[AM7:15] 出発
「築地へ仕入れに行く」と言うと「朝4時とか5時」に行くと勘違いされる事が
ありますが、
それは「大卸」から「仲卸」への「セリ」が行われる時間です。
一般の魚屋さん・料理屋さんは、AM7時〜10時の時間帯に約900の店舗が
野球の外野席のように放射線状に立ち並ぶ「仲卸業者売場」で仕入れをします。

[AM7:40] 到着
ターレーと呼ばれる荷物を運ぶ一人用作業車両や荷車・車が行き交い
ボケっとしていると引かれそうになります.....一度止まると次の一歩を踏み出す
タイミングを失う事があるので、勇気を持って前へ前へ突き進みます。
目的の仲卸店に到着。
さてここからが親父の本領発揮!一軒づつ、ねばるねばる!
良い品をいかに安く仕入れるか、安い上物をいかに探すか
築地に通い続けて35年の感をたよりに今日も親父はがんばります!

たとえ注文が入っている魚があっても決して「欲しい」とは言いません
「買う」のではなく「売るのを待つ」のです。
自分が納得する値まで下げさせるしつこさにはアキレカエル......

しかし、こうした昔ながらの取引は仲買人との信頼関係があってのこと
仲買人もだまって下げる訳ではないのです。
「じゃ下げるよ、でもこれも安くしとくから持ってってよ余っちゃうんだよ」
なんて余計なものまで買ってしまう事もあります。
親父も仲買人もこうした取引を少し楽しんでいるようにも思います。
売買だけを目的としない「人と人が真剣に楽しみながら魚を扱う」
「粋でいなせ」と言う言葉がピッタリだと思いました。
ワタシにできるのだろうか.....築地での親父の背中をみていると
いつもヘタレてしまいます...... イヤ!がんばります!

魚じんは「天然・生」にこだわり続けています
ランチのマグロも、もちろん「天然・生マグロ」
このこだわりを支えてくれているのが「縁の下の力持ち」マグロ専門仲卸の
←金八水産のタツオさん!親父の無理難題に一生懸命答えてくれます!
大きなマグロをさばく包丁使いにホレボレ。懐のふかーい優しい男!
タツオさんのおかげでランチにも提供できる「分厚い天然生マグロがたっぷり乗った」
「天然生マグロ漬け丼」は魚じんの一番人気です。

一通り仲卸売場で仕入れが終わると
築地市場の正面入って左側の関連事業棟へ行きます

最近TVでも話題のお寿司やさんなどが立ち並ぶ場所です
食べ物屋さんの他に「つま屋」と呼ばれる、大葉や穂紫蘇やアカメなど
お刺身のつまにつかう物を中心に扱うお店
が建ち並びます。
野菜関係の仲卸は正面から入り右側にあるので、ここではつま関係や
ちょっとした野菜類を仕入れます。

日によって「やっちゃ場」(野菜仲卸売場)や場外にも足を運びますが
本日は仕入れ終了!

[AM9:45] 朝ご飯
主に築地場内で一件のおそば屋さん「富士見屋」さんで朝食
親父は朝から「天ざる大盛り」.......
ここのおそば・つゆの味は魚じん親子のお気に入り
「もたもたしてっと魚が腐っちまう」ってなごとく
ささっとかっこんで、さっと席を立つ皆さん粋です。最近やっと慣れました...

朝ご飯を食べ終わる頃には「茶屋」と呼ばれる、仕入れた魚が地区ごとに集まる集配センターのような場所に
仲買さんが運んでくれます。このシステムのおかげで市場は手ぶらでお買い物!
(魚商組合の各支部ごとに借りている場所なので誰でも手ぶらと言う訳ではありません)
魚じんは池袋支部。本名「谷津」と書かれた箱を車に積み込みます。

[AM10:30] 魚じん到着
大急ぎで仕込みが始まります。
「本日の収穫」
本マグロ・青森真鯛・メジまぐろ・桑名の大はまぐり・黒ばい貝
下田のサザエ・赤貝大玉・ヒラメ・真あじ・から付きうに...その他色々
特に親父のお気に入りは「桑名の大はまぐり」これだけ大きい桑名のはまぐりは久しぶりだっ!と大喜びでした。
青森の真鯛も最高!今日は良い仕入れができた満足!と自画自賛の親父のある日でした............

【おまけ】
気に入った魚が入ると食べてもらいたくて仕方ない親父
ご近所の常連さんへ我が家の次女を営業に出させる!
「○○さぁ〜ん!」
「今日は下田のサザエが入りました!刺身とサザエご飯にしましょう!」
半強制的............................強引........................。