2020年5月

第3295号 2020年5月13日号


的確かつスピード感をもって


 5月4日の緊急事態措置の延長を踏まえ、5月5日には小池都知事からも、「新型コロナウイルス感染の拡大を抑え込み、都民の命を守る」、「都民の生活や東京の経済活動をしっかり支える」、「課題への大胆な挑戦により、社会の変革を促し、東京の未来につなげる」の3つの柱からなる、当面の対応方針が示されました。

 区民の皆さんの暮らしや、子どもたちの教育、そして地域経済に与える影響は、計り知れないものがあり、大変残念ではありますが、収束が見えない感染状況や、ひっ迫する医療現場をみれば、やむを得ないものと考えています。

 収束が見えない現時点において、区としての明確な出口戦略を描くことは難しい状況ですが、令和2年度に展開しようとしていた政策や計画、予算の執行等について、時には、今進めている事業も延期・休止を英断せざるを得なくなることがあるかもしれません。

 今回のコロナショックは東京の経済に計り知れない打撃を与え、区財政についてもリーマンショックを超える影響が待ち受けていると考えなければなりません。

 まさに、これから本格的に執行しようとする令和2年度予算ではありますが、改めて様々な影響を検証し、第2回定例会において、今年度の区財政の運営方針についてお示ししたいと考えています。 また、「特別定額給付金」を契機に、新型コロナウイルス対策に充てるための寄付金の受付を開始するとともに、受け皿としての基金の創設を、第2回定例会に向けて検討してまいります。

 もう一つ心配なことは、地域のコミュニティについてです。

 東日本大震災を契機に、人と人との「絆」の大切さが再認識されることとなりました。未曾有の危機において、協力し合い、助け合う基盤となるのが地域のコミュニティであります。

 今回の不要不急の外出自粛、地域の祭りや文化イベント等の中止、区施設の休館等により、心のつながりまで失いかねない状況です。

 豊島区が目指す「国際アート・カルチャー都市」は、文化の力で人と街を元気にし、子どもから高齢者まで、誰もが主役となって地域コミュニティを支え合うようなまちづくりを目指しています。

 2020東京大会が延期となり、グランドオープンを迎える「ハレザ池袋」は休業状態であり、「イケバス」も運休しています。さらに、「トキワ荘マンガミュージアム」や「イケ・サンパーク」のオープンなども、お待ちいただいているところです。

 今後、この難局を乗り越え、収束の道筋が見えてきた際には、これら文化のまちづくりを再開するとともに、町会や商店街などを中心とした地域や住民相互の交流、そして地域の「絆」をいち早く回復させることが重要であると考えております。

 区民の皆さんが一日も早く、平穏な日常を取り戻せるよう、さらには、その先にある豊かな豊島区の未来のため、全力を尽くしてまいりますので、議員各位におかれましても、ご協力をお願いいたします。

 結びになりますが、感染症のリスクを抱えながら最前線で働く医療従事者の皆様、社会インフラを支えてくださる方々、国や都の要請にこたえ、休業や営業時間の短縮などに協力してくださっている事業者の皆様に、改めて心から感謝を申し上げます。

 「逆境を転じて、その逆境さえ、前進の第一歩に加えていく。」これは、戦前から戦後にかけて活躍した日本を代表する小説家 吉川英治の言葉であります。

 緊急事態宣言が延長されたいま、まさに険しい、逆境と言うべき事態となっております。 私は皆さんの不安に思いをはせ、「新型コロナウイルスと戦っていく」という不退転の決意をお伝えするため、「コロナに負けるな」と題しました、私からのメッセージを掲載した「広報としま号外」を5月7日に発行し、全戸配布いたしました。

 直面する逆境と向き合い、なすべきことを的確かつスピード感をもって実現するとともに、しっかりと次のステップにつなげるための準備を怠たることのないよう、先を見据えながら、議員の皆さま、区民の皆さまと一丸となってこの難局を乗り越えてまいります。


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