第36回1000字感想

 今回の感想もやっぱり自分の作品は棚上げしてと思ったけれども、今回も投稿出来なかった。今まで通り私は、好き勝手に感想を書いています。しかも感想にもなっていないものも多々ありますし、判らないと書いた読解力の無さを提示してしまっているものもあります。いつもの様に、作者の意図したものと違う受け取り方をしている場合も多いと思っています。しかし一読者としての意見ではあります。もちろんこんな感想に対して反論がある事は覚悟してはおりますが、反論は少しにして下さい。あまり悼めつけられろと、立ち直れません(笑)しかし私の酷評で立ち直れなくなってしまうという方が、もしいらっしゃるのならばそれは間違いです。今まで通り自分の作品を書きつづけてください。私の評価が絶対なんてことは、それこそ絶対ありません。軽い気持ちで読んで下されば幸いです。

Entry.01『招待状』多田野 英俊さん
文章を書く人達が集まっているところだから、日本語にウルサイ人って、結構多いんですよね。そういう人達に見せるのだから、やっぱり正しい日本語を使って欲しいなぁ、なんて始めの方で思ってしまいました。「中学時代の仲で」とか、「彼女の携帯番号を聞いた」のに「彼女に僕の電話番号をしつこく教えた」なんていう文に行き当たると、ちょっと読む気が失せてしまう。しかし、主人公のフテクサレタ態度と客引きや友人との展開が面白い。一人では反論も出来なかったけれど、友人思いの男気が格好いいじゃありませんか。ちょっと箍が外れると恐い気もするけれど、若さだよなぁ。

Entry.02『傷』青野 岬さん
多分子供達と母親だけのピクニックなのだろうが、その親子としての楽しみよりも、旦那の楽しみが潰れるという事の方が嬉しいなんていう、鬱屈した暗い気持ちが恐いです。こんな旦那は家庭内離婚でもいいのになぁ。無視するに限りますよ。しかし出来ればもっと明るく、手に職でも付けて、早く別れてしまいなさい。そして慰謝料沢山貰わなくっちゃね。

Entry.03『フットボールイズ「ライフ」』佐藤ゆーきさん
幽霊がその想いから現世に現れて、残された人と過ごすという話はまぁパターンだけれども、私はサッカーが好きだから許します(笑)しかし純粋にサッカーが好きならば、日本が負けたって、ワールドカップは全試合観たい。そりゃぁ、日本には勝ちつづけて欲しかったけどね。

Entry.04『幸せの猫』村玉さん
八百万の神のいう運命を決める100人目は予想通りの展開で少し残念。しかし、その前の赤い傘の優しそうな人間が、猫を苛める為にちょっかいを出しているようで、不安になった。こういう不安な展開は先が読めなくなるようでワクワクしてしまい、最後が余計に残念に思った。

Entry.05『記憶の手紙』弥夏 和沙さん
エッセイの様です。というのも小説としてのストーリーとは違うかなぁなんて思ってしまったからでしょう。「忘れなければ会えなくても、それは別れたことにはならない」というメッセージが20年という月日を経ても続いているという事を言っているんだと思うんですが(あまりにも直球だけれども)会えない人への想いとか思い出す彼の事が、時間を経て少し風化していると感じてしまうからでしょう。

Entry.06『イタイニッキ』咲良(さくら)さん
申し訳ありません。私はハラハラドキドキのストーリーが好きです。話の展開が思いがけないものが大好きです。だからという訳ではありませんが、こういったストーリーの不明瞭な文は苦手です。小説というよりは、詩だとさえ感じてしまいます。失恋?の悲しみは伝わってきますが、だからといって私にはどうすることも出来ません。私なら相手の男をやっつけるとか、もっと素敵な人と恋に落ちるとか、話を展開させてしまいます。

Entry.07『時計男』オキャーマ君さん
時代は多分、現代なのだろうが、いうなればサイボーグ人間の時田氏を見て、鳩時計となったと表現する登場人物が、大正デモクラシーの頃のように(勿論、その頃は生まれていないから判らないが)科学に対する期待を持った人達が跋扈したような、言葉遣いや文章に表れ、雰囲気を出している。話としての意外性はあまりないが、文章がそれを効果的に補完していて面白い。こういう表現方法もあるんだなぁと感心させられた。

Entry.08『学校という檻』蜜生さん
過ぎてしまえば嫌なことさえ、笑って懐かしく思い出される事が多いが、余程思い出したくないという想いさえなければ、学生時代は、懐かしさで一杯だろう。学校を檻という表現は目新しくもないが、雑魚としての自分達をそのまま引き摺って、でっかい青い海が天だという表現にまでしているのは、面白かった。

Entry.09『秘密ロボット』ひょうたんさん
ロボット物というと、私は緊急企画?100字を思い出す。丁度100字でオチまで付けて、出来たロボットの成果を見るのだが、なんだかこの話もそれの続きのような気がしてしまった。1000字なのだから、100字に負けるようなアイデアでは面白くない。確かに展開は色々と考えているようなのだが、ラストへの伏線を張り過ぎているようで、意外性が感じられなかったというのが本音だ。しかし50年も研究を続けて、20才に始めても既に70才になっているであろう助手も大変だったろうなぁ、なんて思ってしまった。

Entry.10『迎え火』立田 未さん
おぉっ。ラストで通りがかりの人が、母子が迎えていた本人だとは思いもしませんでした。もっともその為に母子という表現をしたんだろうけれども、ラストでの「いつもながら…」というのを見るともう何年も前に亡くなっているのだろうとは思うが、それでも大事に彼を想っているという先祖の供養という風習ではあるが、なんだかしんみりとしてしまう。そういえば私が住んでいる辺りで、先祖供養の為に、迎え火や送り火をしている人を目にしたことがない。

Entry.11『彼女』凹さん
世の中見渡せば色んな人がいるから、そういう女性だっているだろう。しかし彼女が、綺麗で優しかったから好きになったという主人公が、何だかSEXの為だけに彼女を想っていたようで、好きになれなかった。戻るのが一年後だったという事や、何故その時に彼女と一緒にならなかったのかなんていう、想いがあるからだろう。自分の所為で彼女を助けられなかったのかも知れないという加害者意識は持っていないようだが、そういう後悔の念さえも感じられなかったせいで、ラストで主人公が、彼女と交わった男たちは死んでしまえと願うネガティブな感情が、こんな男こそ死んでしまえと思ってしまった。

Entry.12『3本目のアイスキャンディー』坂口与四郎さん
1000字で推理物はやっぱり難しい。謎(頭蓋骨の変形)が余り謎らしくないところでもそれが表れているし、回答も在り来たりの様な気がする。でもこれは推理物じゃなかったりしてね。しかし頭蓋骨を変形させる事で、脳の成長が阻害されるかどうかは判らないが、脳の一部が機能しなくても、別の脳の部分がその代替として機能を補完することは知られている。

Entry.13『「子ども」のち「大人」』明斐観也子さん
中学生の頃は自分を大人だとは思っていなかったと思うがその分、私はこの作者よりももっと子供だったのかも知れないが、それでも恋くらいは私だってしたのだ。とはいえ失恋という恋ではある。この登場人物は淡い感情のまま、憧れていた彼女と15年程後に再会したわけだが、やっと彼女が笑ってくれて、自分も少しは彼女に近づいたと思う、まぁなんとも本当に淡い静かな初恋の顛末とでもいうべき話ではあるが、なんだかその恋が淡い分だけ、心に染み入るその感情が本当に静か過ぎて、静か過ぎる分なんだか、それが悪いというわけじゃないけど都会の雑踏の中で、ちょっと昔を懐かしんで、ぼんやりしているような感じしか受けなかった。

Entry.14『アフガンの少女』黒男さん
ちょっとしたきっかけで、未だに思い出す。そういう悲しみは忘れないでいた方がいいのかも知れませんが、愛する娘の死という辛い経験は私にはありませんし、そういう経験はしたくもないんですが、悲しさは充分に伝わってきました。あぁ、息子が死んでしまったらと思うと、申し訳ありません。私には感想なんて書けません。しかし小説としての既定文字数は守って欲しい。

Entry.15『アメノオト』大野 こなつさん
申し訳ありません。私にはこういた観念的?な話はダメです。ストーリーの妙を楽しむ読者なものですから、パスです。

Entry.16『夢見草』月船 優希さん
はっきりいって、陳腐なストーリーだけれども、なんとも爽やかな読後感がある。こういう話っていうのは読んで嬉しい。感動物にするのならば、もっと違った書き方もあるだろうが、この作者の狙いはそういう事ではなさそうだ。出来れば、主人公の女の子には、気付いたという思いを文章にするよりも、「夢見草」を喫茶店の入り口にでも放り投げて忘れてしまうなんていう、事実で表現して欲しかった。

Entry.17『ハワイは本当に近くなった』待詩音さん
旅上手な人は荷物が少ないというけれど、私も始めての海外旅行はサイパンでしたが、着替えも殆ど持っていかないで、現地でTシャツなんぞを調達したものですし、スーパーでお買い物して、食費を切り詰めていました(笑)確かにハワイへ行く方が、北海道旅行なんかするより安いよなぁ。しかしこれは小説なんだろうか?

Entry.18『異邦人』ヤマタカユウキさん
確かに一般の人とは違うという意味ではそうなのだろうし、何も知らないという意味でもそうなのだろうが、やはり我が子を異邦人というのには少し抵抗があった。生まれた時から勉強していく人という生き物が、同属の人間という中で育っていき人間になっていくのではあるが、異邦人という言葉からは、疎外感の様なものを感じてしまうからかも知れない。

Entry.19『年上、年下』バージャイさん
血が出るまで自慰したことは無いし、そんな状態になるまで出来るのかなぁなんて思ってしまったけど、SEXは大事な事ではあるけれども、確かにそれだけじゃないとは思う。そういう意味では、そういう事を目当てに付合うという年上の女性達が余り書かれていないのが残念だった。

Entry.20『外惑星間バイパス18号線の怪』眞柄太郎さん
時速1200キロのスピードで、10時間走っても、地球を1/4周くらいしか出来ないから、きっと単位を間違ったんだろうけど、これはSFでは重大な間違いだ。せっかく太陽風だとか、オリオン(馬頭星雲)が見えるとか、臨界融合を越えるなんていっているのだから、これはやっぱりマズイ。しかし外惑星間バイパスなんていう設定は面白そうだったが、「怪」が全然なくて、少しがっかりした。

Entry.21『顔のない世界』橘内 潤さん
なんだか面白そうだと、始めの話に引き込まれた。その後の、有害図書としての作品だという説明と、それをそのまま受け入れているという事への展開が少し捻りすぎのような印象を受けたが、これは作者の意図なのだろうから仕方がない。顔=個性と言いきってしまって良いかどうかは判らないが、面白い話に出会った感がある。個人的には、前半部分の問題提議だけでも良かったように感じた。

Entry.22『名なし』ユキコモモさん
検査を受けているのが、人間かどうかも判らないが、その所為か、凄く不安な感じがした。どす黒い血だとか、名前を返して貰うなどという文章から察するに、人間として又はロボットやサイボーグ?として、今後生活できるのかどうかが試されているような検査が、恐ろしく感じた。
他の人の感想でHIVの検査なのかとの意見もあったが、確かにこの検査は今まで生きてきた事に対する尊厳が試されているようだし、医者の冷笑などという表現を見ると、嫌な検査という印象を受けるが、「検査室には人間が二人…」などという表現を見ると、やっぱり検査を受ける主人公は人間ではないと単純に感じてしまうし、SFチックな作品も多い作者なので、主人公が人間ではないのだろうなどと思ってしまった。病院馴れしているからかも知れないが、機械的に見える医療関係者の態度は、患者を人間と見ていないわけではないという事実と、あいまって、それだけ私は平和ボケしているのかも知れない。

Entry.23『Good bye,to you』りょうさん
「さようなら、あなた」というタイトルと彼女の前半の様子から、悲しい判れなのだろうと想像していたが、朝を迎えて一変する彼女の心境の変化が、何故なのか判らなかった。この理解出来ないものが、女性心理というものなのだろうとは思えないのだが…。

Entry.24『島』比良木直太さん
笑った。なんだか凄い設定の話だなぁ、と思っていたら、ラストで理由が判った。しかし彼らが取りついている人が健康で良かった。人によっては定期的に噴火が起こらない人もいますからねぇ(笑)

Entry.25『夢中で見た夢話(むわ)』YamaRyohさん
夢オチはあんまり好きじゃないんですが、ラストの言葉にはニヤッとしました。しかしこの作品はヒドイ。ヒドイという言葉は悪い言葉ではありますが、夢の中で夢をみていくという単なるストーリーなしの言葉のお遊び的作品になっているだけで、そのお遊びが夢の中ならば、もっと奇想天外な話でもいいと思うんですが、そうではなくて、当たり前過ぎて全然面白くない。ちょっと感想としても言い過ぎではありますが、私はそう感じてしまいました。

Entry.26『決行』Makozさん
「18歳未満立ち入り禁止。若者は見ずに抜け」というキャッチフレーズとも言えない文字が、近所のビデオ屋さんのアダルト・コーナーの前に書いてあります。文章から緊迫した感じは漂っては来るんですが、なんだか少し迫力に欠けるような気もしました。もう少しハードボイルドタッチにして欲しかった。

Entry.27『絶光』yuccaさん
報いだと思っている、光を奪われたあの子が、三年前に目が見える様になった彼女だという設定だと出来過ぎだから違うだろう。始めだけでなく最後にも報いだと書かれているほどの罪悪感を感じている主人公だが、今の状態をそのまま素直に受け留めている力強さが、人間として素晴らしい。ただ美しく泣いているのを見たいという感情を、今の(報いを受けている)状態になってさえも不謹慎として捉える主人公の罪悪感の強さは、少しやり過ぎの様に感じた。

Entry.28『雨の声』うなぎさん
主人公の感情意外の描写の文が、他の文と融合せず、文学的表現といってしまえば、それまでなのだろうが、なんだか少し違和感があった。ストーリーとしては面白い(恐い)のだが、出来ればもう少し減らして、1000字にして欲しかった。たった12文字じゃありませんか。

Entry.29『おじいさんの悩み』アレックスさん
天国とか地獄とかが実際にあるかどうかは判りませんが、日本人の持つイメージと外国人の持つイメージは違うらしいです。大体火葬の習慣のある国に住む私達ですが、火葬は地獄のイメージがあるからといって火葬しない国もありますからねぇ。大体「天国良いとこ一度はオイで、酒は美味いし、ネエちゃんも綺麗だ」と思っている私は(笑)、おじいさんの行ったところは地獄です。この後おじいさんが地獄に落とされるのか、はたまた改心させられるのかは見物ですね。

Entry.30『桜坂』3月兎さん
小学校のシーンで登場する子供達は、現在の子供達ですが、なんだか私ならば、昔の自分を登場させて動かしてしまいそうです。例えば、「綺麗に着飾った母親と…手をつないで坂を降りて来た。手をつなぐ父親と母親は、子供だけを見て微笑んでいた。」なんていう感じなんですが、なんだかこの方が、今の自分の気持ちを表現できるように思えるからです。しかしこれは作者の考えと表現方法の手段ですから、これは作者を尊重しましょう。

Entry.31『knotty』mokuさん
タイトル通り、主人公の気持ちはもつれている。初対面の人を呼び捨てにして、しかも一目惚れ。でも若い格好の良い男ならば、浮気するわけじゃあるまいし、旦那なんか放っておいて、玉にはいいんだろう。なんだかそういう軽い感覚が楽しんでいるようで嬉しい。

Entry.32『黒い雄牛の夢』さかな☆さん
黒い雄牛の夢とはいいながら、父親の夢であり、死の近い父親の事を思う主人公のその思いが、ラストの雨音で父の泣く声として書かれているが、悲しいとか悔しいとかそういった気持ちを越えて馬鹿だなぁという思いになっているほど、淡々とした思いが伝わってきた。だからどうだと言われるとそれだけです。私にはこういう文が書けないので羨ましいとは思うんですが、あまり書きたい分野ではないので…。申し訳ない。

Entry.33『驚異的な舌』羽那沖権八さん
ごちそうさまです。笑わせていただきました。しかしナンチュウ情報誌だ。やっぱりレストランのお奨めは味で勝負だよなぁ。

Entry.34『一休み、迷惑候』マーマレード=ジャムさん
なんだか付いていけません。展開のスピードはいいんですが、話の混乱具合が、筋道を通っていないためでしょう。なんだか判りませんでした。勿論この作品は内容を理解する為の話だとは思いませんし、ポプラにギンナンは生らないだろうなんていうツッコミは必要ないと思いますが、秋が来る頃には理解出来るんでしょうか?

Entry.35『女将のことで』アナトー・シキソさん
前回の「牛肉は好き?」からの続きなのだろうが、始めは料亭とか旅館かと思ったが、周りの状況からはなんだか飲み屋というか食事をする所らしい。女将という職種?の人だと、なんだか飲み屋なんかのイメージが湧かないのは、きっと普段飲み歩いていあいからだろう。主人公が何だか魔に見入られたような感覚もあり、ミカちゃんはそれを阻止しようと頑張っているが、はてさて次は一体どこへいくのだろうか?

Entry.36『兄ちゃん』まーくんさん
チャットからメルトモで、1ヶ月に50通以上のメールかぁ…。私にはメルトモがいない。というよりも携帯でメールが打てない(笑)電話は電話としての役割としか思っていないし、携帯電話自体が好きではないから、会社で持たされている物で充分である。兄と思っている人が男性かどうかも判らないという現実だが、私はやっぱり目を見て話をしたいなぁ、なんて思ってしまいます。

Entry.37『鬼教師』なぎやま たけしさん
途中トラックが家に突っ込んできたり、戦車に跳ねられ、ゾウに踏まれたりするのに、ラストがチンピラに殴られるだけじゃ、なんだか物足りない。ここはやっぱり、卒業生か何かが出てきて、グサッのグリグリっと心音が止まる位のオチを期待してしまう。

Entry.38『バスドライバー・3』有馬 次郎さん
この非常識なドライバーの話がいつまで続くかは判らないが、続き物らしく段々エスカレートしてくる話は、面白い。ただ幸せってこういう事だろうかと問いかけてくるようなストーリーが、作者の心境を現しているようで、これだからアマチュアの作品って面白い。しかし現実に起こった酒を飲んでバスを運転するよりは、オムスビを作りながら運転した方が安全だろうか?

Entry.39『Promise Land』さとう 啓介さん
小学校の頃の約束とは言っても、15年後に会おうなんていう淡い約束は、覚えていても冗談だとしか思えない程、望みが少ない。だからこそ希望というんだろうけど、ストーリーとしては会えて良かったのかも知れないが、意地悪な私には、なんだか会えない方が面白かったのになぁ、なんて思ってしまった。

Entry.40『あたま手術』キリハラ キリオさん
何がいいたいのか判らない。お笑いの為の話にしては少し外れ具合が普通過ぎるし、こういう事になるかもよぉー、なんて事は考えられない程、現実的ではない。読後感もスッキリしないから、感動もない。私にはそんなに読解力がないからだろうが、ただ単に文章を読んだだけとしか思えなかった。

Entry.41『亀』カビパラさん
第三者の立場でないと判らないという事でしょうか。まぁだから私の様な感想書きがいるんですが(笑)読み始めはコケを食べる亀の話かと思ってしまいましたが、亀の主権の話(笑)に落ちついた様です。まぁあんまり話とは関係ないんですが、亀の愛好家が、亀を新聞紙に包んで郵送するだろうかという、愛好家とも思えない所業はないだろうと思ってしまいました。ただ、第三者の立場という意味での警告?ならば、登場人物達にはもう少し度外れた行為をして貰った方が、インパクトがあって面白かっただろうとは思いました。

Entry.42『赤い自転車』伊勢 湊さん
怒鳴ったのに顔が笑っているという表現は、怒っているわけじゃなくて、嬉しいんだという気持ちの現れだとは思うんですが、自分で怒ったと思っているのに、笑顔になるなんて出来るのかよぉ、と練習して見たが、私には出来なかった。この作者は出来るんだろうか?実に器用だ。

Entry.43『孔雀』るるるぶ☆どっぐちゃんさん
「コギトエルコズム」なんてなんか久しぶりに聞いた気がする。学生でなくなった年月の方が長いから仕方がないかも知れないが、久しぶりに聞くとなんだか嬉しい。まぁだからといってこの話が哲学してるのかといえばそんな事はないのだろうけれども、絶滅してしまった孔雀という設定と合わせて、なんの為に生きているのかという命題を提示しているだけで終わってしまってはいるが、こういう回答なしの終わり方も、見えない月を探したという、答えは無いんだといっている様でもあり、洒落ていると思った。

Entry.44『猫の居ない風景』てこさん
シトシトと降る雨やコンクリート製の電柱のカタカナ部分が漢字だったので、どんな話になるのかと興味深かったが、始めのこの2点だけで、後は普通だった。まぁ掴みなのかも知れないが、これは少しがっかりしてしまった。悲しいお話だから仕方がないが、この遣り方で、お笑い物を書いたりしたら面白いだろうなぁ、なんて思った。

Entry.45『てるてる坊主、ふたたび』川島 ケイさん
おぉ。不倫とまでは行かないのかも知れないが、そこまでの状況を発展せずに留まった主婦が、可愛い。彼女にとってのてるてる坊主が動物園での喜びの期待と重なり合っているからこその展開だが、この作者はこういう話が巧いなぁといつも思ってしまう。

Entry.46『神様の二つの歌』Ameさん
「二人の歌は全く同じものだったのです」なんと感動的なんでしょう。まるで、「奥様は魔女だったのです」というあのフレーズに匹敵するような感覚を得ました(ちなみに、誉めてます)なんと残酷な事をする神様だと思っていましたが、二人が一緒になることで、幸せになれるなんて、素敵じゃないですか。うーん。いいなぁ。

Entry.47『日陰の中のオアシス』坂本 一平さん
うぅ。ラストが判らない。人生の中の交通ルールってなんやねん。血が沢山出たら、死んでしまうという事なの? それってあんまりだよなぁ。周りの人もこういう人には病院へ行くように背中を押してあげて欲しいものです。しかしラストに来て自殺の話というのは、なんだか感想をしていて残念です。日陰の中のオアシスが死では無い事を望みます。