2.車内での携帯電話

 前々から何度か書いた事があると思うが、私は「電源OFFの車両を設置すべき」という意見で ある。実際これはあまりうまくいかなかったらしいが…。で、関東の鉄道会社の取り決めで、 、この9月15日から「優先席付近では電源をお切り頂き、それ以外の場所では マナーモード等に設定の上通話はご遠慮下さい」というものになった。
 私はこれがうまくいくとは思わない。なぜなら、携帯に関するマナーを守ってきた私でも、 つい電源を切るのを忘れてしまうからだ。以前までの私の慣例は、ラッシュ時の電車に乗る前は ホームで電源を切っておくというもので、自分で言うのもなんだが結構律儀であった。 しかしながら、「あ、ここは優先席付近だから電源を切らないと」という考えは、よほど 余裕がある時でないと頭に浮かばない。乗ってから気づくまでの間、電源はONのままであった 事になり、もしすぐそばに医療機器使用者がいたらと思うと怖くなる。
 携帯電話の電源を切って乗車してもらう車両を設置した方が、はっきり言ってわかりやすい ように思う。優先席の位置を完全に把握しきっている人なんて少ないだろうし、ホームに 案内があるわけでもない(JRではあるが)。別に医療機器使用者が多くいるわけでもないのだから、 10両編成であれば3〜4両もあれば十分ではなかろうか。それで、ホーム上の乗車位置目標に 「この車両では携帯電話の電源をお切り下さい」という案内を、やや過剰気味に設置して 欲しいものである。さらに、車内の吊革等でも同様の事をすれば、全員が切るとは言い難いものの、 医療機器使用者が安心して乗車できるレベルには到達できるような気がする。切りたくなかったら 他の車両に乗ればいいのだから。
 そもそも携帯電話の使用が制限されるのも、「周囲の乗客に迷惑」「医療機器への影響」が 主な原因である。一方で使いたい人もいる。電車の中でまで…と私は思うが、それはさておき、 車内で通話する人を「マナーがなってない」と批判するだけでなく、両者の両立を図るような 方針は立たないものだろうか。すなわち「この車両では携帯電話を自由にお使い下さい」という のもありだと思う。携帯電話を使ってる人がうざいと感じるならば、携帯電話禁止の車両を利用 すればよい(こうした場合の携帯OFF車両比率はまた考え直す必要があるが)。
 課題としては、これによる混雑率の変化をどうみるか、あと施行当初は、守らない乗客を ある程度罰する事も必要になるかと思う。これをどうやってやるか…という事だろうか。
 やや強引な展開にしてしまったが、いずれにせよ、車内での携帯電話の使用に関しては 未だに模索中といった感が強い。今の所、携帯電話が消滅する可能性はほぼゼロだし、 車内で通話する乗客が後を絶たないのも現実である。試行でもいいから、思い切った事を しない限り、この問題は解決には向かわないのではないだろうか。
 本当なら実験させてもらいたい位だが、私のような小者にはそれは不可能なので、 机上の空論に留めておく事になる。もうちょっと具体的な考えを進めようかな…とも思う。