第2回中学生1000字・第3回高校生1000字全感想

 少しサボった後の学生1000字の感想です。みんな頑張ってますねぇ。おじさんは嬉しくなってしまいます。
感想といても、素人ですから、本気にしないで、こういうおじさんもいるんだと軽く流してくださいね。

中学生1000字

『お前』 入澤 薫さん
若い頃に好んで読んだ、江戸川乱歩を思い出してしまいました。美大生と少女の耽美な世界が昔風のせりふで余計に感じました。それを考えると、現在では誤字と思えるものも、敢えてそうしているのかと思えてしまいます。昔の人って今とは違う漢字を使って、書いていたみたいだもんなぁ。全然関係ないけど、新潟の事件もこんな主人公みたいな人だったのかなぁ。

『リフレイン』 隠葉くぬぎさん
目覚ましの音が大きくなって…の繰り返しですか。繰り返しっていうのはいいですねぇ。私も好きで、繰り返しの話を書いたことがあります。(私の作品『夏』参照、これを機会に載せてしまいます)でも、時計が、鳴いてみせたというの表現は、いいですねぇ。確かに時計が別のモノみたいで、怖さが出ています。繰り返しの怖いのでは、都築道夫という作家の文庫本の折り返しの内容説明みないな所に、こんな風な話がありました。ある死刑囚が、朝起きると神父さんがやって来て、今日死刑だと判ります。死刑囚はもちろん恐怖を感じながら、死刑台に上がり刑が執行されます。苦しい中で死んでいく。すると目が覚めて、夢だったかと安心します。すると神父さんがやって来て…。ってな話でした。

『災難な一生』 とまと&林檎ジャムさん
ラストの「僕は、死にました」で、あれっ?と思ってしまいました。ただ死んでしまった蛙になりかけのオタマジャクシ。確かに災難な一生ではありますが、それで、どうしたの?と聞きたくなってしまいました。主人公がオタマジャクシなんだというのは、始めの方で判るようになっていますので、それはいいと思います。ただ例えば、家族という感情が無いのに、親達は緑だといっていますが、親達よりは大人達とした方が、家族の感情が無いという表現が適してくると思います。でも、果たして半分カエルのオタマジャクシが、どのくらい、水なしで生きていけるのかは知りませんが、「死ぬのは嫌ですが…そろそろ寝ます」という、脳天気とも思えるオタマジャクシの無知さ加減はというか若さは、面白かったです。


高校生1000字


『にせもの』かくれはけいさん
主人公は男性だと思いますが、彼女に振られたのか、はたまた彼女が死んでしまったのか、それとも、父親でしょうか。どっちにしろ、手の届かない所に行ってしまったようです。その悲しみから眠れない夜を過ごし、自分ではどうする事も出来ない思いが、充分伝わってきます。ただ、ちょっと判りにくかったです。

『白昼夢』 Ruimaさん
2300年の世界大戦が、果たして召集(軍事)礼状が来るまで、結果が出ていないとは思えないけど『だって2008年には第3次世界大戦の重力爆弾の影響で、地球は地軸さえ変わる程の大変動がありますから(未来少年コナン)(笑)』きっと別の次元の地球なんでしょう。情報化時代の現代ですから、もちろん今の時代の情報も300年後には、残っているでしょう。ただ、軍事国家ですから、情報の統制はされているとは思いますから、テレビでどの位までの平和主義時代の説明をするのかは興味があります。主人公達の考えというのは、きっとその時代にはそぐわない、遅く生まれ過ぎた結果なんでしょう。だけど、一人でも戦争に反対する人が残っているというのは、いいことです。戦争を知らない世代にとっては、戦争の怖さが判らないですからね。

『悲劇のヒロイン』 トト♂さん
おーもしろーい。こういうの好きです。男性はそうはいかないけど、女性ってこういういくつもの顔を持っていて、こっちがダメでも、あっちがあるからいいのよん。てな感じで行けるからずるいですよねぇ。そういうずるさを馬鹿馬鹿しい文体で、書くのは楽しいと思います。

『望遠レンズ付きストーブ』 アタモミロヲさん
麻薬の様な、望遠レンズ付きストーブ。んー、良く判らないです。何故ストーブなのか(勿論暖かで幸福な感じがするから?)何故望遠レンズなのか(遠い過去が覗ける?)望遠レンズとストーブの妙な組み合わせには、吃驚しましたが、病み付きになるくらいのモノの正体が掴めませんでした。まだ、300字以上残ってますから、もうちょっと書いて欲しかった。

『Love is too young to know what conscience is.』 KAZUさん
「愛は良心が何なのかを知ることができないくらい若い」すごいタイトルですねぇ。若さが突っ走ってます。この手の話は私は苦手なんですが、雄輝君の、思いとは違う言葉に、辛いけど、香織さんへの熱い思いがじんときます。ラストをせりふにしたのにも、好感が持てました。