お年寄りから子供へ
手作り紙芝居が完成
区民ひろば千早
変わりゆく時代にあって、お年寄りから子どもたちに語り継ぐべきことがあるのではないか--と、豊島区要町にある「区民ひろば千早」の自主運営組織「区民ひろば千早運営協議会」の語り部部会(部長:齋藤康芳氏75歳)の12名によって、おじいちゃん、おばあちゃんたちの手づくり紙芝居が完成した。紙芝居のタイトルは、「畑ものがたり」。区民ひろば千早には、地域みんなで大根や里芋、人参、ジャガイモなどを育てている畑がある。世代間交流の要の一つになっているこの畑を題材にして、区民ひろば千早の畑の中で繰り広げられる自然界の連鎖を色鮮やかな水彩画で描いている。その中に、おばあちゃん、おじいちゃんが、子どもたちに語り継ぐ、「食育」「地域の歴史」「戦争」等、様々な想いが盛り込まれている(枚数:19枚)。
クイズ等も入り、子どもたちと同じ目線で対話しながら進められる約13分間の紙芝居だ。紙芝居の制作は、今年の5月から開始され、約半年もの歳月をかけた。地域の小学校の先生や栄養士など、あらゆる分野の方々にアドバイスをもらいながら完成させた。上演中に紙芝居を入れる木枠も、おじいちゃんの手づくり。
齋藤康芳さん(75歳)は、「ほのぼのとした絵、語り、実際に畑での収穫を通じて、親子間の会話の大切さを感じて欲しい」、紙芝居の読み手でもあり、絵を描いた別所弘一さん(79歳)は、「食べ物に対する感謝の気持ち、自然環境が人間にとってかけがえのないものであるということを紙芝居の中の親子の会話を通して教えたい」と。また、読み手の岡本まゆみさん(60歳)は、「現在の飽食の時代に生きる子どもたちに、食物への感謝の気持ちを教えてあげたい。また、豊島区の紙芝居なので区の歴史にも触れている。子ども達に分かりやすいように、そして自分たちも楽しみながら子どもたちも楽しませたい」と話している。
25日には、要町保育園で、1回目の紙芝居朗読会が開催され、園児58名が、「畑に行った気持ちになったよ。ありがとう」と色鮮やかな手づくり紙芝居「畑ものがたり」を楽しんだ。
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