらか? を考えて決行し、事態発覚前に その部門を売却」があります。 こうした企業文化を 日本に持ち込んできたこと自体、“未必の故意”といえるでしょう。

第62回グローバル化社会の教育研究会(EGS)を開催
  12月1日(金)、『法政大学国際高等学校の改革--- グローバル探求コースとIBコースの開設』 をテーマに協議が行われました。 同校は 「良妻賢母ではないリベラルな教育を目指す自由な思考」が伝統とのことです。 大学付属なので、受験のための詰め込み教育から解放され(学校の勉強さえ しっかりやっておけばよい)課外時間の活用、高大連携の取り組みが容易 といった利点もあります。 その反面、高校での成績が内部推薦に直結することから、生徒は 効率よく学習・暗記しては試験に臨むことを繰り返す “人間ファクシミリ”になり易かったそうです。
  主体的な学習姿勢を育むためには、教育の国際化と授業改革が急務だと認識されたところに 「日本語DP」があったわけで、ほぼ全員の教員がIBワークショップに参加したとのこと。 黒板を背にした一斉授業を脱し、班単位の課題解決型の学びに移行することは、教師の意識改革そのものですし、それらは学校全体が一斉にやらないと 効果が出ません。 「日本語DP」クラスと共に 「グローバル探究コース」も設けられ、単位制 (無学年)、四期制、教科教室制 (HR廃止) など、徹底した国際化が図られます。 日本人が本来持つ「約束 (契約)を守る、嘘をつかない、世間 (orお天道様) に恥じない生き方」の “ブランド”が、この学校でも育つことを期待します。
◆ IBコースは DPの習得認定合格が難しいのですが、その学習を日本語でできる 「日本語DP」は 朗報です。 たとえ DPの全科目合格ができなかった履修者でも 優秀であることを、大学側は認識し始めています。

平成29年度SGH全国高校生フォーラム開催される
  初のスーパー・グローバル・ハイスクール(SGH) 全国高校生フォーラムが11月25日(土)、パシフィコ横浜 (横浜市西区)で開催され、アソシエイト校も含む133校が参加。 ポスター発表の審査で選ばれた4校がステージ上で発表を行い、佼成学園女子高校が文科大臣賞、立命館高校・大阪府立三国丘高校・啓明学園高校が審査委員長賞に輝きました。 なお 生徒投票賞は、北海道登別明日高校、渋谷教育学園渋谷高校、立命館宇治高校、西大和学園高校の4校でした。 2014年度のSGH指定校が居並ぶ中、アソシエイト校の啓明学園が “ベスト4”に入っているのは大健闘です。

今年は 世界中で異常気象や自然災害が続きました
  「エンソーが原因」 と言われ 「?」 と思ったら、「El Nino-Southern Oscillation(エルニーニョ南方振動) の略でした。 いわゆる 「El Nino Event」 ---赤道付近の大気が、西側(インドネシア付近) と東側(南米ペルー沖) とで、公園の 「See-saw」 のように連動して変化する現象ですね。
  スペイン語の 「El Nino」 は “ザ 男の子” の意味ですが、イエス=キリストも指します。 毎年クリスマスが近づくころ (ペルー沖の海水温が上昇して)南米西岸一帯に豪雨や不漁がやってくる現象を、地元の漁師たちは キリストの降誕に懸けて覚えていたわけです。 これに連動する “シーソー現象” が大洋州・アジアにまで大規模に発生していることが報告されるようになると (1980年代)日本を襲う台風・豪雨の大型化の説明にも使われ始めました。
  ここ数ヶ月のように ペルー沖の海水温の方が下がる現象は、「La Nina(ザ 女の子) と呼びます。 「Anti-El Nino」では “反キリスト(主義)” の意味にもなるので、嫌なのでしょうね。 日本付近の偏西風を蛇行させて、東日本を寒気団が覆うとされますが、今回の冬将軍は相当厳しいようです。
◆ シーソーは 「板跳び」 ともいわれますが、韓国の 「ノルティギ」 が欧州のサーカスに 「Les Planches Coreennes」(韓国の板) として採り入れられたのが起源です。 元は 囚人の妻が、刑務所の塀越しに 服役中の夫を覗き見るための道具だったと聞くと、可愛くもあり健気でもあり……。

帰国生の魅力は英語なの?
  帰国生の入試・編入試の第一シーズンが終わりましたが、相変わらず 英語の筆記試験が幅を利かせているようです。
  中学・高校の学習指導要領で、「外国語」 は一番最後の教科 (注:"英語" という教科はありません) に位置づけられています。 実技教科と並んで、実際に身体を使って学ぶものだと考えられているからです。 しかし、いわゆる 「英語教師」 と呼ばれるドメスティック型の教員は、丸暗記と文法知識を生徒に強要し、「話せないのは努力不足と、コミュニケーション能力のなさが原因だ」 と生徒を煙に巻きます。
  確かに、小学校の段階で 健全なコミュニケ―ション力や論理力を身に付けていないと、外国語の習得は難しいのですが、遅咲きの子やアスペルガー系の子にも 適切に指導することが、中学・高校教師の職務です。 生徒がクラスメイトと一緒に身体を動かしながら、「どうやったら、相手はこれを受け取り易いか」 「相手は今、何を望んでいるのだろうか」 などと考えながら学べるよう、環境を整え、知的にリードしていくことが求められるのです。
  10年前、この教育通信で、「(1) 多角的な視点を持ったり、許容したりできる、(2) 論理的に段階を追って考えを進めることができる、(3) 自分が感じたり考えたりしていることを、相手に分かり易く、的確に説明できる、の3点を備えた生徒」 が欲しいと書きました。 英語ができるから帰国生を欲しいのでは、決してありません。

12月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第62回グローバル化社会の教育研究会(EGS)--- 12月1日(金)、於:聖学院中学・高校 (東京都北区)。 テーマ 『法政大学国際高等学校の改革--- グローバル探求コースとIBコースの開設』=江川 治 先生(教務主任)※ 来春から 共学化&IBの本格導入を堅実に推し進める同校の現状をリアルタイムで分析、教育の“グローバル化”についても一緒に考えます。
ASIA-NET セミナー「中国ビジネス最前線」--- 12月 6日(水)、於:南部労政会館 (東京都品川区)。 テーマ 『2017年中国ビジネスを振り返る--- 上海の現場から』=呉明 憲 (TNC Solutions)、峯本 裕一 (ISE-China)。 ※ 上海の街角で "増えたモノ"と"減ったモノ"、財布を使わないスマホ払いの買い物、電気自動車など、注目のビジネス動向の研修です。
ソフォスパートナーサミット2017--- 12月 7日(木)、於:東京コンベンションホール (東京都中央区)。 テーマ 『AIでサイバーセキュリティ新時代へ』=クリス・ヘイゲルマン (ソフォス CEO)。 ※ 学校現場で注目の マシンラーニング、ディープラーニングの探究についても解説されます。
BCN Conference 2017 冬--- 12月13日(水)、於:ベルサール九段 (東京都千代田区)。 テーマ 『最新テクノロジーから占う2018年』。 ※ 今回は 日立ソリューションズと Sprinklr Japan の取り組みが目玉です。
貿易研修センター(IIST) 国際情勢シンポジウム--- 12月19日(火)、於:東海大学校友会館 (東京都千代田区)。 テーマ 『緊張高まる米中対立』=久保 文明 (東京大学大学院 教授)、香田 洋二 (元 自衛艦隊司令官=海将)ほか。 ※ 詳しくは<iist-supporters@iist.or.jp> 富所さんまで。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 株価が一見高いのも、円安でそう見えるだけ(外貨に換算したら下落したまま)。 就職率が高いのも、少子化で人材不足の上に、政府が公務員を増やし続けて身内に “利益誘導”しているからです。 年末は生鮮食料品が値上がりしますが、今年は夏前から高値のまま……とくに野菜は、4〜5年前の2倍以上の高値続き…… 円安のせいで燃料費や各種資材、輸入飼料等が高騰しているためで、天候不順が原因だという嘘に騙されないことです。

◆ そもそも、「円安になれば、国民の財産全体の資産価値も (国際経済の中で) 下がる」 ことは明白です。 しかし、「今の自分だけが儲かればよい」「物価が上がれば、(数字の上で) 景気が好いと宣伝できる」 と考えている人も たくさんいるのです。 これこそ 「poach/steal」なのですけど……。

◆ 予想通り 「忖度」が今年の流行語大賞に選ばれました。 組織のトップにある者が 「忖度はありません」というのは誤用であって、不祥事が疑われたら、「忖度はいけません」といって 白紙撤回させるべきです。

◆ 流れ星は 都会では滅多に見られません。 せめて 「双子座流星群」(12月中旬) と 「四分儀座(竜座)流星群」(1月初め) の夜には 見たいと思うのですが、余りに寒くて、屋外に立っているのも大変です。 それに12月15日は、箕面ビールの大下正司社長の命日。 「マサジ・ビールプロジェクト」 で、伊勢角屋、志賀高原、スワンレイクなど 十数社の醸造元が提供する 当日限定の特別ビールを味わっていると……。
  22日はまた、高橋龍太郎さんの没後50周年でした。 「日本のビール王」で、プロ野球やサッカーの振興にも貢献された方でしたね。合掌。

◆ 『月刊 海外子女教育』12月号の特集は 「日本各地からの帰国生 我が校紹介」です。 四国の愛光学園が共学になっていて驚いたり、広島の英数学館(「日本語DP」導入校) が予備校だった時代が懐かしい方もあるでしょうね。 京都聖母学院は、石川一郎さんが学校改革中です。

◆ 土肥 豊先生、上久保 達夫先生など 大阪教育大学関係者の皆さんによる 『海外日本人学校―教育環境の多様化と変容(金壽堂出版) が上梓されました。 海外子女教育振興財団の 『海外子女教育資料集』(1991年)以降、こうした本格的な書籍は 余り見当たらなかったので、嬉しいです。

◆ 日経夕刊 「達人のワザ」に福永 佳津子さんの『海外で安全に過ごすには』が載りました(12/26)。 今年2月のEGS研究会で 子どもの危機管理について話していただきましたが、相変わらずのご活躍です。 肖りたいです。

◆ 寒さの中、忘年会・クリスマス会も行われます。 来る年が 皆様にとって実り多い一年でありますよう。
  Selamat Tahun Baru! 新年快楽! Bonne annee! A Happy New Year!

==================================================================================================
 ページトップ、 海外支援センター   ※ ニュースのオリジナル版は、日本人学校・補習授業校にも お送りしています。
【2017-11月】

ホトトギスが満開で、11月です。
  秋が深まると 「牡牛座 (Taurus)」 が見え始めますが、その中に 「すばる星 (The Pleiades)」 があります。 恒星が 400以上ある星団だそうですけど、肉眼で見えるのは6つだけなので、東洋では 「六連星 <むつらぼし>」 とも呼びます。 しかし、欧米では “幸運の七” が好まれて、「Seven Sisters」 です。 6人しか見えないのは、末っ子のメローペが 人間のシーシュポスと結婚したのを恥じて 姿を消したから… と子どもには教えます。 クロスワードで “七姉妹” “末娘” “Lost Pleiad” などが “鍵” なら 「MEROPE」 と入れてみましょう。 彼女らを追っかけているなら 「ORION」 です。

入試の第一シーズン始まる
  10月末のハロウィン騒ぎが終わると、私立小学校の入試中学・高校の帰国生入試のシーズンに入ります。 海外入試も 既に始まっていますが、帰国生入試は12月中旬までが 第一の山場です。 23日には 『帰国子女のための学校便覧 2018年度版』 が発行されました。 帰国生入試は、一般入試の解禁日前に行われるため、各校では 受験資格の確認を必要とします。 三田国際学園のように、11月4日(土)までに出願のための事前登録 (WEB上。受験は 11/27,12/8) をさせる学校もありますので、ご注意ください。

第7回 全国中学生英語ディベート大会の速報
  10月22日(日)、中京大学(名古屋市昭和区) で行われました。 あいにく 台風接近のため棄権する学校が相次ぎ、12校14チームで競われましたが、さいたま市立浦和中学校が連覇、2位:筑波大学附属駒場中学校A、3位:福井県立高志中学校。 また、ベストディベーター賞には 猪倉彼方さん(筑波大学附属駒場中学校A) が選ばれました。
  「審判の方の話しによると、初期の頃と比べ、相手の議論に反論したり 相手の反論に対して防御できるようになっており、持ち時間が足りなくなってきている模様」 と、事務局の長尾美武先生(岐阜聖徳学園大学附属中・高) から連絡がありました。 高校生の試合に近い時間を与える方向で検討が進むようですが、参加チームが増えたり、今回のような天候等で 終了時間が切迫してくると、大会運営は ますます大変です。 なお、昨年3位の加藤学園暁秀中学校は4位、栃木県立宇都宮東高等学校附属中学校は7位でした。 得点数は トップとほぼ変わらない僅差で、ハイレベルな闘いとなっています。 今後の発展が楽しみです。

日本数学教育学会は来年、創立百周年
  1919年(大正8年) に前身の 「日本中等教育数学会」 が発足以来、公益の法人としてわが国の算数・数学教育の発展に大きく貢献してきました。 記念大会は 8月2日(木)、東京ビッグサイト(東京都江東区) で開催されますが、教師・児童生徒・一般市民向けのトークショーや 算数・数学のワークショップ、企業の展示・販売ブースなども計画されています。 これらを成功させるため、募金活動も始まりました。わが国のみならず、世界の算数・数学教育の発展への貢献に期待しています。 詳しくは、同学会のサイト、もしくは 西村圭一先生(東京学芸大学)まで。

海苔は11月頃から摘み取りが始まります。
  翌年の春先(3月中頃) までが収穫期ですが、一番最初に摘まれた海苔は「新海苔」と呼ばれ、柔らくて風味が一段と豊かです。 茶葉でいえば 「新茶」と同じですね。 海苔1枚のサイズは、原則として 21cm×19cmです。 前の東京オリンピック(1964年) の頃、瀬戸内海の海苔産業再生の際、このサイズに統一されました。 それまでは 全国まちまちでした。 一般に、10枚が一袋に入った 「1帖<じょう>」という単位で流通します。
  中国の海苔は「(甘)紫菜 <(gan1)zi3cai4>」ですが、30年前までは余り食べる習慣はなかったようです。 日本食の普及により、江蘇省や山東省辺りで養殖が行われるようになったそうですが、私たちの味覚には、まだ物足らない品質レベルに感じます。 ただし、味付け海苔やスナック菓子、コンビニの弁当・お握りには、どんどん使われています。 嫌でも口にする機会は増えましたし、日本以外の国には既に輸出されているようです。
◆ 海草を食べる民族は 極めて少ないといわれますが、和食の普及により、海苔や昆布、はるさめ等に注目が集まるようになりました。 ダイエットだけでなく 栄養価や放射能対策などの面にも、関心が寄せられます。

井田頼子さんが新著書を上梓
  『上海日本人学校高等部におけるトランスナショナルな進路選択:アジアの国際化と日本の大学入試が 生徒に及ぼす影響』(2015) の井田頼子さんが、英国から『Globalization and Japanese "Exceptionalism" in Education』(Routledge刊,2018) を編著で上梓されました。 海外の高校を卒業後に日本の大学で学ぶ子の葛藤を、丹念なフィールドワークで追究しておられます。
  これを機会に、学術研究者のための「上海高等部アーカイブ」のサイトを大幅に整理し直し、開校後の新聞記事、卒業生の進路先なども紹介するようにしました。 ただし、アーカイブは 2010年度のものですので、取り扱いには十分ご注意ください。

第62回グローバル化社会の教育研究会(EGS) の開催
  12月1日(金)、いつもの聖学院中学・高校(東京都北区) で開かれます。 話題提供は法政大学女子高校の教務主任 江川 治先生にお願いしました。 テーマは『法政大学国際高等学校の改革--- グローバル探求コースとIBコースの開設』です。 同校は2012年から、IBの教育理念やDPプログラムについて検討を始め、既に 専任教員37名全員が IBワークショップに参加したそうです。 今年2月に “IBワールドスクール”の認定を受け、来春、神奈川県では初のDP設置校となりますが、それに伴い 「法政大学国際高等学校」への改称、共学化もします。 「日本語DP」コースなどIBの教育方法を取り入れていく過程においては、様々な苦悩や葛藤があります。 現在進行中の生々しいご報告を伺いながら、教育の “グローバル化”や多文化共生教育についても 一緒に考えたいと思います。

11月22日は「ボタンの日」です。
  1870年、日本海軍の制服を定める大政官布告が出され、前面に9個×2列、背面に3個×2列の金ボタン(桜花) を付けることになったことを記念しています。 これは欧州の海軍礼服に倣ったものですが、ボタンの数は時代と共に減り、1904年には 下士官以上は前面のみ7個が1列、その他は前面に5個が1列(⇒学生服の原型)となります。
  ボタンを意味する「」の字(元々は“器の口を金で飾る”の意味)は、太政官布告の際に、“服の口に金属製品を入れて紐の代用にする” 意味から 「紐釦」 と書き、これを 「ボタン」 と読ませることを採用したのが始まりといわれています。 他方、中国語には 「 <kou4>」(留置・差し押さえ、天引き、割引など) の字があり、ドアの掛け金やボタン、器の蓋などを “掛ける・嵌める” ことも意味しています (日本語では“控える・叩く・撃つ”の意味に⇒控・拘)。 ところが、19世紀末に 日本から 「釦 <kou4>>」 の字が逆輸入され、“軍服・制服のボタン” の意味で使われ始めたようです。
◆ 中国語の「控 <kong4>」は、“訴える(⇒控訴)” “制御する (⇒控制=事物を 力で自分のコントロール下に置くこと)”などの意味です。 サイバネティックス (人工頭脳学) は、「控制論 <kong4zhi4lun4>」といいます。

TOEFLスコアを上げるコツは何?
  という質問を 時々受けます。 もし、“実力以上のスコアを出したい”と思っているなら、その発想自体が誤りです。 試験を作る側は、「その子が同一条件下で何回受けても 同じ結果になる= 測ろうとしている力を正しく測定できる」 ことを目指して研究を重ねていますから、iBT(Internet Based Testing) の時代になったら、実力が正直に出ることを観念してください。
  例えば、視力検査をする時、先生はその子の「健康診断の記録」を見て、去年まで「0.7」だったらまず、「0.7」の所を指します。 正しく答えれば「0.8」、間違っていれば「0.6」を指す…… という風に、回答により上下することで 視力を効率よく判定します。 iBTも同様で、「正答すれば難しい問題、間違えば易しい問題」を繰り返すことで、効率的に実力が判定できるよう作られています。 膨大なデータの蓄積を基に、「この問題に、この能力の者が正答する確率は 〇%」と統計処理がなされていて、受験者の力は 短時間で 高い精度で測定されるのです。
  もちろん、受験による学習効果もありますから、受けるたびにスコアが若干上る傾向にあることも確かですが、受験料が高いので、日頃の勉強を頑張った方が賢明です。
◆ TOEFLスコアの検定プログラム(ソフトウェア) の類は、実業界では遥かに進化していまして、「RPA (Robotic Process Automation)」と呼ばれています。 従来 人間のみが対応可能と想定されていた作業まで、“仮想知的労働者”がこなす時代を迎えました。 詳しくは 別の機会に。

11月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
TJF「CMづくり」ワークショップ--- 11月5日・12日(日)、於:国際文化フォーラム(東京都文京区)。 指導:近藤 祐見 ((株)電通 CMプランナー)。 ※ 小・中・高校の教師が対象で、「伝わるとは?」から「考えを深めるorアイディアを創り出すプロセス」まで実践的に学べます。
ASIA-NET セミナー--- 11月 7日(火)、於:南部労政会館(東京都品川区)。 テーマ 『なぜ中国人は「財布」を持たないのか?』=中島 恵 (フリージャーナリスト)。 ※ ユニークな切り口で中国人や華人圏を観察されている 中島先生から、刻々変わっていく中国人の実像について伺います。
BCNセミナー「クライアント セキュリティ フォーラム」--- 11月13日(月)、於:山王健保会館 (東京都港区)。 テーマ 『働き方改革にも貢献するセキュリティ対策&バックアップ』=畔上 文昭 (週刊BCN 編集長)、酒井 宏一郎 (DTCアライアンスビジネス部長) ほか。 ※ 標的型攻撃やランサムウェアなどの最新動向をベースに、働き方改革にも貢献するセキュリティ対策のあり方を解説。
関西 みらいの学びゾーン (学びNEXT)--- 11月15日(水)〜17日、於:インテックス大阪。特別講演には、高橋智隆氏 (東京大学先端科学技術研究センター)、山田誠二氏 (人工知能学会 会長)、安彦広斉氏(文部科学省 情報教育振興室長) など豪華な皆さん。
Asia-Netセミナー 台湾半導体ベンダーの挑戦--- 11月16日(木)、於:パシフィコ横浜 (横浜市西区)。テーマ 「スマートスピーカー向けソリューション」「次世代のIoT応用に必要となるSoC開発プラットフォーム」「紙メディアとデジタル技術の融合---IoTとしての応用」。※ 台湾IoTベンダーの企業戦略、最新IoTソリューションを 3人の講師を招いて特別解説。
TJF講演会 世界の言語と文化を知ろう! (第4回)--- 11月25日(土)、於:都立杉並総合高等学校 (東京都杉並区)。 テーマ 『落語×中国語=グローバル時代の人へのものの伝えかた!』=三遊亭楽生 (落語家 師匠)※ 高校生と高校教育関係者対象。「出す声によって 相手に伝わるメッセージが変わる」ことを体験。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ ホトトギスの花は、鳥のホトトギスのお腹の模様に似ているから、そう呼ばれると、聞いたことがあります。 季語では 花は秋で、鳥は夏ですが、いずれも 出始めが季節の到来を知らせる言葉です。

井田頼子さんは、今年から島根県松江市におられます。 超ドメスティックな松江をベースにして、どんなグローバルな視座が拓けるのか、楽しみです。既に、海外から“日本”を求める人たちが集まっています。

◆ 1890年11月11日に 浅草の凌雲閣(浅草十二階) がオープンしました。日本初の電動式エレベーターが備えられ、前日にそのお披露目が行われたので、「エレベーターの日」と言えば11月10日です。

◆ 文部省の海外子女教育課長をされた後、日本学術振興会理事、(財)ユネスコ・アジア文化センター(ACCU) 理事長を 永年勤められた中西釦治さんの通称は、“ボタンさん”--- 第一次安倍政権から民主党政権、さらに第二次安倍政権と、困難な状況下で残された実績は素晴しいです。

◆ 図形遊びの 「マグフォーマー」 は、低学年でも 遊んでいる内に 正四面体、正六面体、正八面体、さらに 正十二面体まで作れることに驚きます。 発売元は韓国で、ボーネルンドが輸入する “正規品” は高値…… 案の定、コピー商品や類似品もたくさんあります。 「怪しい日本語に拘らなければ “偽物” でも大丈夫」 と公言されても……。

◆ 11月20日(月)、海外子女教育振興財団の学校会員連絡協議会(東京) が、「今後の帰国生受け入れについて--- 帰国生の特性と受入校の役割を考える」 のテーマで開かれました。 首都大学東京 国際センターの岡村郁子准教授、渋谷教育学園の高際伊都子副校長の講話を基に 協議が進みました。

◆ 11月28日(土)、「The Cat & Cask Tavern」 が満9年を迎えました。 クラフトビール店が乱立する中、正統派の英国パブとして人気を博していますが、今、WEBサイトが観られなくなっています。 “本日のビール” については、「catandcask.blogspot.jp」 のブログをご覧ください。

◆『月刊 海外子女教育』 11月号特集は 海外子女文芸作品コンク―ル審査結果発表です。 アジアからの入賞が少ないのは、少し寂しい気がします。 受け入れ校紹介は、都立中学校初の帰国生入試が始まる 白鴎高校・附属中学校……帰国生の写真の背景に スカイツリーが輝いています。

帰国生入試の第一のピークを迎えています。 今年から帰国生入試を始めた学校や、入試の日程・方法等を変更した学校にとっては、胃の痛くなるような毎日が続きます。 しかし、学校側よりも、受験する本人や家族のストレスの方が格段に強いことは 否めません。 受験生諸君の健康と健闘を祈っています。

==================================================================================================
 ページトップ、 海外支援センター   ※ ニュースのオリジナル版は、日本人学校・補習授業校にも お送りしています。
【2017-10月】

10月1日は「国際コーヒーの日」
  世界のコーヒーの3割を生産するブラジルの収穫(9月) が終わり、その収穫高や品質が定まらないと 市場が落ち着かないため、「コーヒー年度」 は10月から始まります。 コーヒーの原産地は エチオピア。 それが アラビアのイスラム圏に伝わって、赤い果肉だけでなく 種子(コーヒー豆) まで油で揚げて 食べていたようです。 やがて、一部の修道者(Taliban) が宗教的な秘薬(=覚せい剤) として、炒った種子を煮出した汁を 飲むようになります。
  欧州には 16世紀ころ伝わりますが、敬虔なキリスト教徒の間では 「悪魔の飲み物」 として怖れられます。 1615年、コーヒーの禁止を迫られた教皇クレメント8世は、「この美味しい飲み物を 悪魔だけに独占させておいては もったいない」 と答え、それ以降 キリスト教徒の飲み物として認められたとか……。 やがて キリスト教宣教の道具として、植民地で コーヒーとタバコの強制栽培が展開されることになりました。 なお、キリスト教圏の教育関係者の間では “青少年から遠ざけたい薬物” として、カフェインニコチンアルコールと共に掲げられています。 子どもには やはり、よくないということなのでしょう。

10月5日は「世界教師デー」です。
  「pedagogue (教育者)」 は、元は 「下僕・奴隷」 を意味していました。 古代ギリシア・ローマでは 隣国を征服すると、そこの知識人を奴隷として連れ帰り、子女の教育係とする風習があったそうです。 知的労働ですが、学校への送迎もやらされ(boy-leader)、優秀な人材は 学校が徴用することもあったでしょう。 いずれにせよ、教師は ムラの外から連れて来られた “余所者” であって、本人の知性次第で 社会の最下層から引き挙げられていく職業でした。
  同じ印欧語族(IE) であるインドでは、教育者は 「テラ (Thera、長老・老師)」 と呼ばれます。 また、彼らが修行する 「イン (Inn、)」 は “宿泊所・別棟” の意味で、付属施設の 学院、孤児院、施薬院(病院) などを含めた総体が、“寺院”だったわけです。 「精舎 (vihara)」 は “寄進された土地”、つまり 地域コミュニティが 土地や労力・資金を出し合って施設を作り、「テラ」 を雇って運営させます。 そこには 「ビク (biku、比丘)」 という 出家した人たちもおり、一緒に修行と社会奉仕を請け負いました。 身分が低いというよりも、俗世間の階級を超越する存在だったようです。
  しかし、ともすると 指導者は、権威主義/守旧主義に陥り易いリスクがあります。 仏教界では、釈迦尊の没後 百年間、「長老派 (Theravada)」 と 「大乗派 (Mahayana)」 との大論争を経て 分裂してしまいます。 それからの 2,500年間を振り返ると、時代・地域により 教育者の地位は 上がったり下がったりを繰り返し、どちらの流れが どうとはいえません。 それは欧米においても 同様のようです。
◆ 教師の日を 中国では 9月10日(台湾 28日)、シンガポールは 9月1日、インドは 9月5日、オーストラリアは 10月の最終金曜日、インドネシアは 11月25日とするなど、独自に定めている国もあります。

10月14日は 「鉄道の日」 です。
  1872年のこの日 (旧暦 9月12日)、新橋(旧 汐留)―横浜(現 桜木町) 間で、日本の鉄道が正式開業 (Grand-Open) したのですが、その4ヶ月前、品川―横浜間で 先行営業を始めていました。 だから、品川駅のホームには 「鉄道発祥の地」 の表示があります。
  欧州の大都市では、鉄道の始発/終点の駅(Terminal) が方面ごとに異なるのが普通です。 「街の城壁の内側には 鉄道駅を作らない」 という原則があり(地下鉄は別)、その都市で列車を乗り継ごうとすると 「北駅から東駅にタクシーで…」 みたいな話になります。 東京でも かつては、上野駅を “北の玄関”、新宿駅を “西の玄関” などと呼びましたが、東京駅で新幹線が直結されてしまうと、その感覚は薄れてきました。
◆ 東京の山手線は 環状線の西半分のみ…… 品川を起点に 新宿を経由して田端まで。 田端―東京間は 東北本線、東京―品川間は 東海道本線です。 鉄道研究家の 江尻定さんは、山手線のアナウンスは 「内回り:女性の声、外回り:男性の声」 であることを、各駅で降りて確認されたそうです。

「試用期間」について
  今秋に大学を卒業した若者など、新たな職場で働き始めた人も多いことと思います。 当分の間は 「試用期間」 で、“使用者が労働者を本採用する前に試験的に雇用する期間”--- 通常1〜3ヶ月間、新入職員の適性を評価・判断するものです。 日本では従来、新規雇用者の配属先を決定する前の研修を行う期間として 設けられてきました。 学校現場では、1年間の定期契約を結んだうえで、その後半に入った時期(10月頃) に 本雇いとするかどうかを 判定する慣行ができています (条件付採用=教育公務員特例法 第12条)
  英語の「Probation」は、“その世界で 自立してやっていけるかどうかを試す期間” です。 ただし、刑事政策上の “保護観察”(犯罪者の 自助の責任感を認め、社会の中で補導・援護を行うことにより更生を図る制度) の意味もあるので、ご注意を。 なお、「Trial Period」 でも通じますが、こちらは “篩い落とす” というニュアンスが強く出過ぎますから、労働者側からは嫌われ易いですし、日系企業が本来持っている空気にも 馴染みません。

第61回グローバル化社会の教育研究会(EGS) を開催
  10月6日(金)、いつもの聖学院中学・高校で、『神奈川県立高校の 「外国につながる生徒の特別募集」--- 帰国子女・国際理解教育の現状報告を兼ねて』 のテーマで開かれました。 話題提供は、県立 弥栄高校の 坂本万里 校長です。 神奈川県内の公立高校の帰国生募集定員は 8校90名(内1校は横浜市立) で、2017年度の在籍者総数は206名 (全学年)--- つまり 64名分の枠が残っており、県教委の転編入相談センターに照会すれば、受け入れ先は必ずある状況 (転編入時期は年4回、高3秋まで可) とのことです。
  神奈川県は 明治時代から外国人が多く、人口の2%を超えています。 公立高校では 12校(次年度は 13校) が 外国籍生徒の定員を持ち、体制を整えていますが、手厚い対応策が取られれば取られるほど、一般生との交流の機会が不足していく というジレンマが課題とされます。 今後 ますます加速する 帰国生と外国籍生徒の増加、そしてグローバルに活躍できる資質の養成のためには、“異文化間のズレを調整できる力” が、教師にも 生徒にも求められていることが 再確認されました。

真言のお呪いと 「国際」のお呪い
  最近の政治家の話を聞いていて、寒々とした気持ちになることが多いのは、そこに真心がないからでしょうね。 「真言 <zhen1yan2>」 は梵語の 「Mantra」 の漢訳で、“真理を表す秘密の言葉” という意味です。 大乗仏教で用いられる呪術的な語句 (お呪<まじな>い) ですが、私たちに身近なのは 般若心経の最後の 「羯諦 羯諦 波羅羯諦… <ギャテイギャテイ ハラギャテイ…>」。 怪我をして 止血したい時などに唱える 「阿毘羅吽欠 蘇婆訶… <アビラウンケンソワカ>」 も真言です。
  真言宗では、世の中には いろいろな宗教や思想があるものの、よく観察すれば、一番底に 共通の原点があり、それが 「大日如来 (毘盧遮那仏)」 という仏様だと考えます。 その求めるところは、「広い視野で物事を見ながら 深く考えて、敬虔に力強く人生を生き、平和な社会を創ること」 に置かれています。
  1970年頃に 欧米の若者たちが競ってインドに赴いたのは、社会主義者が標榜する 「国際 (International)」 を疑い、「グローバルな共存」(真言の世界) を渇望する衝動でした。 しかし 20年後、米国式のものを何でも 「国際標準」 と僭称することが流行し、日本の教育界も混迷を深めます。 国際人材は、英語を話せれば育つ というものではありません。

「OK」という用語は?
  初出は、1839年の米ボストンMP紙のようです。 最初の頃には、「"all correct" の綴り間違いの短縮形」 と注釈付きで掲載されていましたが、翌年の大統領選挙で、民主党員が 候補者の故郷である 「愛するキンダーフック (Old Kinderhook)」 に懸けて 「O.K. Campaign」 を展開したことから、一躍 全米に広がったそうです。 1881年、アリゾナ州の銀鉱の町 「Tomb-stone」 にあった “牛囲い” も 「O.K. Corral(注:牧場ではありません) と呼ばれていました。 ここで起きた 民主党系と共和党系の住民による銃撃戦は有名です。 何度も映画化されたのは、如何にも “西部劇的なお膳立て” が揃っているからでしょうが、当のワイアット・アープらが 映画会社に盛んに売り込んだからともいわれます。 “結果オーライ(遣った者勝ち) ですね。
◆ 英語の 「Roger!(了解!)」 は 軍隊用語ですが、元々は ヒンドゥー語の 「Raja (王)(⇒ 御意) だといわれます。 アラビア語では “希望・上首尾” の意味もあるそうです。 宇宙中継で 宇宙飛行士が、複雑な指示・情報に対して 「Copy!」(書き留めた!) と応える様子は、緊迫感があり 格好いいです。

アジアにおける 「オーケーら」
  中国では、 「好了<hao3le>/同意<tong2yi4>」 の代わりに 「OK」 ともいいます。 東南アジアでも 「Oke lah/deh.」 というのは、中国語の 「OK了/的」 が元でしょう。 また、「OKB (orang kaya baru)」(成り金) に懸けて “金持ちだねぇ” の意味にもなります。
  他方、日本語の 「おけら」 は 中国語の 「朮 <zhu2>」 で、キク科の多年草です。 根茎を乾燥した 「蒼朮 <そうじゅつ>」、さらに皮を剥いだものを 「白朮 <はくじゅつ>」 といい、健胃・利尿・解熱・鎮痛剤とするほか、お屠蘇にも用います。 邪気・悪臭・湿気を祓うために、正月や節分で焚いたり (⇒冬の季語)、梅雨時に焚いたり (⇒夏の季語) もしてきました。 なお、皮を剥いで薬にすることから、ギャンブル関係者は “賭けに敗けて衣服まで剥がされた者”(=無一文) のことを 「おけら」 と呼びます。
◆ 「白朮」は、中国語で 「白藷・白数 <bai2shu3>」(間抜け・馬鹿) と音が似ています。 丸裸にされ 両手を挙げて降参する姿は、“芋” だけでなく、「螻蛄 <けら>」(コオロギの仲間) にも模され、嘲笑のネタとなります。

10月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第4回 関西感染症ワクチンセミナー--- 10月1日(日)、於:大阪医科大学 臨床第一講堂 (大阪府高槻市)。 内容: 「ワクチンで予防できない疾患をプレトラベルで どう食い止めるか--- 蚊媒介感染症を中心に」=小川 拓(奈良県立医科大学感染症センター助教)ほか。 ※ 医療従事者の研修会ですが 一般にも開放されます。
第61回グローバル化社会の教育研究会(EGS)--- 10月6日(金)、於:聖学院中学校・高等学校 (東京都北区)。 テーマ 『神奈川県立高校の「外国につながる生徒の特別募集」--- 帰国子女・国際理解教育の現状報告を兼ねて』=坂本 万里 (神奈川県立弥栄高等学校 校長)。 ※ 弥栄高校の「在県外国人等特別募集」開始だけでなく 神奈川の公立校全体について、帰国子女・国際理解教育の現状を伺います。
異文化コミュニケーション学会 年次大会--- 10月7日(土)・8日(日)、於:上智大学 四谷キャンパス(東京都千代田区)。 テーマ 『公正な社会への変革をめざして:内なる多様性を再考する』。
第7回全国中学生英語ディベート大会--- 10月22日(日)、於:中京大学センタービル(名古屋市昭和区)。 論題 『The retail shops in Japan should not stay open 24 hours. (日本は 小売店の深夜営業を禁止すべきである。是か否か)』。 ※ 全国高校英語ディベート連盟(HEnDA)の時間短縮版で闘います。
日本旅行医学会 イブニングセミナー--- 10月13日(金)、於:代々木研修室 Kビル会議室 (東京都渋谷区)。 「人の安全で快適な移動について--- 渋滞学の視点から」=西成 活裕 (東京大学先端科学技術研究センター) ほか。 ※ ロングフライト血栓症の原因は一体何なのか? こうした時宜を得た有益なトピックが、この学会の特徴です。
★ 獲得研オープンセミナー--- 10月21日(土)、於:日本大学 文理学部 (東京都世田谷区)。 テーマ 「学びを変えるドラマ技法入門」。 ※ 今回は夏のセミナーのリバイバル公演です。
★ 第20回 東京都私立中学・高等学校 池袋進学相談会--- 10月22日(日)、於:池袋サンシャイン文化会館 (東京都豊島区)。 ※ 東京都内の私立中学・高校が集まる進学相談会で、周辺県の受験生・保護者には、じっくり相談できる絶好の機会です。
AWSマイナビ セミナーシリーズ--- 10月27日(金)、於:マイナビルーム (東京都新宿区)。 テーマ 『AWSの進化がもたらす新たな可能性』=白石 奈緒樹 (シャープ(株) IoTクラウド事業部長)・藤元 正 ((株)日刊工業新聞社 デジタル編集部長) ほか。 ※ 「人に寄り添うIoT=AIoT」 の戦略の手解きです、
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ デジタルの色彩表示は 十六進数で表しますが、「COFFEE」 は 「赤 192+緑 255+青 224」 のこと、つまり“青緑”です。 因みに、グローバル化社会の教育研究会(EGS) のWEBサイトの背景は、「CCFFCC」 の青緑です。

◆ 「これは一般国民には及びません」 「説明責任を果たします」 「真剣に受け止め 深く反省しています」 も “お呪い” です。 今年の流行語大賞候補でしょう。 「結果オーライ」 「忖度 <そんたく>」 「まァ 好いか」は?

◆ 関西の帰国ママの手による 『帰国生への学校案内≪関西≫ 2018』が完成しました。 今回の特集は 「帰国生と英語」 です。 入試制度改革の動向を踏まえた英語教育の現状と展望など、帰国生の受験生と保護者に必読の情報が満載! なお、海外子女教育振興財団発行の 『帰国子女のための学校便覧 2018』 の方は、今月下旬の見込みです。

◆ 『月刊 海外子女教育』10月号の特集は 「受け入れ校が帰国生に期待すること」。 学芸大附国際、ICU高校、渋谷幕張、自由の森学園と、いずれも帰国生受け入れの伝統校ながら、世間では 特徴・性格が異なるイメージを持たれている4校が並びました。
  もう一つの特集は 「現地校通学--- 不安や心細さを越えて」。 現地校入学のための親子教室 (1982年から開設) の授業風景や渡航前の子ども達の様子、先輩帰国生の話などから現状を浮き彫りにしています。

◆ 海外の日本人学校等で働きたい人のための 「学校採用教員募集説明会」 が、東京・大阪・福岡で開かれています。 政府派遣教員ではなく、現地の学校側が直接雇用するものです。 詳しくは、海外子女教育振興財団サイトをご覧ください。

◆ 先日、ASIA-NETセミナーで、相原 茂 先生 (元 NHK中国語講師) の楽しいお話を伺いました。 それに刺激され 「中国人と うまくつきあう実践テクニック」 の緊急企画が 24日(火)に開催されます。 外国籍生徒や保護者に戸惑っている先生方は、覗いてみられませんか? 目から鱗のコツが一杯です。

◆ かつて 東京都豊島区にあったトキワ荘は、手塚治虫、藤子不二雄ペア、石ノ森章太郎、赤塚不二夫など 現代マンガの巨匠たちが 若き日々を過ごしたアパートです。 先日、「マンガ聖地としまミュージアム」 の整備計画が発表されました。開館(2020年3月) が楽しみですね。

◆ 10月ですね。 中国の国慶節は、今年は 8日(日)までの8連休。 また、世界中で ハロウィーン関係のセールが始まっています。 日本でも ハロウィーンのコーナーを設ける店は 多いのですが、巷には 魑魅魍魎<ちみもうりょう> が舞い始めています。 中には 戦争して儲けたい鬼たちも……くわばら くわばら。

==================================================================================================
 ページトップ、 海外支援センター   ※ ニュースのオリジナル版は、日本人学校・補習授業校にも お送りしています。
【2017-9月】

乙女座になると 新学期です。
  「乙女座 (Virgo)」 は アラビア語では 「sunbulat」 ですが、この時期に “初めての物事 (virgin)” を行いたいという感覚が 中東から欧米にかけてあり、年度の開始を この時期にする国が大半です。 学校や学年、あるいは住居や職場等が変わると 環境が変わるため、それが原因の心身の不具合が、4〜6週間後にやって来ます。 いわゆる不適応症状…… 日本で 「五月病」「引越うつ病」 などと呼ばれる症状は、季節に関係なく 誰にでも起こることです。
  マレー語で 「sinu」 は “神経” の意味です。「sakit sinu(神経の病) は “気の病” で、決して死ぬ病気ではありません。 でも、「誰でもなるんだ」 と知って心構えができていないと、狼狽<うろた>えたり 吃<ども>ったり、酷い時には手足が痺れる症状まで出たりします。 本人も周囲も 予めそのことを理解し、「そろそろだね」 と声を掛け合うことが最善の対処法です。 帰国生や国内の転校生、あるいはインターナショナルスクール等から編入してきた生徒がいる場合、9月下旬からが 「五月病」 のシーズンであることに配慮を願います。 もちろん、保護者も同じ症状が出るのが普通ですから、「この親子は異常だ」 などと即断するのは禁物です。
◆ J・シュピリの児童小説 『Heidi』(1880年 スイス) や、R・ブラウニングの劇詩 『Pippa Passes』(1841年 英国) などの 少女の天真爛漫さには、人に明るさと勇気をもたらす不思議な力があります。 「乙女座」 の “生命” は、いつまでも残っていくのでしょう。

アベノミクスの根底にあるものは?
  それは、金融資本の横暴 (利益独占) を放置する思考です。 「企業の業績が向上すれば、やがて家計も良くなる」 といっても、その波及効果は “絵に描いた餅”。 「まず家計を富ませ、それが企業に波及していく」 という順序でない限り、消費は冷え込んだままなのです。 また 「トリクルダウン理論 (trickle-down effect)(富裕層が富めば、貧しい者にも富が滴り落ちるという仮説) も、レーガノミクス(1980年代) や新自由主義政策の看板でした。 しかし、実際には大企業と富裕層だけが利益を独占する形 (⇒勝ち組) が明白になりました。
  日銀の黒田総裁が 「消費者物価は下がっている」 という時、食料品と光熱費を除外しています。 つまり、最近の日本人のエンゲル係数 (Engel's coefficient) が25%を超えてしまった現実、さらには 原発再稼働で将来に膨大な負債を残すことなどから、目を逸らそうとしているのです。 マレーの諺に 「河豚<ふぐ> の価値」(見かけが大きいだけで 中身は空= 何の役にも立たない) というのがあります。 安倍首相の出身地は 河豚の名産地ですが、美辞麗句を並べる嘘の連続には、困ってしまいますね。

日本は 秋祭りのシーズンです。
  アジアの稲作文化の村々でも、豊穣の神を “神輿<みこし>に載せて 山に送る儀式が行われます。 また、この時期は、鳩の求愛・巣作りが盛んな時期でもあります。 少し涼しくなり、鳩が飛び交う景色には ホッとしますし、鳩を癒しとして可愛がる人は多いのですけど、十分な警戒が必要です。鳩の糞の中の 「クリプトコックス」 という真菌が、免疫機能が低下している人には、深刻な感染症を引き起こすからです。 HIV患者やガン患者、手術植後の人、ステロイド薬の長期服用者などにとっては、命取りになりかねません。 主な症状は「髄膜炎(頭痛・霧視・錯乱・抑うつ・興奮など)、「肺炎(咳や呼吸器疾患)、「皮膚炎(膿胞・丘疹・しこり・潰瘍など) とされます。
  公園や寺社の鳩に餌をやったり、追いかけ回して 埃をたてたりすることは、免疫力が不十分な方を苦しめますし、自分が体力を落としていたら、感染の危険が生じます。 ただでも抵抗力が落ちている高齢者にとっては、深刻な問題です。 自宅の軒先に鳩が巣を作るのを放置することも、犯罪に近い行為といえるでしょう。 また、鳩の糞が堆積すると ダニ類も繁殖し、リケッチアや疥癬などに感染する危険も増します。 早めに洗い流してしまうことを お勧めします。

学校支援協議会が公開シンポジウムを開催
  9月3日(日)、法政大学 (東京都千代田区) で行われ、新しい学習指導要領や大学入試改革により、英語・数学の学びは どう変わっていくのかについて、活発な議論が交わされました。 私は 数学の会場に居ましたが、海外の 「GeoGebra」「Bowland Maths」 などのアプリを駆使する授業や試験に驚かされました。 日本は技術者・研究者等を目指す生徒(2割弱?) を前提に組まれたカリキュラムをこなす必要から、あるいは 効率性を追う余り、試行錯誤や “教え合い” の要素を殺ぎ落としてしまった弊害に 喘いでいます。 8割以上の生徒のための “将来の糧となる数学” を構築することが急務です。

第61回グローバル化社会の教育研究会(EGS)の開催決定
  10月6日(金)、いつもの聖学院中学・高校(東京都北区) で開かれます。 話題提供は神奈川県立弥栄高校の 坂本万里校長 (前 鶴見総合高校校長)。 坂本先生は、高校段階の帰国子女・国際理解教育にも 永年関わってこられています。
  県立弥栄高校では、来年度から 「海外帰国生徒特別募集」 に加えて 「在県外国人等特別募集」 が新たに始まりますが、その背景や趣旨、今後の展望について、帰国子女・国際理解教育の現状を踏まえながらお話を伺う絶好の機会です。 そのお話を基に、これからの帰国子女・国際理解教育、あるいは 多文化共生教育について話し合いたいと思います。
◆ 「都立高校改革推進計画・新実施計画」(2016年2月) の骨子は、都立白鴎高校・附中の国際化を図ること、都立立川国際を小・中・高一貫教育にすること、白金に第二の都立国際高校を創ること、の3つでした。 今回のEGS研究会では、東京も含めた公立高校が 今 どうなっているのか、の視点も外せません。 帰国生の大半は 公立校で学んでいるのですから。

『Rain, rain, go away!』 と スペイン
  英国では 9月後半から冷たい雨が振り始め、冬に突き進んでいく感じです。 マザーグースの 『Rain, rain, go away!』 を歌いたくなるのは、何も子ども達だけではありません。 しかし、「Rain, rain, go to Spain!」 の一節に、穏やかでないものを感じる方は多いでしょう。 15世紀に カスティリャ王国(Castile) として統一されたスペインは、大航海時代を謳歌し、「太陽の沈まない国」 と呼ばれます。 英仏両国に 畏敬と憧れの目で見られるようになりました。
  聖書に 「岩の上に家を建てる(マタイ 7-24) という言葉がありますが、「Castle in Spain(空中楼閣=空想・幻想) は真反対の意味。 元は、フランス語の 「chateaux en Espagne」 です。 かつてムーア人(イスラム教徒) が治めていたこともあって、スぺインは異国情緒や 「fairyland(妖精の国、おとぎの国) のイメージも強いのです。
  私は 「Never show your feces again!」 の一節が、とても気に入っています。 “Never” を名詞と考えると、再会を願う気持ちにもなるからです。 「Neverland」 も きっとスペインにあるのでしょう。 戯曲 『ピーター・パン』(1904年) によれば、ロンドンから空路で 2時間45分だそうですから、マドリッドの辺りでしょうか? 「never-never」(想像上・理想上) で 「never ending」(永久に続く) の世界なのです。
◆ 「chateaux en Espagne」 は “外国に城を築く” という 軽い意味だったようですが、さすがに スぺイン人には不評で、後に 「Castle in Asia」 と言い換えています。 今度は 私たちの方が、穏やかではありませんが……。

定年後の生活を 明るく楽しくするには
  岡本純子さんが 『東洋経済OL』 に 「日本の高齢者が如何に孤独で 会社にへばりつこうとするか」 を書いておられます。 社会的孤立感は幸福度を大きく下げる原因であり、その度合いが 年々加速しているために、いつまでも会社にしがみつく老人が増えていくというわけです。 「人に認められたい」 という欲求は 人間の根源的な欲求の一つでして、自分がいつの間にか “邪魔な存在” になっていることには耐えられません。 企業のトップなどを経験した後、顧問や相談役として会社に残り続けようとする人たちは、「部屋・送迎車・秘書」 の “三種の神器” を失うことが 何より怖いのだそうです。
  欧米の企業の役員たちは、定年後の生活を楽しみにしています。 さっさと辞めて 「好きな趣味に没頭したり、講演活動をしたり…… まさに、夢を実現する待ち焦がれた時間」 を満喫します。 岡本さんは 日本でも 「高齢者の承認欲求という渇望を満たすために、新たな顕彰のシステムやコミュニティづくりのアイデアも必要」 と説かれます。 社会のコミュニケーションが 質量ともに不足しているので、「声をかける。挨拶をする。感謝をする。褒める」 といった何げない言葉がけや会話から、お互いをハッピーにする契機は生まれてくる……。「KY爺婆」(空気を読めない年寄り) が若者を押しのけ のさばろうとする姿は醜いのですが、何より本人が 悲しいはずです。 職業観教育も その観点を忘れないことが、社会や経済の活力・明るさを得る基本となります。

9月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ASIA-NET セミナー--- 9月 1日(金)、於:南部労政会館 (東京都品川区)。 テーマ 『コーチングの技術をビジネス現場に活かす』=清水 穰 (クルテクニコ)。 ※ コーチングスキルは、学校現場で 生徒同士が支援し合う技術としても 注目されています。
NPO 学校支援協議会 公開シンポジウム--- 9月 3日(日)、於:法政大学 市ヶ谷キャンパス外濠校舎
(東京都千代田区)。 テーマ 『新しい学習指導要領/新しい大学入試 英・数の学びはどう変わるか―― 第一人者と共に考える』= [英語] 「CEFR と英語4技能を考える」、[数学] 「算数・数学は内容知から応用知へ」。 
TJF「学校のソトでうでだめし」ワークショップ--- 9月9日(土)・10日(日)・30日(土)、10月1日(日)の4日間、於:TJF国際文化フォーラム (東京都文京区) ほか。 テーマ 『ことばの世界を服で表現してみたら?』= 川口 知美 (舞台衣装家)。 ※ 様々な学校の高校生が集まり、言葉やモノを使った表現に取り組み、自分の新しい一面を知ったり 互いの制作物や言動から刺激を受けたりする絶好の機会です。
Computex-JP 定期ミーティング--- 9月 5日(火)、於:ASIA-NET 初台会議室 (東京都渋谷区)。 テーマ 『台湾人経営者と台湾企業の企業文化』= 吉村 章 (ASIA-NET代表)。 ※ 台湾ITベンダーの特長、日本のモノ作りとの比較、水平分業体制、人材の活用術、日本企業が注意すべきポイントなど 実践報告を基に話し合います。教育関係者にも有益です。
第75回 朝鮮語教育学会 例会--- 9月17日(日)、於:早稲田大学 文学学術院(東京都新宿区)。 [分科会] 情報処理分科会、第二言語習得論分科会、類似表現分科会。[研究発表]「夢と目標を韓国語で語ろう」=中川正臣(目白大学客員研究員)ほか。 ※ 朝鮮語教育の発展に資する研究のために設立された学会です。
ジェンダーとカルチャーを超えた創造的コミュニケーション 静岡大会--- 9月29日(金)、於:静岡教育会館 (静岡市葵区)。 テーマ 『社会をより良くするための学び“Educating for Social Good”』。 ※ 体験学習セッション/ワークショップもあり、建設的なコミュニケーションの環境が提供されます。
Asia-Net セミナー--- 9月28日(木)、於:南部労政会館(東京都品川区)。 テーマ 『シルクロードの魅力--- 中央アジアに進出する日系企業』=岡田 光太郎 (富士通(株)グローバルビジネス統括部)。 ※ 中央アジアには どんなビジネスチャンスがあるのか、日本企業が知っておくべき基本は何か……。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 「virgin(処女) を “最初の” の意味で使うのは、現在では忌避されるのでしょうね。 しかし、アメリカの白人至上主義者やWASP信奉者は、ロアノーク島に 格別の思い入れがあるようです。 16世紀に ここで生まれた “最初の白人の子” は 「Virginia Dare」 と呼ばれます。

◆ 「ウン知った鳩の巣」は幼い頃に、親から散々言われた諺です。 人の話をろくに聞かず 分かったつもりでやった仕事は、不格好で 好い加減なものになる……と。 「フン知った鳩の糞」というのは 戯れ言葉ですが、 “蛸の糞”(自惚れを馬鹿にされている) との混同の妙ですね。

◆ 『月刊 海外子女教育』 9月号の特集は 「海外の学校で体験したビックリ」 です。 7ヶ国の補習授業校11校の子ども達が、現地校で驚いたことをレポートしてくれていますが、羨ましいと思う側面もたくさんあります。

◆ 『月刊グローバル経営』ではASEAN50年の特集。 かつては、東南アジアに赴任した日本人が 「1967年に…」 という話題にポカーンとしていると、現地の人達から 「馬鹿か?」 と呆れられていました。 今や経済同盟の性格を強めてきたASEANに、心して臨みたいものです。

◆ 世界各地を 大型の台風やハリケーンが襲っています。 被災地の皆様には心よりお見舞い申し上げます。 大型化の原因は、海水面の温度上昇だと解っているのに、対策を講じようとしない大国のエゴは 許せません。

◆ 大型ハリケーンの迫るアメリカで、日本が核武装することを 容認する論調が目立ちます。 日韓両国に核武装させ 米国から自立させる案は “トランプ候補の公約” の一つでした。 わが国でも、核弾頭の原料確保のための原発再稼働と、核武装の国内世論を掻き立てる政策が、露骨になってきています。

◆ 映画『The Man Who Saved the World(2014年 デンマーク) スタニスラフ・ペトロフ (元ロシア空軍将校) が 5月19日に亡くなっていたそうです。 享年77歳。 1983年9月26日の危機を救った英雄の冥福を祈ります。

◆ 広島カープが 昨年に続きリーグ優勝しました! 地域全体で若手を育てる伝統には、全国の皆さんが注目してくださるようになりました。 カープ女子も意気軒高! 応援してくださった皆さんも 選手を育てたのです。

==================================================================================================
2017年 8月以前のニュースは こちら。 

小山和智の執筆記事・コラム等の一覧

※ ニュースのオリジナル版は、日本人学校・補習授業校にも お送りしています。
  万が一、届いていない場合には、こちらまで ご一報ください。

このぺージのトップ
海外支援センターに戻る
H O M E