2017年3月

第3158号 2017年03月08日号


高野区長、所信表明


 高齢化への対応 地方との共生

 次に、持続発展都市実現に向けた施策の第三の柱「高齢化への対応」と、第四の柱「地方との共生」への取り組みについて申し上げます。

 まず、高齢化への対応の一つ、「選択的介護モデル事業」の実施について申し上げます。

 本年2月10日、国家戦略特区東京圏域会議において、豊島区は、東京都と連携し、多様な介護ニーズへの対応や介護職員の処遇改善、介護離職者対策につながる「選択的介護モデル事業」に着手することを表明し、同会議においてこれが決定されました。私もその会議に小池都知事と出席をし、本区としての意見を述べたところです。

 事業名称につきましては、従来「混合介護」と言われておりましたが、より内容にふさわしい名称として「選択的介護」となりました。超高齢社会の到来に伴い、介護が必要な区民は、ここ10年で1.4倍となり、今後も介護サービスの需要はますます増加していくものと考えられます。同時に、介護サービス費用を支える介護保険料は右肩上がりで上昇しています。

 一方、介護職員の賃金は他の産業に比べ低い実態があり、都市部でも人材が確保できず、事業所が休・廃止に追い込まれる事例が多くなっております。

 「持続可能な地域福祉の仕組みづくり」に取り組む本区としては、介護サービスが安定的に提供されず、介護をしながら仕事をしているご家族が、離職せざるを得ない事態が起きることを、絶対に避けなければなりません。

 そのため、これまでの仕組みから一歩踏み出し、国家戦略特区を活用した「選択的介護」モデル事業を開始することを決意いたしました。この「モデル事業」が開始されれば全国初の取り組みとなり、これまでできなかった新しい介護サービスの仕組みづくりにチャレンジしてまいります。すでに多くの区民の皆様や介護事業者からも高い関心が寄せられております。

 平成29年度は、有識者をはじめ様々な方のご意見を伺いつつ、新しいサービスを提供する仕組みを検討し、特区認定が得られ次第、介護保険事業計画が新たな開始時期となる平成30年度からモデル事業を順次実施し、効果及び問題点を検証してまいります。

 次に、「地方との共生」について申し上げます。

 平成26年の消滅可能性都市の指摘以来、秩父市と日本版CCRC構想、すなわち本区と秩父市と協働による「生涯活躍のまちづくり構想」の検討を進めております。

 27年度には移住に関する区民アンケートの実施、区域外特養整備のあり方検討などを行い、28年度には秩父市と協働で「地方居住を考える住民ワークショップ」を実施いたしました。

 秩父市でも、28年度に移住受入れ等に関する市民アンケートの実施、「秩父市生涯活躍のまちづくり構想案」の策定を行うなど、連携が進んでおります。

 このような流れを受け、29年度は秩父市と協働で「お試し居住」を募集するなど、地方との共生事業を進めてまいりたいと考えております。

 また、長野県箕輪町との交流事業では、箕輪町が県の「地方創生推進交付金」を活用した本区との交流事業を両都市の産業界を巻き込んで様々展開する予定であります。

 こうした秩父市や箕輪町をはじめとする地方との交流は、豊島区も地方の一部であることを考えるならば、全国の都市と共に発展し、お互い「共存共栄」することが重要で、それが本区の持続発展都市実現にもつながるものであると考えます。

 以上述べてまいりましたとおり、29年度は、2020年の東京オリンピックパラリンピックの開催も視野に入れつつ、これからの豊島区の将来像である国際アート・カルチャー都市づくりのために、総力を挙げて諸事業を完遂させねばならない年であります。

 そして一方、区民の福祉の増進についても、区民が必要とする多様なサービスを 有機的・横断的・総合的に提供できる仕組みをつくることなどにも積極的かつ果敢に取り組んでまいります。

 こうした福祉施策と持続発展都市づくりの諸施策とが互いに影響し合って、誰もが暮らしやすく、住み続けたくなる街の実現ができるものと確信しております。


»» BACK

«« Go to TOP


トップページ バックナンバー 豊島区の選挙 紙面で見る
区民の歴史
リンク集 豊島新聞について

豊島新聞綱領

本社事務所
〒170-0013
豊島区東池袋
1-21-11
オークビル5F

豊島新聞は
毎週水曜日
発行です

民の情報紙

株式会社
豊島新聞社

豊島新聞
TEL
3971-0423
FAX
3986-4244
情報・投稿
購読申込み
購読料
3ヶ月2,700円