2018年4月

第3207号 2018年4月11日号


鈴木信太郎記念館オープン
 区有形文化財の旧宅公開


 豊島区指定有形文化財である旧鈴木家住宅が3月28日、整備・改修を終え「鈴木信太郎記念館」(東池袋5-52-3)として開館した。5月以降、開館記念イベントとして、講演会や見学会が開催される。

 鈴木信太郎氏(1895年-1970年)は、日本のフランス文学研究の黎明期に活躍したフランス文学者だ。東京大学にて1921年より20年以上にわたってフランス文学を講じ、日本におけるフランス文学・語学の研究体制を確立させるとともに、門下から多くの研究者を輩出。特に、フランス近代の象徴派詩人ステファヌ・マラルメや、フランソワ・ヴィヨンを中心とした中世文学の研究において功績を残した。

 旧鈴木家住宅は、鈴木家が3代にわたり住み継いできた旧宅で、1928年建築の鉄筋コンクリート造の「書斎棟」、1946年建築の「茶の間・ホール棟」、明治20年代の建築で、1948年に鈴木本家(現 埼玉県春日部市)より移築した書院造の「座敷棟」という、建築年代・構造の異なる3棟より構成されている。2010年に鈴木信太郎氏の次男でフランス文学者の鈴木道彦氏より豊島区へ寄贈され、2012年に区の有形文化財に指定された。

 鈴木信太郎記念館では、こうした歴史的建造物である旧宅を公開するとともに、建築図面などの建築資料を展示。また、フランス文学に関する著作と蒐集資料を5つのコーナーに分けて紹介している。鈴木信太郎氏が蒐集した稀覯(きこう)本のほか、交流のあった谷崎潤一郎や大佛次郎らからの謹呈本など、希少な書物を多く展示。書斎棟では、鈴木信太郎氏が自らデザインしたステンドグラス(5枚)も見ることができる。

 前日27日に開催されたオープニングセレモニーでは、高野之夫豊島区長、木下広豊島区議会議長、鈴木道彦氏ほか約30名が出席し、テープカット。鈴木道彦氏は、「いよいよ開館ということで大変感慨深いです。1945年の城北大空襲から本を守った書斎棟が特に見どころだと思います」と語った。

【開館記念イベント】

 ▽講演会「鈴木信太郎先生とフランス文学」
日時:5月6日(日) 午後2時から午後3時半 場所:南大塚地域文化創造館
講師:東京大学名誉教授 菅野昭正氏 定員:60名 申し込み締切日:4月17日必着

 ▽見学会「旧鈴木家住宅建物解説・見学会」
日時:5月19日(土) 午後2時から午後3時 場所:鈴木信太郎記念館
講師:協同組合伝統技法研究会 大平秀和氏 定員:15名 申し込み締切日:5月1日必着

 ▽講演会「マラルメの『大鴉』」
日時:6月2日(土) 午後2時から3時半 場所:南大塚地域文化創造館
講師:放送大学名誉教授 柏倉康夫氏 定員:60名 申し込み締切日:5月15日必着

※いずれも往復はがきにて、「〒170-0013 東池袋5-52-3 鈴木信太郎記念館」へ。
※はがき1枚につき、1名1事業のみ。


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