「教育豊島」の輝き名人先生
「よくわかる」「楽しい授業」 子どもとともに成長する
豊島区はずっと「教育豊島」を旗じるしにしてきた。学校教育では、原点である「先生と児童・生徒の心のふれあいを深め、授業に児童・生徒の成果を表していく」という方向をとっている。子どもたちが、「楽しい」「よくわかる」授業の充実こそが、最も主体的な方向だった。
区教委はこの方向でさまざまに取り組んできたが、最もユニークなシステムとして、平成14年度から「名人先生」の認定を行うようになった。日常の教育活動、授業展開に工夫努力を重ねている先生方を積極的に評価しその成果を全区的にひろげようという意図である。
ふだん陽のあたりにくい授業活動を重視しようとする姿勢は、また、ひとりひとりの先生方の見えないところでの努力にエールを送ろうとするものである。
中野祥子先生
子どもたちは本質的に音楽が好きです。1年生に歌わせると、ずっとつづけて歌います。おどりを取り入れると殊に喜びます。童歌でおどっていると、手をつなぐことに抵抗がなくなります。
昔の文部省の小学唱歌は、たしかに言葉も難しいし、今は見ない情景もあるんですが、子どもたちにはかえって新鮮なようです。ビートルズの曲にもよく反応し、名曲の力を実感してます。
山本有子先生
英語のヒアリングの大切さを遊びの中で身につけていくことに、子どもたちは楽しく反応しています。押しつけるのでなく、間違えることをこわがらずに活動させることを大切にしてます。
授業展開のための台本づくりをします。このとき、台本を先生方に見せて意見を聞き、手直ししていきます。英語の発音、用法に関しては専門の先生方に直接うかがっています。私自身が教えられることばかりです。
中学校の英語の授業への移行がスムーズになっていくよう、中学の先生方とも連絡をとりあうことが大切だと思います
大村文彦先生
子どもが変ってきたということを実感してます。先生の言うことを素直に聞かない子がふえてきています。家庭で叱られる経験がないせいか、と思われます。父親が殊に叱らなくなっているようで、父親の役割りの重要性を強く認識させられています。
学級が子どもたちに主体的に活動できる場にするには、係、班づくりを先生の方で決めていくのでなく、相談は受けるがあくまでも子どもたちで決めていくというようなことも大切です。
畝村智子先生
部活が盛んで、運動部をいろいろの先生方が顧問をしてくれていて、指導しやすいところがあります。
体力づくりと、身のこなしの敏捷性を目的としています。授業の中でその子が成果を出すよう工夫しています。子どもたち同士で教えあって高めていくようにもしています。
体力づくりで例えば鬼ごっこをやらせてみたりすると、へとへとになるまでやります。楽しいと自分で積極的になれるんです。また、きちっとした行動が出来るように笛の合図なども子どもとの約束しておくと、瞬間的な反応に効果が出ます。
日高芳一教育長の話
「先生は授業で勝負します。黒板を見て授業するのではなく、子供と向かいあって授業するのです。子供たちに、「出来た、わかった」というよろこびを与えるために、先生は演技者でなければならないでしょう。きびしいときもあるし、やさしいときも必要です。名人先生たちが、子供に学んでいるとおっしゃっていたのに心を強くさせられています。ともどもに成長していくことが真の教育のあり方でしょう。あとは、周囲に先生方の成果を広げていっていただきたいと願ってます」
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