第38回3000字感想

 久しぶりの3000字感想は何と10回振りのアップだ(サボり過ぎ) 1000字も最近さぼっていたから、おあいこという事で(笑) とにかく久しぶりの感想ではあったが、作品数も少なかったので何とか書上げました。最近忙しかった仕事も少し一段落したせいもありますが、今後はせめて投稿した回だけでも感想をアップさせたいと思ってはおります。相変わらず感想とはいえ、感じたままを書いてしまっておりますし、作品と関係ないものさえあったりします。もちろん作品の良さと感想の長さとの因果関係もありません。投稿する作者がいて、その作品に自分の感性で勝手に感想を書く奴がいるというただそれだけの事です。

Entry.01『メディタラニアンのまだ見ぬ青』伊勢 湊さん
タイトルが良いなぁ。地中海としないでリゾート地であるメディタラニアンにしているところがストーリーを物語っているようで洒落ている。別れてしまった主人公のいつまでも引きずって沈み込んでいく様子が怠惰さという表現となっていて面白い。でも沈みたくても沈めない死海でなくて良かった(笑)

Entry.02『母と子と』自作
ラスト近くの自身は、自信の間違いです。もちろん地震でも磁針でもありません。あと変換出きるのは、磁心と時針くらいですが、流石にそこまでの誤字にはならなかった。しかし良い話しを書こうとするとどうしても書けなくって、結局は別のところへ話しをすりかえてしまうというこの情け無さは、私の不徳の致すところであります。申し訳ありません。

Entry.03『生者の行進』ごんぱちさん
面白い。印税生活が始まりそうな作者でもあるので、こういう作品にはケチをつけておこう(笑)後半になってのストーリーの展開上、楓女史の身体の中には、腐汁が詰まっているという妄想からの設定なのだが、それは現代医学からは無理だという事が判ってしまうじゃないですか。今の産婦人科で胎児の映像を見ないなんていう産婦人科があるとは思えない。つまり彼女の身体は正常であるという証拠が既に出ているはずなのです。時代がせめて昭和も40年代ぐらいまでだったのならば、産婆さんという手もあるけれど、ワンルームマンションで生活する二人なのだから、やっぱり現代だもんなぁ。となると、やはりその妄想(腐汁が詰まっている)を抱くに足る伏線(例えば、時折見せる奇行とか…)が欲しい。彼女が彼に対していつまでもラブラブなのは、それにはあたらないような気がします。でも面白かった。

Entry.04『神話創造』橘内 潤さん
クレータを溢れるシチューから私は何だかたこ焼きを作るという作業に代用(転記)出来るなぁと感じてしまいました。ビッグバンとも言えるカオス状態がかき混ぜられて、それが、暗闇の中にぶちまけられ、ひとつひとつが形作られていく…、なんてね(笑)このまま終わったら何だかつまらないなぁと思っていたけれど、ラストで語り手がサラリーマン的な神だったというオチの意外性が面白い。

Entry.05『書かれなかったスコアもまた、スコアの一部である』るるるぶ☆どっぐちゃんさん
最近こういった破壊的? な作品が多いと感じる作者だが、相変わらず、タイトルとの関連は不明(笑)退廃的な世界とそこに住む人達が今現在のこの世界でないとは言いきれないところが恐い。テレビの画像が壊れる時にそのまま凍って、破片になるなどというシーンは幻想的でさえあり、綺麗だろうと思わせるのが、余計にその恐さを増幅させていていい感じになっている。

Entry.06『震える指先』lapisさん
生きる為に人を殺すという生活を経験したいとは思わないし、そういう状態に陥って欲しくはないが、こういった生活を強いられてしまう世界が創作だけの世界であって欲しいと思ってしまうのだが、それでも、きっとこういう世界は存在していて、ぬくぬくとだらしなく生きている我々は、そういう事を見ようとはしない。昔から戦争物というのは好きでは無かった。戦争という世界の悲惨さや不幸が、明確に投げつけられるからであり、誰もが嫌だと思う世界を見せられるからだ。恐い物見たさという言葉はあるし、他人の不幸は蜜の味なんて言葉もあるが、それでもやっぱり人が死んだり悲しい生活を送る人達の話っていうのは、好きではない。しかしこういった話しというのは必要であり、若い人には逆にもっと自分が経験してしまうかも知れないという現実を見つめ直す機会として読んで欲しい作品ではある。

Entry.08『カエル・キッド』THUKIさん
笑った。かの有名ななぎらけんいち氏の「1本でもにんじん」をパロってるかと思ったら、色んなのが飛び出して面白い。あまり好きではないが、パソコンでの文章という利点を活かした絵文字も効果的だ。まぁオニヤンマの血が深紅というのは有り得ないけれども、こういう作品はツッコミを入れて貰える方が楽しいのです。と一人で納得してしまうのでした。
ちなみに飛べないトンボは…ただのトンボではありません。♪赤トンボ〜の羽を取ったらアブラムシ(古)

Entry.09『オフェリア』詠理さん
ごっこ遊びがここまで進んでいるというラストが凄い。登場人物が多くて、妙に展開が早いという感じがしてしまったが、それがラストへの伏線だったのには驚いた。しかし少女のごっこ遊びが、複数の人間の視点で移り変わるという設定は少し恐ろしい気がした。まるで多重人格のようではないか? 男である私は、子供の頃のママゴトなんて好きではなかったし余り覚えていないのだが、そういう物だったのだろうか?