がん対策さらに充実 子宮頸がん検診にHPV検査
豊島区は5月21日から、23区で初めて子宮頸がん検診にHPV(ヒトパピローマウイルス)検査を導入、また6月からは胃がんリスク検診も開始することとなった。
区では、予防の観点を最重視し、6つのがん検診(胃がん・肺がん・大腸がん・子宮頸がん・乳がん・前立腺がん)を実施。区民はこれらすべてのがん検診を無料で受診可能とし、また、小中学校において全国に先駆けがんに関する教育を行うなど、がん予防の取り組みに力を入れている。検診受診率はここ数年で3倍近く上昇したが、今年度からは、若い世代のさらなるがん予防強化を視野に、新たな検査方法・検診を取り入れ、早期治療に繋げる。
区では、従来の子宮頸がん検診に23区で初めてHPV検診を取り入れ、一部の年齢(30・36・40歳)の方を対象に、これまでの細胞診と同時実施する。細胞診とHPV検診の2つを組み合わせることで、検査の精度が向上し、「前がん病変」の発見率を高めるのがねらい。
また、6月より20歳と40歳を対象に、胃がんになるリスクを測定する「胃がんリスク検診」を新たにスタートさせる。胃がんリスク検診は、特定健診と同時に検査ができ、特定健診対象者以外は8月から検査が可能となる。
胃がんは、罹患数・死亡数が多いがんの一種。しかも、早い段階で自覚症状が出ることは少なく、進行しても無症状の場合がある。このようながんの特性から、リスク検診として、20歳を対象に「ピロリ菌検査」を、40歳を対象に「ABC検診(ピロリ菌検査・ペプシノゲン検査)」を実施する。
特に胃がんの発生に関与すると言われているピロリ菌は、除菌することにより、胃がんの発生リスクを低減でき、年齢が若いほど有効であると言われている。
どちらの検診も対象者には、区より受診券を送付。実施医療機関で受診が可能。さらに、以上の新規検診に加え、子宮頸がん・乳がん検診については、平成21年度から25年度までに検診を受けていない一部の年齢の人には、今後再度無料受診券も送付する予定。対象年齢時に、機会を逃してしまった方に対し、がん検診の受診を促す。
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