写された時代、遺された記憶 豊島区立郷土資料館
豊島区立郷土資料館(西池袋2-37-4)で、収蔵資料展「描かれた風景、写された時代、遺された記憶」が開催中。10月5日まで。
郷土資料館が所蔵している池袋モンパルナス(長崎アトリエ村)に居住した画家による風景画と、各作品にまつわる写真を展示。また、同館が長年にわたり取り組んできた「戦争を考える夏」シリーズの一環として、空襲体験者が描いた空襲画や空襲記録写真も合わせて展示している。
池袋モンパルナスで活躍した芸術家たちに思いを馳せるとともに、空襲画や空襲記録写真、被災資料を通して、戦争と平和の問題について考えてもらおうという企画。
展示コーナーは、「風景画と風景写真」「吉井忠氏のスケッチ」「空襲体験者が描いた空襲画」「空襲記録写真と被災品」の4つのコーナーで構成している。
池袋モンパルナスに住んでいた著名な画家・吉井忠氏から、生前に寄贈された戦中・戦後の立教大学裏周辺や長崎などの風景スケッチは初の展示になる。
また、吉井氏同様に池袋モンパルナスの画家、春日部たすく氏、高山良策氏、杉浦茂氏が描いた油彩・水彩画の風景画と、絵画と対応するほほ同時期に写された写真(同館所蔵)を展示してある。描かれた当時の背景を考えたり、絵画と写真の違い、あるいは現在の池袋周辺と比較しても楽しめる。
学芸員の秋山伸一さんは「今回の収蔵展では、池袋モンパルナス回遊美術館のテーマに、博物館らしい展示をプラスした企画です。“戦争を考える夏”をテーマに空襲展示との融合を目指しました。また、吉井忠さんのスケッチは、両者をつなぐ重要なコーナーになっています」と紹介している。
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