2009年3月

第2803号 2009年3月11日号


文化政策と産業振興
 高野区長あいさつから


 第1回豊島区議会定例会での高野区長の召集挨拶のなかから、文化政策と産業振興について紹介する。

 文化は、地域の財産であり、郷土を愛する私たちの誇りでもあります。文化の力を もって、街のイメージを大きく変える飛躍の一年とすべく、全国をリードするような取り組みを展開してまいります。

 来週2月26日から、いよいよ舞台芸術の祭典、「フェスティバル/トーキョー」が始まります。また、今年9月には、昨年、大きな反響を呼び、私たちに心温まる感動を届けてくれた、ジェームス三木氏の作・演出による「池袋わが町」の再演を行い、『演劇の街・池袋』をアピールしてまいります。

 漫画は、いまや子ども達のエンターテイメントの枠を超え、世界に知られる日本の文化となっています。手塚治虫をはじめ、漫画家を志す若者たちが全国から集まった「トキワ荘」は、かつての“椎名町5丁目2253番地”で、大きな夢を育て、時を刻んでいました。

 その「トキワ荘」の記念碑の設置に向け、これまで地域の皆さんと取り組んでまいりましたが、関係者の多大なるご協力により、南長崎花咲公園への設置が実現し、4月4日に除幕式を行う予定であります。さらに秋には、郷土資料館において、3度目となる企画展を開催いたします。

 2月14日には、このトキワ荘跡記念碑の設置を記念し、手塚治虫の長男でヴィジュアリストの手塚(てづか) 眞(まこと)氏をお迎えして、「父は天才、手塚治虫」と題する講演会を開催いたしました。

 手塚氏は、睡眠時間が3時間だったというエピソードや、トキワ荘・並木ハウス時代に書き上げた作品の紹介、そして“命の大切さ”を生涯のテーマとして取り組んだことなど、手塚治虫の生き様を熱く語られ、時を超えて人々を魅了し続ける手塚作品の奥深さを、改めて認識いたしました。

 副都心線の新駅開業により、雑司が谷界隈は新たなまちづくりのチャンスを迎えています。雑司が谷には、鬼子母神とその参道、大鳥神社や法明寺、旧宣教師館、そして数多くの文化人が眠る雑司ヶ谷霊園など、歴史を感じさせる多くの資源があり、「トキワ荘」から移り住んだ手塚治虫が創作活動を行った「並木ハウス」も、そこに現存しております。

 来年度は、これまでの目白、駒込、そして旧長崎町に加え、雑司が谷においても、歴史と漫画文化を活用し、景観にも配慮した独自のまちづくりやブランド形成の方向を検討するため、基礎調査を実施してまいります。

 駒込ブランドとして取り組む、『染井の里づくり』も順調に進んでいます。

 “桜”をコンセプトとする広場と公園の整備に加え、「桜の苗床」づくりにも取り組んでいます。3月7日には西福寺と染井稲荷の由緒ある桜木(さくらぎ)から接木を行い、3月28日には地域の皆さんとともにオープニングセレモニーを行います。さらに今後は、ソメイヨシノ発祥の地を紹介する、「桜の資料館」の設置を検討してまいります。

 なお、西部地域の文化拠点として位置づける、平和小学校跡地の複合施設については、着手を送った2年間を有効に活用し、魅力的な文化活動のあり方の検討を深めつつ、積極的に準備業務を進めてまいります。

 図書館施策の展開といたしましては、昨年11月に開催した『図書館サミット』の報告書作成を急ぐとともに、大学図書館や学校図書館との交流・連携をはじめとする「マニフェスト」の実現を、最重要課題として取り組んでまいります。

 今年度は、6大学図書館との連携強化に向け、『としま図書館ネットワーク』を立ち上げましたが、来年度は、大学と区立図書館の共同イベントの開催や、図書の相互利用を促進するため、新たな“交換便”システムの運用を行います。

 さらにこの“交換便”は、区立小中学校が団体貸出を利用する際の図書の運搬にも対応いたします。学校貸出用の図書購入費も増額するなど、学校図書館との効果的な連携を深めながら、「子ども読書活動推進計画」を着実に進めてまいります。

 現下の経済情勢は、区内産業にも極めて厳しい影響を与えています。

 来年度についても、昨年暮れから緊急の経済対策として拡充した、小規模零細企業者を対象とする利子補給や、信用保証料に関する補助率の拡大を継続するとともに、区内共通商品券の発行経費助成を拡充いたします。また、「商人まつり」についても、開催助成を3箇所から4箇所へと拡大いたします。

 3月12日からの3日間には、第二回目となる「としまものづくりメッセ」を開催いたします。このメッセは、豊島区の産業団体が総力を挙げて実施する都内最大規模の産業見本市であり、今年は、「環境」をキーワードに、環境問題に取り組む区内企業をクローズアップして開催いたします。同時に、経営相談や就職活動セミナーを開催することで、産業振興と就業の両面から、中小企業を元気づけたいと思います。


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