巣鴨中山道菊まつり 11月6日~14日 眞性寺、高岩寺、大正大
巣鴨の秋を彩る一大イベント「第22回すがも中山道菊まつり」が11月6日から14日まで開催される。
メイン会場は眞性寺境内と高岩寺境内、それに昨年から西巣鴨の大正大学が加わり三か所になった。地蔵通りの入り口の眞性寺から高岩寺、そして大正大学と「すがも菊の道」がつながり、訪れる人にとってさらにパワーアップしたイベントとなっている。また途中の区施設の待夢、庚申塚の菊花が飾られる。
毎回好評の眞性寺会場の菊花形造りの今年のテーマは「因幡の白うさぎ」。今回も若手アーティストの辻村裕二さん(造形作家)と、ささきさとみさん(絵画作家)のふたりが制作にあたっている。
眞性寺会場には地元仰高小などの子どもたちがそれぞれの思いを自由に制作した「のれんアート」が展示されることになっており、注目を集めそうだ。
期間中は、菊花の展示(盆養・五輪咲き・だるま・福助・古典菊など)、懸崖、千輪咲き、五重塔、お城、扇、盆栽、菊形作りなど多彩に開催される。また特別催事として生け花展、野点、短歌・俳句の展示、模擬店の開催なども予定されている。初日午前11時から江戸六地蔵眞性寺本堂前でオープニングセレモニーが行われる。
商店街では「『すがもの菊』を合言葉に世話人、企画委員一同今年も張り切って会場作りをいたしております。地域をあげて、巣鴨の歴史的文化の継承と地域振興の恒例の行事として、また豊島区3大祭りとして発展させていくように力を尽くしてますので、どうぞ巣鴨の菊を眺めに足をお運びください」とたくさんの来場を呼び掛けている。
歴史と伝統文化が息づく街、巣鴨。「菊は巣鴨」と、巣鴨の名が広く知られるようになったのは18世紀半ばのころ。もともと巣鴨は駒込と並ぶ園芸の里で、植木職人同士の競合で優れた鑑賞菊が生まれ、菊見の客が巣鴨に集まるようになった。
19世紀のはじめころには、1本の菊に接木して違った花を咲かせたり、さらには多数の菊を集めて技巧を凝らして黄菊の虎や屋根まで届く白菊の富士山など、大作りな「造り菊」が登場する。これが評判になって江戸の町民だけでなく、関東各地から泊りがけで菊見の客が来るようになり、大変な賑わいだったという。
こうした菊作りは明治の初めまで続けられていたが、その後衰退し、かわって文京区団子坂の「菊人形」の評判が高くなった。
こうした先人の築いた文化遺産ともいうべき「菊作り」を再現しようと平成5年、地元商店街が中心となり、街ぐるみではじめたのがこの「すがも中山道菊まつり」。江戸の庶民が楽しんだ「巣鴨の菊」は現代に息づいている。
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