2012戦争を語り継ぐ 区民ひろば高松の恒例行事
8月15日の終戦記念日に因み、歌や語り、映像を用いるなどして、戦争の悲惨さを次世代へ語り継いでいこうと、「2012 戦争を語り継ぐ―それぞれの戦争・その時わたしは―」が8月6日午後、区民ひろば高松(高松2-25-9)で開催された。
区民ひろば高松では、戦争について振り返るプログラムを毎年行なっており、4回目の実施となる。今年は、「戦争体験者からの生の話を伝えること」がテーマ。昨年までは、戦争に関連したお芝居や歌等を中心に実施していたが、今年は疎開、戦災、引き揚げ等の体験をした本区になじみのあるパネリストを招き、それぞれの立場の体験を語ってもらうのが中心。戦争を実体験した世代が年々減少していく危機感が今回の企画につながった。また、パネリストの発表後、会場の参加者からも体験談の発表を募る等「参加型」のプログラムとなっている。
プログラムには、130名が来場。パネリストによる戦争体験談では、自身が体験した戦時中の様子を、戦争体験者4名が生の声で参加者へ語りかけ、豊島区郷土資料館職員が史実を補足した。中でも、空襲を体験した廣瀬 〓(ひろせ あきら)さん(84歳)は、「昭和20年4月13日(城北大空襲)、午後11時に、けたたましい警報が鳴った。周囲は煙で真っ暗になり、逃げるので精いっぱいだった。」と話し、「今回は自身の戦災体験の一部を話したが、他にも知っている範囲で当時の様子等を話すことができるので、是非機会があれば戦争について皆さんと語り合いたい。」と会場へ訴えた。
最後は、参加者からの戦争体験談を募ったところ、3名が挙手。戦時中を池袋で過ごした女性は、妹や弟を先に根津山へ避難させ、母親と布団をかぶりながら、立教大学の講堂へ避難した経験を語った。空襲後、自宅のあるはずの場所に戻ったら、辺り一面何もなくなっていたとのこと。また、集団疎開を体験した女性は、上級生として下級生の面倒をみた経験を語り、海軍の一員として船に乗り込んだ男性は、当時の様子を振り返りながら、戦時中の様子を語った。参加者は、時折うなずきながら、一人一人の話に熱心に耳を傾けていた。
他にも、緑川るみ氏によるピアノ演奏が流れる中、荒れ果てたまちや焼夷弾投下等の戦時中の様子を写したスライドや、清水弘子氏による「私が一番きれいだったとき」の独唱が行われた。最後は、緑の会による「アメイジング・グレイス」の合唱、参加者全員で「ふるさと」を歌い、平和を願って終了となった。
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