2013年5月

第2988号 2013年5月8日号


富士見台小にビオトープ
 ロータリーCがプレゼント


 豊島区内の東京池袋・東京池袋西・東京豊島東の3ロータリークラブが協賛して、豊島区立富士見台小学校(渡邉和子校長、南長崎1)の児童たちに生物の住む自然空間を再現した「ビオトープ」をプレゼント、4月25日に高野区長、三田教育長、3ロータリークラブ、学校関係者、児童ら多数が出席して校庭に作られたビオトープ前で引き渡し式が行われた。

 引き渡されたビオトープは校庭の隅に柵で囲われた広さ約90平方メートルの多種の植物のなかに川が流れる空間で、すでにメダカとホタルの育成が始まっている。またオタマジャクシも自然発生して、子どもたちを喜ばせている。

 ビオトープ建設の中心となった東京池袋ロータリークラブの尾崎武正会長は「このプロジェクトは、2010年に富士見台小学校の前校長の須藤先生より、校庭にビオトープを創って欲しいとのご依頼から、クラブの社会奉仕委員が中心になって、1年半に及ぶ企画の検討を行い、同時に都内各地のビオトープについて調査をしてきました。その結果、豊島区には、川や池の水辺が少ないことがわかりました。身近に虫や鳥が集まる自然と接することは環境教育上、期待するところが大きいと判断し、この企画をスタートさせました。 2012年春から、三田教育長ともご相談の上、渡辺校長、関根副校長を中心にビオトープの勉強会を5年生とエコ委員会で行ってきました」、また「私たちはこの富士見台小学校のビオトープをきっかけに豊島区の他の多くの学校にも小さい自然が増えてゆくことを願っています。ビオトープから、生き物と自然のかかわりを身近に観察し、どうか多くを学んで下さい」と話している。

 緑被率が低い豊島区では、学校や公園等に植樹をする活動が進められおり、少しずつ豊島の地にも小さな森ができつつあるが、川や池のような水辺が少なく、学校の校庭に、虫や鳥などが集まる場所として、子どもたちが身近に自然を感じることができるビオトープは貴重だ。

 富士見台小学校では、総合的な学習の時間に、5年生の「環境プロジェクト」を位置づけて学習に取り組んでいる。ビオトープの建設にあたっては、昨年より5年生の児童が中心となり生態系の勉強会を実施。10月には、エコ委員会の子どもたちでビオトープの想像図を描き、その後、児童達が草を刈り、池の穴を掘ることからビオトープ作りがスタート。ロータリークラブから工事費の寄贈を受け、11月より、造園業者による仕上げの工事が行なわれた。3月には、池に渡す間伐材を使用したマルタ橋も完成。最後に子どもたちの手で生き物を放流したり、植物を植栽したりするなどし、待ちに待ったビオトープが仕上がった。今後は、新5年生やエコ委員会の児童が中心となって、ホタルが飛び交い、植物や生物が自然に育つ場所になるよう、ビオトープの環境を維持していく。同小学校の渡邉校長は、「全校児童が『富士見台小ビオトープ』の観察を通して、校庭や地域の植物や生物にも関心をもたせ、都市型環境教育に繋げていきたい。」と話した。また、5年生の児童は、「ビオトープでオタマジャクシやミミズを観察することができた。『富士見台小ビオトープ』でホタルが飛び回る姿を見てみたい。今後下級生にも自然に触れ合ってもらいたい。」と6年生から引き継いだビオトープに対する思いを述べた。また、6年生の児童は、「地域にも愛される『富士見台小ビオトープ』になって欲しい」と語った。なお、式典出席者には、ビオトープが整備される様子を写真付きで紹介したリーフレット「ビオトープ完成までの軌跡」も配付された。

 富士見台小学校では、以前から環境学習、エコ活動に力を入れており、子どもたちの発案で「エコ委員会」を設立。エコ委員会では、エコポスターを製作し全校児童に呼びかけたり、エコボックスを設置したりするなどエコの意識を高め、実践力が育まれるような活動を展開している。その活動が認められ、平成21・23年度には、東京都の「環境教育優良校」を受賞した。


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