2019年7月

第3262号 2019年7月17日号


子ども、若者の居場所
 みらい館大明のブックカフェ


 小学校跡地を活用した生涯学習施設「みらい館大明」の「ブックカフェ」は、誰でもふらりと立ち寄って、思い思いに過ごせる「場」を提供している。

 ブックカフェは区とNPO法人いけぶくろ大明が協働する豊島区若者支援事業として、2013年に開設。行政がアプローチしづらい高校生から30代前後の若者を対象として、引きこもりや中退などの予防対策を目的に運営している。

 生涯学習の視点から若者を支援していることが特徴で、福祉事業であれば、相談やカウンセリング等に誘うことが多いが、ブックカフェでは、何かをする必要はない。常駐するコーディネーターが初めて来た方にすぐ声をかけることはほとんどなく、数回来て世間話をする中で、利用者がやりたいことや悩みを話してくれるという。

 関わりの中から、利用者のやりたいことを形にするサポートを行うのが、コーディネーターの役割。若者スタートアップ企画は、コーディネーターと共に、若者が気軽にトライできる事業。これまで、美術大学生の発案でのデッサン講座や、マイノリティを考える映画上映会、メイドカフェ職業体験など、ユニークなイベントを開催してきた。

 生涯学習施設として多様なテーマに取り組み、地域とのつながりもあるこの施設で、若者が安心して試行錯誤し、失敗と成功を繰り返すことで、自分に自信を持ち、次の一歩へとつなげるプロセスを身につけることができるという。

 引きこもりがちの大学生が、子ども向け学習ボランティアで自信をつけたり、地域のお祭りでボランティアをする等、利用者は活動の場を広げている。

 利用のきっかけ作りとして、お茶を飲みながら相談事を気軽に話す「雑談のできる法律相談所」や、様々な職業の方から日頃は聞けない話を聞く「ライフスタイルカフェ」なども不定期に開催している。

・開館日時は平日(金曜を除く) 16時~20時、土日祝日 13時~18時 入場無料。曜日別にコーディネーターが常駐。


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