恩師の個展を観る






 このサイトの「思い出話」の中でも紹介させていただいた高校時代の担任教諭だった藤田富雄先生の個展が先月、銀座の清月堂ギャラリーで開催され、友人のNH君等からのお誘いもあり、作品を鑑賞する機会を持つことが出来た。
その模様やいくつかの作品を感想を交え紹介してみたい。

 藤田教諭のことについては「思い出話」のページで詳しく紹介させていただいたが、私が若い頃少なからず感化を受け、その後の生き方にも影響を受けた忘れられない方である。
担任教諭の回想へリンク
 先生は今80歳と、うかがっているので、我々生徒より10歳年上である。非常にエネルギッシュで若々しく、万年青年だと思っていたが、二度にわたる脳梗塞の発症で入院生活を余儀なくされた。しかし、お話によると、趣味である絵画のお陰で、病を克服されつつあるとのことだ。
作品は50点近くあったがいずれも70台半ばで大学を定年退職されたのを機に、中断していた絵を本格的に再開したもので、いずれをとってみても筆致が力強く、色彩豊かな力作揃いである。
会場で絵を見て「購入したい」と申し出る人がひきもきらず、先生の人徳を感じた。
 夫人の話では大病後も制作意欲が衰えることなく、やや不自由な手で筆を左右または両手に持ち替えて描いておられたと言う。
 先生は私に向かって一枚の絵を指し示した。
それは確か「岳父が抱く初孫」の油絵で「これは君達を担任している時代に描いたものだ‥」 と感慨深げに話された。
彼は高校教諭時代に美術部の部長であったが、当時から絵を描いていたことをはじめて知った。
 今後も健康に留意され絵と共に末永く余生を楽しんでいただきたいと心から念じつつ会場を後にした。


●以下の履歴は当日会場で配布されたものである


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