竹岡健康学園で退園式、閉園式
豊島区立竹岡健康学園(千葉県富津市竹岡)の退園式・閉園式ならびに思い出を語る会が3月9日に行われた。
竹岡健康学園は、昭和10年7月に、児童の健康増進を目的とした夏季臨海学校として、開校。その後、虚弱児童の健康教育を目的とした東京市立竹岡養護学園となり、昭和19年には、都立竹岡疎開学園として東京都の学童疎開に貢献した。戦争が終了した後は、昭和21年5月に豊島区立竹岡養護学園として再スタートを切り、昭和53年に現在の「竹岡健康学園」に名称変更し、運営を続けてきた。
入園対象は、肥満・ぜん息・虚弱・偏食など健康上に課題のある区立小学校に在籍する3年生から6年生までの児童。房総半島の恵まれた自然環境の中で、全寮制の学園で規則正しい集団生活を送りながら、区内の小学校と同じ内容の学習をすることで、早期に原籍校に復帰できるよう、健康課題の改善に取り組んできた。また、学園生活で身に付けた健康回復・改善に必要な知識が退園後も生かされていくように、意識の向上を目指してきた。
しかし、児童の健康改善に大きな成果を上げてきた本園だが、近年の入園児童数の減少により、平成13年度に区で定めた存置基準(一つの学年に在籍する児童が3名未満となる学年が複数存在する状況が2年間連続した場合には当該年度をもって学園を廃止)に抵触。存廃を検討した結果、中長期的にも増加に転じる状況が見られないことから、閉園はやむをえないという結論に至った。他区でも健康学園の閉園が進んでおり、かつて23区中最大17区で運営してきた健康学園は、同園が閉園することで、中央区のみでの運営となる。
閉園式では、全校生徒10名が参加。1人1人が今まで同園で頑張ってきたことやこれからの目標を宣言。また、健康学園での生活に思いを馳せながら、在園児童が合唱や合奏のほか、学園の歴史や1年間の活動の様子をまとめた記念DVDの上映等行われた。また、出席者には、上映したDVDや、記念誌、学園手作りの貝細工・コースターなどを配付。
竹岡健康学園の跡地は、区内小学生の校外学習施設及びロケーションスタジオとして、5年間の暫定活用を行っていくことが決定している。
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