平成20年7月1日

NTT都市開発株式会社
 代表取締役社長 三ツ村 正規 殿
 写)貴社住宅事業部
  常務取締役   殿
  マネージャー   殿

目白駅周辺の環境を守る会
  代表  沓掛 邦雄

(仮称)目白駅前計画に対する要望書

 我々が暮らす地域は、昭和40年代以降地元住民の声を反映した街づくりが進められてきた場所です。特に目白駅周辺は緑豊かな歴史的な学園街であり、近年実施された「目白駅前地区計画」は、学園を意識した見事な成功例であります。学園街に相応しい景観そして近隣住民への公益性を十分配慮した建設計画については歓迎するものです。
 しかしながら、僅か500坪に満たず、文教地区かつ住宅地に隣接するなど特性や制約の多い場所に於いて、(仮称)目白駅前計画(以下、貴社計画と記す)はあまりにも無理が多いものです。周辺の地域特性、地域の需要能力をはるかに越えた貴社計画は、設計思想そのものに問題があると考えます。貴社計画は、景観や交通、そして被災時の二次災害といった種々の問題を、将来に渡って継続して近隣に与え続けるものです。世界規模での混沌とした時代となることが予想されておりますが、その時代を担う将来の世代に対して、貴社計画は好ましくない影響を与えるものであり、これらを残すことは先人として許されるものではないと考えるものです。
 貴社計画の抜本的見直しを要望するものです。

[貴社計画について]
下記1)から4)について、文書にて順次回答すること。そこには、次の観点を必ず含めること。
 貴社がCSRとして謳っている、“「人」「街」「自然」が調和する街づくりを通じてより暮らしやすい持続可能な社会の実現に貢献します”に、貴社計画が適合している根拠。
  
貴社計画が、将来に残すに値することの根拠。

1)景観上の問題
隣接する南側地域には地区計画が設定されており、貴社計画もこれに準ずるのが妥当と考える。同地区計画では31mという高さ制限が設定されている為、約100mとの建物を建設することは、学習院等を含めた周辺地域の景観と適合性が取れているとは判断されない。
この点に関する貴社の見解を提示すること。

2)交通上の問題
貴社計画地に接する四面道路は、近隣住民の生活道路であり、同時に川村学園や目白小学校その他学校への通学路でもある。また、目白通りに抜ける車が多く通る道でもある。しかし、その道幅は狭く、また一方通行や行き止まりでもあることも加わり、現在でも夕刻には渋滞が発生し、交通事故の危険性が高いものである。更に来年の東京教育専門学校の開校により、学生のみでも300人程度の通行が増える。この状況において、大容量のビルを同地に建設することは、交通渋滞の慢性化による交通事故の危険性を飛躍的に高め、また排気ガスや騒音といった公害問題を新たに発生させることになると考えられる。
貴社から提示された交通量調査は、その条件設定に不備(例:調査対象の時間が日中であり、通勤通学者が含まれない)がある為、適切な条件設定に基づく再調査とその結果に基づく同調査の妥当性評価を提示すること。

3)被災時に近隣へ与える二次災害
地震など災害が発生した場合、無理な計画に基づく同建物が近隣住民に新たに与える危険(二次災害)およびその対策案を、説明すること。特に風害について貴社から提示されたシミュレーション結果は、その条件設定に不備(例:平均風速のみで台風と言った強風時は対象外、隣接する目白幼稚園の影響が考慮されていない)がある為、適切な条件設定に基づくシミュレーション再実施とその結果に基づく同計画の妥当性評価を提示すること。

4)総合設計制度適用の妥当性
総合設計制度が適用される前提は、近隣地域への公共利益を提供することである。貴社計画が提供する公共利益の内容、効果を具体的に提示すること。

[協議会に関して]
5)当件に責任のある貴社上位マネージメントが必ず出席すること。

6)双方の諸連絡は代理人を通すことなく、貴社と当方間にて直接行うこと。

7)協議会は、「代理人を除いた貴社側」と当方による直接協議とすること。 

以上

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