1,113億96百万円 来年度予算案 「持続発展都市」実現予算 過去最大規模、財調取崩しなし
豊島区の平成27年度予算などが審議される区議会を前に2月4日、高野区長から予算案の記者発表が行われた。
27年度の一般会計当初予算規模は1,113億96百万円で、前年度に比べ33億10百万円増、3.1%プラス、特別会計(国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計、介護保険事業会計)を含めた総財政規模は1,724億98百万円、前年度に比べ101億8百万円の増、6.2%プラスと、前年度に引き続き2年連続で4会計すべての財政規模が過去最大となった。2年連続で財政調整基金を取り崩さず予算編成できている。
予算の特徴は、「持続発展都市」実現予算、「新庁舎」開設準備予算、「「財政調整基金」温存予算――の3点で、とくに昨年5月の「消滅可能性都市」発表を将来への警鐘と受け止め、対策として掲げた3つの柱「女性にやさしい街づくり」「地方との共生」「日本の推進力」を実現するため、F1会議提案の具体化、待機児童対策、国際アートカルチャー関連事業をはじめとする様々な総合的に展開する予算となっている。
一般会計の内訳は人件費218億48百万円(構成比19.6%、対前年度比4.9%増)、事業費747億48百万円(構成比67.1%、対前年度比7.1増)、投資的経費148億円(構成比13.3、対前年度比15.3%減)となっている。
区は今回の予算編成にあたって次のように方針をしめしている。
「日本経済は、緩やかな景気回復基調が続いているものの、消費税増税後の駆け込み需要の反動の長期化や海外景気の下振れなど、景気を下押しするリスクも指摘され、先行きについては不透明な状態です。
また区税収入は堅調に推移しているものの、平成27年度からは法人住民税の一部国税化の影響が生じることで、特別区財政調整交付金の大幅な減収が見込まれるなど、今後はより一層、計画的な財政運営が求められています。
こうした中、27年度予算は、区民生活の柱である福祉と教育に力点を置き、待機児童ゼロを目指した子育て支援施策の大幅な拡充、認知症対策の強化、学校改築計画の着実な実行など、区民生活を支える施策の充実に取り組みました。
さらに27年5月の新庁舎オープンに向けた様々な準備経費を計上するとともに、便利で開かれた新庁舎を目指して総合窓口や土日開庁を実施するなど区民サービスのレベルアップをはかりつつ、新庁舎まるごとミュージアムや屋上庭園の開設など、人々が集い憩いの場所となる、魅力あふれる新庁舎を実現するための予算を盛り込みました。
このように、新たなニーズに積極的に対応することを基本方針に据え、予算を編成しましたが、その一方で、将来に向けて持続可能で安定的な財源基盤を構築するため、財政調整基金の取り崩しを行わないことを目標に掲げました。その目標を達成するため、行政評価の結果を踏まえながら事業の総点検を継続し、経費の圧縮をはかったことや、景気回復に伴う歳入環境の改善に助けられ、27年度予算は26年度に引き続き、財政調整基金の取り崩しをせずに予算編成することが出来ました。
今後も、将来の備えとして、可能な限り各所基金の積み増しを行うとともに、「未来戦略プラン2015」を実効あるものとするため、総点検の実施、人件費の抑制、民間活力の活用など、構造改革に引き続き取り組み、安定的で持続可能な行財政運営の確立を目指してまいります」
重点事業は次の通り。
・女性にやさしい街づくり(F1会議からの提案を形にしました。出産前からの切れ目ない子育て支援。待機児童ゼロ作戦、着々進行)
・日本の推進料「国際アートカルチャー都市」(庁舎跡地がけん引する新たな文化にぎわい。オリンピック・パラリンピックにむけた文化プログラム始動。マンガ・アニメの聖地からクールジャパンを発信。未来遺産「雑司が谷」歴史と文化の街づくり。おもてなしインバウンドの整備。スーパーバリアフリー都市の構築。
・「超高齢社会」への対応(豊島区認知症戦略。介護予防センター構想。医療費抑制プログラム。福祉基盤の整備)
・安全・安心まちづくり(セーフコミュニティの推進。災害危機管理体制の強化。不燃化10年プロジェクト本格始動。
・新庁舎5月7日オープン(日本一の区役所窓口を目指します。ようこそ、みんなの新庁舎へ)
※各事業の詳細は次号から掲載します。
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