2013年8月

第3001号 2013年8月28日号


商店街が高める地域防災力
 南池袋パーク商店街で聞く


 商店街の方々が中心となって町のコミュニティを形成する、そのコミュニティこそが地域の防災力を高めていくことに繋がる――。

 JR池袋駅東口から徒歩3分にある南池袋パーク商店街。ここは商業ビルが多く少人数の従業員で構成されるテナントが多い。

 その近隣に事務所を構える防災コンサルタント若林氏は大規模な地震が起こった際の問題を指摘する。「震災直後、人々は家に帰りたいと駅に向かう。しかし帰れない場合、水や食料、トイレを求めてこの商店街に人々がやってくる。そうした際、商店街は受け入れることができるのか」。

 また、南池袋パーク商店街事務局の富澤氏は「商店街としては拒否することはあり得ない。しかし商店街内のテナントに関しては各ビルのオーナーが消防責任者。一任しているのが現状なので不安もある」と。

 若林氏は、3・11があったから地震対策をしようではなく、起こった教訓をどう生かしていくのかが問われている、と続ける。

 富澤氏の祖父富澤信介氏はプロの画家で関東大震災を経験、その惨状を画集に残し富澤氏にも語り継いでいたという。

 「祖父が良く言っていたのは震災後の火事について。隅田川へと逃げた祖父は対岸であがる火柱に焼け焦げそうな思いをしたとか。その経験からか南池袋公園が出来上がる際、公園の周りにガードレールを設置する働きかけをした。理由は、公園が避難地になった際、車が公園の周囲に停めてあったら火が燃え移り人々が逃げ込めないから」と。

 若林氏は「震災後怖いのは火事。教訓としては耐震構造のビルなどでは地震の後、踏みとどまって火種を消すことを心がけて欲しい。」と。

 富澤氏は「防災訓練に参加し、近所の方と知り合い、情報交換をして欲しい。日中商店街内にいる若い商人が頼り。町と商店街とが緻密な連携が出来たら火災対策にもなる」と。

 「自分自身が助ける側になるのか、助けられる側になるのか。怪我をしなければ助ける側になれる。自分の身は自分で守ることを徹底し震災に強い環境づくりを心がけることが重要」と、若林氏。(A)

 *この対談の様子は「明日につながる街づくり」(としまチャンネル(111ch)で毎日放送中。1日二回13時・19時)。


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