大震災の被災者招いて としま地域交流のつどい
区内に在住している東日本大震災の被災者を招いた懇談と昼食会「としま地域交流のつどい」が8月19日正午から、池袋西口の豊島区立勤労福祉会館6階大会議室で開催された。
被災者らの苦労をねぎらい、同郷の方々と和やかなひと時を過ごしてもらうのが目的。この食事会は、西洋料理の調理士らで構成する「公益社団法人 全日本司厨士協会東京地方本部」が、何か被災者の力になりたいと豊島区民社会福祉協議会へ申し出、豊島区との共催により実現し今回で4度目。
豊島区内のホテルや近隣のホテルの料理長ら37名が和洋中の21種類の料理を準備し、ブッフェ形式で提供。福島県産の牛肉を使用した料理や、福島県会津の郷土料理「小づゆ」も並んだ。
豊島区には現在、福島県、岩手県、宮城県、茨城県の4県から79世帯・166名が移り住んで暮らしている。同協議会では将来の不安解消やひきこもりの予防など心のケアへの対応として、被災者が自由にお茶会や情報交換のできる常設の「サロン」を巣鴨(巣鴨3-19-4SKビル1階)と千川(千川1-30-7グレイス千川101)の区内2か所に開設。地域区民(町会・民生児童委員・青少年育成委員・災害ボランティア)との新たな交流を図ることで、地域でのより豊かな生活を支援している。
この日の食事会には、区内に在住する被災者52人のほか、災害ボランティア、民生委員など計105人が参加。シェフたちが心を込めて作った料理を笑顔で楽しんだ。また、サンシャインシティプリンスホテル料理長山内欣一氏による氷彫刻の実演も行なわれ、みるみるうちに削られ白鳥に姿を変えていく氷に会場からは歓声が上がった。
全日本司厨士協会総本部会長の宇都宮久俊氏は「一流のシェフたちが腕を振るって料理を作った。熱中症対策には栄養のあるおいしい料理を食べるのが一番。ゆっくり食事を楽しんでもらいたい。」と、同協会東京地方本部会長の大矢弘榮氏は「以前、三陸にはおいしい食材を求めてよく足を運んだ。皆さんとお会いできてとてもうれしい。これをご縁に皆さんと大きな絆でつながりたい」と話した。福島県南相馬市から避難している女性は「一人暮らしなので、このように手のこんだものはなかなか作れない。特に『小づゆ』がとてもおいしい」と感想を語った。
»» BACK
|