フェスティバルコンサートで歌う 本文へジャンプ

2009年は2回 合唱のステージに立った

これらコンサートの概要を述べてみたいが、特に12月に行われた演奏会は、わがふるさとの豊島区が文化庁の表彰を受賞したことを記念するもので、私としてもこのような機会に恵まれたことは幸運であったと思うし、多分今後も思い出に強く残るステージになるだろう。

以下、9月の第一回目に引き続いて、12月の記念すべきコンサートのことを中心に書いてみたい

第1回目は「ファンタジックステージ」♪


コンサートパンフ


合唱団
ヴォーカルスコアの目次


9月5日、まだ熱い頃だが「ファンタジック ステージ」と言うコンサートに合唱団の一員として出演した。
歌ったパートはテノール 詳しい説明は省くが、特徴としてはウインナオペレッタの定番であるカールマンやレハールの作品、また近代ミュージカルから10曲ほど、ソリストたちのと共にコーラスで歌ったのだ。

歌うだけなら比較的簡単で、ポップスに毛が生えた程度で、いずれもどこかで聴いたメロディなので鼻歌交じりで誰でも歌えると感じ、事実そのとおりだったが、稽古をはじめて難儀したのは舞台での振付であった。
飛んだりはねたり、手を上げたり下げたり、ワルツもどきののステップを踏んだりと、これを覚えるのに四苦八苦した。歌いながらステージでパフォーマンスをしたことはなく、これがこんなに難しいとは…

稽古期間は7月から2ヶ月、回数は十回程度と少なく、私のような老人とっては覚えるのが難しい上、肉体的にもにきつかった。歌より振付が中心の稽古だった。歌は簡単とはいえ本番で楽譜は一切無しなので歌詞を覚えるのに一苦労。

途中でやめようかと思ったが我慢と意地でやり抜いた。振付の先生は女性の演出家で、私にとっては厳しい要求が相次ぎ、終盤、稽古参加者が目に見えて減っていったが気持ちはわかる。100人が70人に減っていた。


当日は第二部でオペレッタ、ミュージカルの世界と題してソリストと共にステージで10曲ほど歌い踊った。.
合唱出演は我々区民合唱団のシルバー世代だけではなく、慶応大学や日本女子大のコールメロディオンや、一部音大学生も加わっていたので何とか当日までに格好がついたが、本番ではやはり自信がなくもたついてしまった。
恥をかくと思い、今回は友人知人らに来場してもらうことは遠慮し、親族縁者らの限られた人々に観てもらった。
このコンサートはバラエティに富み色彩が非常に華やかだったので、お客さんの反応は上々だった。
最後のレハールのメリーウイドウの「カンカン踊り」で最高潮に達したが、我々合唱団の大合唱で踊る若い女子学生らも足を目いっぱい上げ、お尻を観客席に突き出し大暴れし、とてもチャーミングだった。アンコールにはイタリア民謡「フニクラフニクリ」を合唱した。

私自身は今まで体験しなかったオペレッタの舞台であり、歌と振付がちぐはぐで、できは最低だと思った。
強烈なライトに照らされたステージは焦熱地獄で、終わつた途端、汗が吹き出て止まらなくなったが我ながらよくもったものだと感心した。 体力気力はまだまだ捨てたものではない…などと自惚れた。終わった後のビールが殊の外美味かった。

★今回のコンサートは今までにない素晴らしい体験で、苦しかったが一つの壁を乗り越えたと思った。

また、演奏ステージは東京芸術劇場の中ホールで、通常ここではオペラ、お芝居、演劇などが行われており、コンサート中心の大ホールと比べるとこじんまりしているが、オーケストラピットなども完備し、ステージは広々としており大変歌いやすかった。
お客さんとの距離も近く一体になれる反面、出演者のミスなどもすぐばれる怖さもある。舞台裏も大ホールとは全く異なり、貴重で面白い体験ができたと思う。


2回目のフェスティバルコンサート♪


プログラム表紙

区長の受賞ご挨拶

第一部演目

第二部演目

◆合唱団とのお付き合い
私は現在、豊島区区民合唱団に所属している。今年で3年目だが、それまで毎年のごとく合唱団を変えていたので、ようやく居場所を見つけたと思っている。区民だからと言う理由と、歴史のあるかなりレベルが高い団体だからである。毎年100名程度のメンバーが参画している。

豊島区は文化都市を目指しており、高野区長は文化活動に熱心な方である。指導者の坂本先生は地元東京音大の指揮科の先生でもあり、私が今まで受けた指導者の中ではトップレベルの実力をお持ちだった。しかもこの先生が稽古も本番も指揮しててただける環境は素晴らしい。
因みに先生は2009年秋、天皇即位20周年の記念行事で東京都交響楽団を指揮する栄誉を受けられているが、まだ若手のマエストロである。専属ヴォイストレーナーのD先生やピアニストのY先生などの能力も高い。
団員のレベルは総体的に高、く経験者ぞろいで、いわゆる初心者はいない。私は最も経験が浅く、下手くそな部類に入ると自認している。うまい人々との間で歌うとすぐにわかるが進歩も早い。

毎年演目は異なるが、過去「第九」はもとより、メサイア、代表的なレクィエム等も行い、最近は新作オペラの合唱や前記オペレッタなどにもレパートリーを広げている。
私自身、「第九」はテノール、バスパート共に過去何回か体験し、マンネリ化していたのでこの合唱団はまさにぴったりだったのだ。

今回は特殊なコンサート
我が豊島区は札幌市、萩市、篠山市とともに平成20年度文化長長官表彰を受けた。都内では初の受賞に輝いた。


今回はそのことを祝賀するコンサートでもあった。当合唱団も表彰に一役買ったのだが、長年にわたる地道な区の文化活動が政府に認められたことになったのだ。私は新参者だがタイミングよくこの栄に浴することができたのは真に幸運だった。

表彰されることを知ったのは確か9月頃のことだったと思うが、演目やプログラムの編成がはっきりしたのは10月頃のことで短時間で本番を迎えることになったのである。しかしながらこの合唱団はかなり柔軟性があり、吸収力が優れているので本番までには何とか仕上げてしまうのである。選曲は区のおエライさんの意向も斟酌され、祝賀にふさわしいものに決定した。

特別ゲストに著名な音楽家、谷村新司氏や狂言師の野村万蔵氏なども参加、ジュニアアーツという子供たちの合唱団も加わり、ナント3時間半に及ぶ一大イヴェントだった。

合唱演目について
前掲プログラムのように一二部に別れ、盛り沢山な曲目だったが、合唱部分は全九曲だった。ポピュラーからアイーダの「凱旋行進曲」までバラエティニ富んでいた。お祭りコンサートにふさわしい曲目と谷村新司氏と歌った彼のヒットナンバーのバックコーラスが特徴的であった。 ジュニアアーツの子供たちと歌った曲も三曲ある。

★「ファンファーレ」を初演
この祝賀のために作曲家日高氏に委嘱して新たに作曲してもらった15分程度の壮大な作品
コンサートの冒頭に演奏されたが、金管のバンダが二階客席後部に10人ほど並び、パイプオルガンに合唱が加わり壮大な響きだった。この曲は演奏会の直前に完成したため稽古の回数は数回だけだった。

 以下はスコアの最初の部分


★難しかった曲
やさしい曲は無いが、特に難しかったのはヴェルディのオペラアイーダの「凱旋行進曲」だった。他の曲は曲りなりにも暗譜して臨んだが、この曲だけは無理だった。今回はバスのパートだったが稽古中も正確な音を取るのに苦労した。

なお、今回はバスパートの参加者がわずか6名で極端に少なく、とても混声合唱とは言えないこともあり、藤原歌劇団合唱部からテノールも含めて、男声パートについて約20名のお手伝いさんが出演した。
プロの若く素晴らしい歌声に引っ張られ非常に歌いやすく、お陰さまで終始自信をもって気持ちよく歌うことができた。

ソリストたちのオペラアリア、ゲストの谷村氏のワンマンショウは舞台裏に待機していたため観ていないが、観客の反応は非常に良かったようだ。谷村氏とは終盤ベストヒットの「昴」と「サライ」を歌うことができたのは得がたい体験であった。
これらを一応覚えたので機会があればカラオケで歌ってみたい。