2012年5月

第2944号 2012年5月23日号


梟の樹を創る会「梟の路」出版
 結成10周年の節目祝う


 池袋を中心に、街角に「梟(ふくろう)の像」を見ることが多くなった。梟のすがたにはそれぞれ違っていて、製作者も日本人だけでなく、フランス、アメリカ、ホンコンなど世界の各地の芸術家たち。台座に詩も彫られていて、注目する人もふえてきたようだ。

 この梟の像を創っているのは、「梟の樹を創る会」(岩田甚一会長)。同会は今年で結成して10年、この間に25体の梟像を完成し、設置してきた。目的では48体の像を飾るということだが、ちょうど10年で目的の半数を折り返すところになった。それを記念して記念誌『梟の路』出版と、会結成10周年記念、豊島区発足80周年を祝う会が5月14日、高野区長、江端貴子、小池ゆりこ、小林興起各衆議など来賓ら約300人の出席のもと、ホテルメトロポリタンでひらかれた。創る会の会員はもとより豊島区書道会、踊りの花柳知紫奈一門、ミュージシャンの市川綾子さん・藤田恒美さん、それに会場のホテルメトロポリタンの皆さんの協力が結集して最後まで盛会だった。席上、あいさつに立った岩田会長は「このようにたくさんの皆さまに祝っていただき感無量です。人々がこの梟の樹のもとに集い、心のふれあい、また安らぎをえられる、そんな愛される『梟』として親しまれるようになってほしい」と述べた。

 記念誌『梟の路』には、これまでの梟像25体を描いた絵が収載されている。その絵は同会名誉会長の高野之夫豊島区長が、高野陽昌(はるあき)の雅号で描いたもの。写真でなく「絵」で25体を紹介しようという試みは、やわらかい暖かい味わいを生んでいる。

 この記念の会を機会に、会が「梟像を創る会」ではなく、「梟の樹を創る会」である理由などを、会の中心でメンバーの岩田甚一会長、星川葭夫(よしお)プランプロデューサー、そして、「創る会」とコラボでイベントを行っている釜井甲子(かねこ)NPO法人芸術教育研究舎理事長・NPO法人東京児童文化協会理事長の3人の方々にお話をうかがった。


「5月の木」

-「梟の樹を創る会」である理由は。

 星川「ドイツのメルヘン街道の村々では、5月に若者たちが民族衣装を着ておどりの大会をやります。電柱のような柱をたてて、テープを持ち回りながら踊るんです。柱はきれいに飾りたてている。これをほかの地域の連中が盗んで自分のところを飾りたてて、最後まで見事に飾られているのが優勝というお祭りなんです。これは雪解けをよろこび迎えるもので、柱のことを『5月の木』というんですが、若者たちを中心にこんな活気のあるイベントが豊島区にもあったらいいな、ということで、『樹』の会なんです」

 「梟という鳥は世界中でも『知恵』を象徴する鳥ですが、これを街角に置いて、梟の路を歩くコースを創ろうということになっていったのです」

 「48体の梟像というのは『いろは』にちなんだもので、完成したら『カルタ』を作るつもりで、台座の詩の初めのことばを『いろは』にあわせています」

-梟の像の作者が各国にまたがっているのは。

 星川「世界の各地の芸術家に依頼しているのは、話題を広げる意味であり、注目を集めるためです。デザインは、製作者に任せます。材質もデザインに合うものを選んでもらいます。こちら側からは、その梟像の置かれる位置や、周辺のことなど、ストーリーを話して自由に創作してもらいます」


子供たちに夢を

-NPO法人芸術教育研究会というものは。

 釜井「幼・小学校の児童、幼児に芸術的環境を与えるという教育活動を展開しています。芸術活動としては、描く、歌う、踊る、話すなどの各面においての創造的活動で、子供たちの夢を育てる活動をしています」

-もう一つ、NPO法人東京児童文化協会というのは。

 釜井「東京の子供会の連合会というものです。豊島区など23区の各地にあり、これを東京全体でまとめたのが前身です」

 「毎年11月23日、豊島区では区の総合グランドなどで『ワンパク祭り』を催しています。対象は、幼・小学校の幼児・児童ですが、だいたい2、000人以上の子供たちが参加していて、賑やかです」「その会に梟の樹を創る会が全面的に協力してくれて、イベントの企画から、子供たちに配る、おもちゃ、お人形などのデザインまで助けてくれます」

 「今回の『創る会』の梟像第25号は、全面的なお力をいただいて、『慈母ふくろう』を完成できましたことを、深く深く感謝申し上げております。小さい子供たちが、事故に遭うことなく、無事に成長する願いをこめました」


会の運営は

-これだけの梟像を創りつづけるのは、会として大変なことだと思いまが。

 岩田「私は前任の前原弘一会長から引き継ぎました。氏が亡くなられたことに深い追悼の意を表させていただきます」

 「基本的には、会の運営は、会員の会費があてられます。梟像の制作の費用もこれが主体となりますが、寄付などもあってまかなっています。梟像ひとつを創るにあたっても、制作する芸術家との折衝から設置場所のお披露目など、さまざまのことがあり、経費がかかります。星川さんにはいろいろ飛び回ってもらっていますが、その費用は、星川さんに自費でやってもらうことが多いのが現実です」

 「元気であるうちは、微力ですが会の発展に尽くして参るつもりです。広い方々のご協力、ご理解をいただければ幸いです」


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