戦争を考える夏 郷土資料館「夏の収蔵展」
豊島区立郷土資料館(西池袋2-37-4)で夏の収蔵資料展「戦争を考える夏2015」が開催されている。同館では1984年の開館以来、戦争体験を語り継ぐため、戦時中の区民生活や空襲、集団学童疎開などをテーマに企画展示を行ってきた。戦後70年となる今年の展示では、近年寄贈されたスガモ・プリズン関係資料や学童疎開資料など、戦中・戦後の貴重な初公開資料を中心に紹介する。8月30日(日)まで。
展示は「スガモ・プリズン」、「集団学童疎開」、「戦中・戦後のくらし」、「防空演習と空襲」の4つのテーマから構成されている。
「スガモ・プリズン」のコーナーではかつて池袋に存在したスガモ・プリズン(現在のサンシャインシティ)で収容された人々の獄中での暮らしを見つめる。スガモ・プリズンは戦後行われた戦争犯罪裁判(東京裁判、横浜裁判)で起訴された、あるいは有罪判決を受けた人々が収容された施設。今回はBC級収容者のご遺族から寄贈をいただいた資料が展示されている。刑を軽くすることを求める嘆願書や裁判関係書類をはじめ、施設内で使用された学習テキスト、句歌集、出所者への寄せ書き、普段の生活を描いたスケッチ、版画、「すがも新聞」など多様な資料が集まっている。
「防空演習と空襲」のコーナーでは戦時中にどのような防空対策がとられたかを学ぶことが出来る。空襲に備え隣組や婦人会が組織され、地域で消火・避難・救護訓練が徹底して行われていた。しかし1945年3月10日の東京大空襲(死者約10万人)以降、B29による無差別爆撃に対して、これらの対策はほとんど無力だった。特に1945年4月13日の城北大空襲(区内死者778人)では区の約7割が焼失。このコーナーでは区内で行われた防空演習の様子の写真と、初公開となる戦後の焼け跡の写真が展示されている。
なお、7月25日(土)と8月22日(土)には同館学芸員による「展示みどころ解説」も行われる。各回14時から40分程度で、事前申し込み不要。展示資料について分かりやすい解説を聞くことが出来る。
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