非難生活の苦労ねぎらう ホテル料理長ら食事会を企画
区内に避難している東日本大震災の被災者を対象とした食事会「としま地域交流のつどい」が8月20日お昼、池袋西口の豊島区立勤労福祉会館6階大会議室で開催された。
長引く避難生活の苦労をねぎらい、同郷からの避難者同士の交流などを深めてもらうのが目的。この食事会は昨年、西洋料理の調理士らで構成する「公益社団法人 全日本司厨士協会」が、何か被災者の力になりたいと豊島区社会福祉協議会へ申し出、豊島区との共催により実現し今回で3度目。
豊島区内のホテルや区近隣のホテルの料理長ら33名が和洋中の22種類の料理を準備し、ブッフェ形式で提供した。
豊島区には、7月31日現在、岩手県、宮城県、福島県、茨城県から181人が避難生活を続けている。同協議会では、見知らぬ土地で避難生活が長期化するに従い、将来への不安解消やひきこもりの予防など心のケアへの対応として昨年10月に区内に2か所(巣鴨・千川地区)のサロンを設置している。
この日の食事会には、避難者41名のほかサロンのスタッフや災害ボランティア、民生委員など約100名が参加。テーブルでは、シェフの「おいしいですか。」の質問に「みんなおいしいです」などの会話も聞かれ、心を込めた料理に舌鼓をうちながら避難者たちは懇談を楽しんでいた。
全日本司厨士協会総本部会長の宇都宮久俊さんは「私たちの料理が皆さんの健康や明日への希望につながればうれしい」と、同協会東京地方本部会長の大矢弘榮さんは「また皆さんにお会いできたことと、タコや巻貝など福島の食材が東京へ流通するようになったことをうれしく思います。心を込めた料理で、ひと時でも幸せな気持ちになってください」と話した。
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