『犯人は誰だ!?』 |
私はいつもの様に作品を投稿しようと、三度目の検査をしていた。 誤字は……ない。 脱字も……ない。 1000字を越えて……いない。 文章は……たぶん読みやすい。 シャレた言い回しは……出来ない! ストーリー展開は……うーん、何度読んでもすばらしい。 「これじゃ誰も犯人が判らないぞ。1000字で推理小説書いて、こんなに完 成度が高いなんて、江戸川乱歩を越えたな!」(そういえば、乱歩も推理小説 は短い方がいい。なんて言ってたな) テーマは……少し軽いが、…まっ大丈夫だろう! 作品の完成度は……今までで最高だ! 「これは一次審査どころじゃないぞ、ひょっとしたらインターネット文豪かも 知れない。さっそく貼りつけて、送信しよう。」 聴牌たばこならぬ、完成たばこを1本抜き出し、ジッポで火をつけた。 大きく吸い込む。 何とすばらしい味だ!やっぱり充実した気分でのたばこは最高に美味い。 (最近少しでもニコチンやタールが少ないたばこを吸う様にしている為か、K ENT1mgにしてしまったが、慣れというのは恐ろしい、でも本当は一番安く て長いからなのだ) 「さぁ貼り付けて、送信しよう」マウスでクリックした時だった。 な・なんと消えてしまった。あの、大傑作が。 しばらく口をあけたままポカンとしてしまった。 何故だ!電源は落ちてないし、変な操作はしていない。何も考えられなくな ってしまった。 「ガサッ」音がする方を見ると何と、この家では一度も見たことがない「ねず み」だ。ちょっと白っぽいが、二十日ねずみよりは大きい。あのねずみを使っ て誰かが俺の最高傑作を破棄したのだ。ぜーったいの絶対そうに違いない。一 体誰が何の目的で、ねずみなんかを使って俺の邪魔をしたのだ。 いや目的は解っている。俺の文豪への道を閉ざすつもりに違いない。だが、 ねずみを使っていったいどうやってデータを消したんだろう。 いったい人がねずみなんかを操れるものなのか? ……………… 犯人を知りたい貴方は、スクロールして下さい ……………… やっぱり犯人は貴方でしたね。今マウスを操ったでしょう!? いったい。どうやって消したんですか? |