ダンボールプレイ

当然「レーダーOFF」はオレらの標準装備ではある。 だがそれでも皆が皆、自分以外のプレイヤーの位置を常時把握しているのが問題なんだ。 でも、それのどこが問題なのかわかるだろうか?
それはもちろん、「奇襲」やら「急襲」やら「待ち伏せ」やらといった戦法が全て成立しなくなるということだ! どこに隠れていようが、たとえ壁の方を向いていようが、その模様から相手の位置がわかってしまう……。 それは確かに戦力にはなるのだが、その能力を全員が完全装備しているのが良くない。 隠れたり後ろから近付いたりといった戦術全ての行なう意味が無くなるわけで、結局対戦は真正面からの殴り合いの連続。 しかも双方が弱ったところを横から狙い撃つハイエナ戦法が一番有効になったりして、とにかくつまらないんだ。

だからオレたちは、この「ダンボールプレイ」を考案した。
それはテレビの中央を分断するように巨大なダンボールを固定し、2人ずつが左右に分かれて対戦するというプレイ方法だ!
これだと逆側の画面が見えないので、敵がどこにいるかが判らない。スリルあふれる対戦が楽しめるというわけ。
もっともこの方法だと当然「2対2」の対戦しか成り立たなくなるわけだが、このプレイ方法を編み出す頃にはオレたちはとっくに通常のバトルロイヤルに飽きていた。 だから、それからずっと2対2でも別に問題なかったってこと。というかあれ以来、ダンボールを使わない対戦ってやったことないかも(笑)。