学習院正門など国文化財登録 貴重な建造物7つが一度に 積極的に一般公開
学習院(目白1-5-1)構内の7件の建造物等が、3月19日に行われた文化審議会(文部科学大臣諮問機関)の文化財分科会の審議・議決を経て、国の登録有形文化財に登録された。今回のように、一団体が保有する7つの建造物が一度に登録されるのは、都内でも珍しい。
今回の登録を受けた建物等は正門(明治41年築)、乃木館(明治41年築)、厩舎(明治41年築)、北別館・旧図書館(明治42年築)、東別館・旧皇族寮(大正2年築)、南1号館・旧理科特別教場(昭和2年築)、西一号館・旧中等科教場(昭和5年築)。
学習院は明治10年に華族子女のための教育機関として華族会館によって設立され、その後同17年宮内省所管の官立学校となった。以来キャンパスは神田錦町、虎ノ門、四谷とかわり同41年に目白に移転。第2次世界大戦後、学習院は私立学校となり、再出発。新生学習院の中心として昭和24年に学習院大学が誕生、今年60周年を迎える。
登録を受けた建物等のひとつ、正門は明治41年の目白校地移転とともに建設されて以来、正門として使用されている。学習院の名称は、嘉永2年(1849)孝明天皇から「学習院」の勅額が下賜されたことに遡る。キャンパス内の多くの建物が消滅、あるいは移築によって姿を変えていく中、正門は当時のままの形状を残している。現在の「学習院大学」の門標は、卒業生の寄贈により設置された。揮毫は初代学長安倍能成。
学習院では「これらの建造物は、博物館、教室、課外活動の場として現在も使用されています。これからの季節、新緑と風格ある建造物の調和したキャンパスを、近隣、一般の方にもご覧いただければ幸いです」とコメント、一般の方が文化財を見学できるようにするとしている。
登録申請手続きに関わった区では、「建造された年代が明治・大正・昭和にまたがっており、木造、コンクリート造りなどバラエティに富んでいるので、見るだけで歴史を感じることができます。今回登録された建造物は、区にとっても大変貴重なもの。今後、建物の保存・活用にも協力していきたい」と話している。
見学を希望する場合は、事前に学習院広報課電話:3986-0221内線2290に問い合わせ。見学時間は午前9時から午後4時まで。内部見学は不可。写真撮影などについては制限あり。
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