2013年6月

第2993号 2013年6月19日号


現庁舎地の活用について
 高野区長の議会あいさつから


 第2回豊島区議会定例会が6月13日に開会、初日招集あいさつに立った高野区長は①新庁舎整備等の推進、②現庁舎地の活用について、③安全・安心創造都市の一層の推進、④区のブランド力向上、⑤福祉について、⑥教育について――述べた。そのうち新庁舎整備と現庁舎地の活用を掲載する。

 現庁舎地活用の検討を進めるにあたり、事業者募集の与条件となる、公会堂敷地に隣接する民間敷地の問題、そして新公会堂の整備内容などについて、昨年度から検討をしてまいりましたが、この度、基本的な方針を決定いたしました。

 まず、隣接地につきましては、20年前の旧庁舎建設計画時も敷地の一体化に向けて、交渉を重ねてきた経緯があります。改めて一昨年来、誠意を尽くして隣接地の活用について打診してまいりましたが、今年の3月に入っても地権者との協議に進展がみられませんでした。これ以上、交渉を長引かせることは、今後のスケジュールに大きな支障をきたすことから、断腸の思いで、区敷地単独で活用を進めることを決断いたしました。

 これにより、民間事業者からの提案を募集する土地の面積は、本庁舎敷地3,637平方メートル、公会堂・旧分庁舎敷地3,049平方メートル、合計6,686平方メートルとなります。敷地が二つに分かれますが、様々な建築手法を最大限に活用することで、現庁舎地とその周辺の発展につながる活用に取り組んでまいります。

 次に、新公会堂につきましては、これまで現公会堂と同規模の800席、3,000平方メートルを想定してまいりましたが、現在、池袋駅周辺には1,000席程度の多目的ホールがない状況を踏まえ、公会堂・旧分庁舎敷地において、1,200席程度、約6,000平方メートルの規模で整備する方針を固めました。

 整備手法としては、民間事業者が建設する施設と一体的に整備するため、新公会堂建設を委託することを想定しておりまして、完成後、区は新公会堂部分を区分所有することとなります。

 新公会堂の建設に当たっては、先人が築いてきた豊島公会堂の輝かしい歴史を大切にしつつ、成人式や小中学校の連合行事等にも利用でき、かつ質の高い優れた舞台芸術にも対応できる多目的ホールとして、まさに未来に向けて豊島区の文化芸術活動のシンボル施設として位置づけ、整備を進めてまいります。また、多くの民間事業者の参画を得るためにも、現庁舎周辺におけるまちづくりの魅力あるビジョンを示す必要があります。

 そのため、豊島区の都市政策顧問である隈 研吾氏、そして新庁舎のランドスケープをご担当いただいている平賀達也氏に協力を依頼し、新ホールの外観や南北の軸となる中池袋公園前からサンシャイン通りに至る区道、そして中池袋公園について一体的かつ斬新なデザインの検討を進めているところであります。特に公園・道路整備については、民間事業者が建設する施設と合わせ、旧来の池袋のイメージを一新できる、また、この現庁舎周辺エリアを新たなにぎわいと文化創造の拠点とすることができるよう検討中でありまして、これにより周辺エリアの将来に魅力を感じ、民間事業者の進出意欲が高まることを期待しております。

 公有地を活用して新庁舎整備を行う豊島区の取り組みは、空中権売買による東京駅の駅舎整備とならび、民間資金を活用したインフラ整備のリーディング・ケースとして、国土交通省からも注目されています。先日も、3名の担当官が豊島区に来庁され、意見交換を行いました。現庁舎の活用について民間事業者と協力し、先進的、画期的取り組みにチャレンジしてまいりたいと考えております。

 また、区民センターを改築し、隣接する池袋保健所と一体的に活用したいと考えておりました「健康センター構想」について、申し上げます。

 「健康センター構想」は、相談・情報発信、健康づくり、医療連携、健康危機管理の四つの機能を担う地域医療や健康づくりの拠点となる施設として、これまで検討を進めてまいりました。

 しかし、健康センター構想の大きな柱として考えておりました健康診査センターの移転が、ワンフロアの面積の狭さや技術面、費用面から極めて難しいこと、また、健康診査センターが清掃工場の還元施設として建設された経緯、そして高齢化が進展する中では、地域密着型のサービス体制の構築がまず求められていることなどから、 健康センターを区民センター跡に整備する方針を見直しせざるを得ませんでした。

 一方、昭和44年に建築した区民センターは、耐震性が不足しており、急速に老朽化が進んでいることから、いずれにせよ早急に建て替えねばならない状態にあります。

 このため、現庁舎地の活用における新ホールと連携をとりつつ、新ホールの機能を補完し、また現区民センターの機能を維持・拡充するかたちで、改築計画を策定することといたしました。

 新区民センターは、現在214席ある文化ホールを400~500席のスペースに広げ、貸室機能も整備し、講演会、演説会、発表会、音楽の練習、会議など、区民のみなさんの多様なニーズに対応し、低廉な使用料で利用できる施設としてまいります。なお、新庁舎への移転に関連する区役所別館や区民センター、生活産業プラザなどの施設利用や事務室再配置の全体像につきましては、第三回定例会において、具体的な説明をさせていただきます。

 豊島区はこれまで、小中学校の跡地を有効活用するため、民間資金と活力を呼び込み、様々な社会基盤を誘致・整備してまいりました。そして、今回の現庁舎地の活用は、先ほども申し上げましたが、先進的、画期的取り組みにより公有財産活用の総仕上げにしたいと思っております。

 このため、これまでの経験を活かし、事業者選定の透明性・公平性の確保に留意しつつ、民間事業者の自由な発想による魅力あふれる提案を引き出してまいります。

 80年の長きにわたり、豊島区の自治の拠点としての役割を担ってきたこの地について、活用の基本条件である対象エリアと新ホールの規模を定めたことで、いよいよ来年春に予定する民間事業者募集に向けたステップがまず一歩大きく進むことになります。これからが、まさに正念場であります。新庁舎の整備からつながる一連のプロジェクトを成功させるべく、私が最前線に立ち、その成功に向けて全力を尽くす所存であります。


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