2017年2月

第3155号 2017年2月15日号


「豊島、新時代へ」積極予算
 新規・拡充227事業、81億円
 持続可能都市へ目玉プロジェクト


 「豊島、新時代へ」を掲げて国際アートカルチャー都市、女性にやさしいまちづくりを進める豊島区の平成29年度予算などが審議される区議会を前に2月8日、高野区長から予算案の記者発表が行われた。

 29年度の一般会計当初予算規模は1167億1百万円で、前年度に比べ51億7百万円減の大きなマイナス予算となった。マイナス予算となったのは5年ぶり。マイナスは学校改築の完了に伴う投資的経費の減が要因で、高野区長は「今年も積極的な攻めの予算である」としている。

 特別会計(国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計、介護保険事業会計)648億8百万円を含めた総財政規模は1815億9百万円、前年度に比べ30億78百万円の減、4.7%マイナスで、特別会計だけ見ると、3会計とも過去最大を更新した。4年連続で財政調整基金を取り崩しなど特別な財政対策なしの「堅実的な予算」ができている。

 予算の特徴は、「持続発展都市に向け布石となる予算」、「財政健全化をさらに進め安定した財政運営を確立した予算」、「公民連携を進め新たな公共へと発展する予算」の3点で、とくに29年度新規拡充事業227事業約80億9千万円のうち23区で唯一名指しされた「消滅可能性都市」から「持続発展都市」への関連事業が117事業、55億2千万円で、持続発展都市対策の4本柱と位置付けている「女性にやさしいまちづくり」「高齢化への対応」「様々な地域との共生」「日本の推進力(国際アートカルチャー都市関連)」を推進する積極予算となっている。「公民連携の強化」として担当課長が設置されることになる。

 一般会計の内訳は人件費227億91百万円(対前年度比3億11百万円増、1.4%増)、事業費800億47百万円(対前年度比56億88百万円増、7.6%増)、投資的経費138億63百万円(対前年度比111億6百万円減、44.5%減)となっている。

 目的別ではこれまで同様、福祉費の構成比が最も大きく、4割を超えている。また予算額でも福祉費(507憶30万円、対前年度比8.5%増)が前年度比で大きく伸ばしており、教育費(91億69万円、同48.1%減)が大きく減少している。

 区は今回の予算編成にあたって次のように方針をしめしている。

 「日本経済は、雇用・所得環境の改善傾向が続いて見られるものの、海外経済は中国経済の減速やイギリスのEU離脱問題、アメリカの新政権の動向などにより、一段と不確実性が増しており、決して楽観できるような状況ではありません。

 また、区税収入は堅調に推移しているものの、円高基調であることから法人決算の低迷が予想されており、特別区財政調整交付金の原資となる29年度法人住民税収は、28年度予算比でも5.7%のマイナスが想定されるなど、歳入環境は決して予断を許さない状況にあります。

 こうした中、29年度予算は「子育て」「福祉」「防災」など、区民生活の基盤をなす分野に大きく重点を置き、安心して住み続けられるまちの創造に向けた施策の充実に、最優先に取り組む予算となりました。

 このように、区民生活を支える様々な施策の充実を図りつつ、老朽化した公共施設の改築・改修需要への対応や、旧庁舎跡地エリアに誕生する『国際アートカルチャー都市』のシンボルとなる文化にぎわい拠点の整備など、豊島区の将来に向けた投資を拡大していくためには、安定的で持続的な財政基盤の構築が不可欠です。そのため、29年度予算の編成作業にあたっても、財政調整基金の取り崩しを行わないことを予算編成の大きな目標に掲げました。その目標を達成するため、行政評価の結果を踏まえながら事業の総点検を継続し、経費の圧縮を図ったことや、起債と特定目的基金を計画的かつ有効に活用したことなどにより、29年度予算においても、4年連続で財政調整基金の取り崩しをせずに予算編成することができ、堅実予算となりました。

 今後も、将来の備えとして、可能な限り各種基金の積み増しを行うとともに、「未来戦略プラン2017」を実効あるものとするため、総点検の実施、人件費の抑制、民間活力の活用など、構造改革に引き続き取り組み、安定的で持続可能な行財政運営の確立を目指してまいります」

 ▼目玉プロジェクトは次の通り。

 ・公園トイレなど改修事業=新規=7000万円。「公衆便所」から「パブリックトイレ」に――。区内133か所の公園トイレ、公衆トイレを平成29~31年度の3年間で全面改修する。コンビニとの協力や、企業との協力も計画されている。学校トイレ緊急改善推進事業として1200万円。

 ・待機児童対策。平成29年度末までに待機児童ゼロを達成することを最重点課題と位置付け、新規拡充分として過去最大の約32億円を計上。平成29年度は認可保育園新設13園、定員約780人の整備を予定している。

 ・混合介護の弾力化に係わる実証実験事業=新規=620万円。現行制度では認められていない介護給付サービスと保険外サービスを同時・一体的に提供する「混合介護」の弾力化に向け、全国に先駆けて取り組む。

 ・東アジア文化都市推進事業=新規=1500万円。日中韓3か国において、文化芸術による発展を目指す都市を毎年各国1都市選定し、現代の芸術文化から伝統文化、また多彩な生活文化に関連する様々な文化芸術イベントを展開する国家プロジェクトである「東アジア文化都市」の2019年開催都市に立候補する。

 ・南長崎マンガランド事業=4053万円、マンガ・アニメ等を活用した観光事業425万円。クールジャパンのキラーコンテンツであるマンガ・アニメを「マンガ・アニメの聖地」から世界に発信。まんがのげんてん「トキワ荘」の復元から広がる街づくり、池袋を世界一の「アニメの聖地」に。

 ・都市空間の劇場化「4つの公園整備構想」。池袋西口公園整備5000万円、伝統芸能@南公園事業1000万円、公園の整備事業・池袋副都心交通戦略推進事業で池袋西口公園、中池袋公園、南池袋公園、造幣局跡地公園(新公園)をつなぎ、街全体を劇場化。


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