アングル対エクス対ベンジャー
byブックa様


コーチ「さぁ、いよいよSLWEの記念すべき第一戦が始まります! 実況はコーチ、解説は僕の親友のアル・スノーでお送りします。」
アル「誰が誰の親友だって?」
コーチ「またまた」
コーチ「3WAYマッチの対戦者が入場して来ました。 まずはアングルの登場です!」
アル「こいつのテクニックはLWEに上がっても十分通用するモノがある。俺のイチオシ はこのアングルだ」
コーチ「続いて入場はベンジャー。自信満々といった表情ですね」
アル「三人の中では一番スピードがある。一気に勝負を決めに来るかもしれないな」
コーチ「そして最後はエクス!アルには悪いけど僕は彼が勝つと思いますね。見てくださ い、あの歪んだオーラを!」
アル「オーラが目に見えるわけが無いだろ……やっぱりお前とは合わないな」
コーチ「ハーハッハッハッ!!心にも無い事を言って。 さぁ、いよいよ試合が始まりますよ!」
カン、カン、カーン!
コーチ「ゴングが鳴りました」
アル「まずは三者が牽制し合ってる。特にアングルとエクスは激しく言い争ってるな」
コーチ「おっと、そのエクスの背中を、ベンジャーが卑怯にも強襲!」
コーチ「コーナーに追い込んでストンピングの嵐です」
アル「アングルも加わってるぞ。まずは危険なエクスを潰す為に共闘か?」
コーチ「ベンジャーとアングルが力を合わせてエクスを対角線上のコーナーへ……おっ と!」
アル「切り返したぞ、二人を引き寄せて……」
コーチ「ダブルクローズライン!力の差を見せつけるような一撃です!」
コーチ「おや?起き上がった二人が何やら……」
アル「今の切り返しの非を擦り付け合ってるんだ」
コーチ「あぁっ!アングルがベンジャーを殴り倒しました!そのままリング下へ転落しま した」
アル「共闘は終了か。短い友情だったな」
コーチ「アングルがリング下のベンジャーに向かって何か言っています」
アル「何を言おうと勝手だが、後ろにエクスが迫ってるぞ」
コーチ「背中がエクスに接触!アングルが恐る恐る振り返ります」
アル「アングルは焼かれるのを悟ったターキーみたいな顔だな」
コーチ「エクスが怪力にものを言わせてアングルの首を両手で掴みSEE IN  HELL!」
アル「出来るだけもがいて早く脱出しないと、首を境に血流が止まってしまうぞ」
コーチ「SEE IN HELLは続いています。レフリーがベンジャーにリングに上が るように声を掛け……なんとアングルが股間を蹴り上げた!反則負けだよ、レフリー!」
アル「レフリーは見ていないから反則にはならない。アングルの頭脳的なプレイだ」
コーチ「前屈みになっているエクスをテイクダウンでうつぶせに。そして右足を持ち上げ ……」
コーチ「アングルロック!」
アル「右の足首を捻って完璧に極めている。今度は一転してエクスのピンチだ」
コーチ「ここでエクスの背中を踏み付けつつ、リングに戻ったベンジャーがアングルの胸 にリベンジャー!」
アル「二人まとめてダメージを負わせたな。しかし、いつの間にリングに上がったん だ?」
コーチ「ベンジャーがアングルをフォール!」
1………2………
コーチ「しかし、エクスがベンジャーの足を引っ張りカットしました!」
アル「これだからトリプルスレッドは勝つのが難しい」
コーチ「ベンジャーが妨害したエクスをコーナーへ振ります。エクスは背中からコーナー へ激突!」
アル「レフリーは、まだダウンしているアングルの様子を見ているな」
パァンッ! 観客:WOOOO!
コーチ「ベンジャーが鋭いチョップを!」
アル「まだ攻撃の手を休めない。反対側のコーナーへ助走距離を取ったぞ。そこから猛 ダッシュして……」
コーチ「ボディスプラッシュ!エクスがふらつきます、なんて事だ!」
アル「ベンジャーが丸め込んだぞ」
1………2………
コーチ「しかしエクス、これをカウント2・8で返す!」
アル「ベンジャーの後ろではアングルがやっとの事で起き上がったぞ」
コーチ「それに気が付いたベンジャーがアングルに鋭いパンチを。一発、二発、三ぱ…… おっと、アングルが三発目をブロック!」
アル「お返しとばかりに一発をお見舞いだ。しかしベンジャーもやり返……それをかわし たアングルが、ベンジャーの後ろに回って腰を捕らえたぞ!この体勢は……」
コーチ「ジャーマンスープレックス!」
アル「アングルが雄叫びと共に肩紐を下ろしたぞ!」
コーチ「何とか体を起こしたベンジャーの懐へ潜り込み……」
アル「おい、エクスが復活して……」 コーチ「ベンジャーにアングルスラム!これで決着か……エクスが!」
アル「振り向いたアングルの喉を掴み……エクスラムが決まった!」
コーチ「これで決着か……いや、なんとエクスがコーナーへ上ります!」
アル「危険な賭けだが……標的はどちらだろうな?俺だったら距離の近いベンジャーを狙 うが」
コーチ「どうやらその様ですよ。コーナー上でベンジャーを指差し……」
コーチ「HELLスプラッシュ決行!しかも命中です、ベンジャーは大ダメージ!!」
アル「エクスもどこかを痛めたようだぞ」
コーチ「エクスがベンジャーに這い寄ります……っと、アングルがエクスの足を自分の方 に引っ張りフォールを妨害!」
アル「しかも倒れながら足首を絞ったぞ、今日二度目のアングルロックだ!」
コーチ「ベンジャーのカットは期待出来ません。エクスが必死にロープへ!届くか、届く か……届いた!ブレイクです!」
アル「どうやらアングルも力尽きたらしいな、三人全員が倒れている。レフリーがカウン トを始めたぞ」
1………2………3………4………5………6………7…………
コーチ「エクスが力を振り絞って立ち上がりました!やっぱり勝つのは彼でしたね、ア ル」
アル「しかし、カバーに行かないでアングルを引き起こしたぞ」
コーチ「彼は完全な勝利を収めたいんですよ。ほら、コーナーに振ってクローズラインで フィニッシュを……Oh my!!」
アル「アングルが電光石火のアングルスラムでカウンターだ!エクスを背中に敷いて、そ のままフォールに!!」
1………2………
コーチ「エクス、返して!」
………3!! カン、カン、カーン!
コーチ「無情のカウント3が入りました!エクスが九割方手にしていた勝利が、アングル スラムによって叩き潰されてしまうなんて……」
アル「俺の予想が当たった訳だが、三者共に技の出し惜しみの無いダイナミックな試合 だったな。観客も熱狂してたぞ」
コーチ「僕にとっては残念な結果でしたが、どちらかとの一騎打ちであればエクスは楽勝 だったでしょうね。今現在のSLWEは彼を中心に回ってるんですから!」
アル「もう俺は何も言わんよ。お前の戯言にはウンザリだ……」
コーチ「心にも無い事を言わないでくださいよ。おっと、そろそろ時間ですね。 それではまた。実況はコーチ、解説はアル・スノーでお送りしました。次の試合をお楽し みに!」