特集「雑司ヶ谷ナス」 地元大学生が作る区広報紙
豊島区の広報紙「広報としま」9月1日号(特集版)に、地元立教大学経済学部の学生が企画・編集した「雑司ヶ谷ナス」の特集が見開き2ページで掲載され、話題になっている。
学生による紙面制作は、学生参加による若い目で見た広報活動を強化し、高齢の読者が多い広報紙に若い世代にも興味を持ってもらおうと区広報課が同大学の廣江彰ゼミナールへ提案したもの。
これまで「銭湯特集」(平成26年10月21日号)、「トイレ特集」(平成27年3月21日号)を制作し好評だった。第3弾となる今回は、廣江ゼミナール4年生に加え、同大学で農業経済を研究する大山利男ゼミナール3年生も参加。全世代に共通の話題で気軽に楽しく読んでもらおうと「食」に注目し、雑司ヶ谷ナスを取り上げた。テーマは「雑司ヶ谷ナス 徹底解剖」。雑司ヶ谷ナスは、江戸時代から大正時代にかけて、雑司が谷地区一帯で盛んに栽培されていた江戸東京野菜。区民の認知度が低い雑司ヶ谷ナスを取り上げることで、豊島区の新たな一面を探った。紙面は文字数を減らし、写真を多く掲載することで読みやすく工夫している。
内容は主に3つ。「食べ比べ対決!ナス王座決定戦!」では千両ナス、賀茂ナス、長ナス、雑司ヶ谷ナスの4種類のナスを生・焼き・揚げで調理し食べ比べ、学生の視点から感想やお勧めの調理法を提案。雑司ヶ谷ナスは、生でも甘いと感じられ、焼いてもしっかり皮が残り食べごたえがあるという。「私たちも『雑司ヶ谷ナス』を育ててみました!」は、学生が実際に雑司ヶ谷ナスを栽培・収穫した。「支える方たち」では、江戸東京・伝統野菜研究会の大竹道茂さんと、雑司ヶ谷ナスを栽培している野坂亮太さんに雑司ヶ谷ナスの魅力を聞いた。紙面は吹き出しやイラストを用い、にぎやかな雰囲気で見た目にも楽しい。
さらに、生産量が少なくスーパーなどに出回らない雑司ヶ谷ナスを一人でも多くの方に味わってほしいとの思いから、立教大学近隣の結婚式場「リビエラ東京」が9月14日に開催するリビエラファーマーズマーケットに学生が参加し、野坂さんから提供いただいた雑司ヶ谷ナスを販売する。
廣江ゼミナールの古谷勇祐さん(22)は「栽培・収穫など、学生だからこそできる企画を盛り込んだ。紙面を通して、昔は豊島区でも農業が行なわれていたことを知り、食に興味を持つきっかけにしていただきたい」と話した。区の担当者は「職員にもあまり知られていない区の伝統野菜を掘り下げて紹介してもらえた」と話した。
なお、「広報としま」は、日刊紙(朝日・読売・毎日・東京・産経・日本経済)に折り込むほか、区内各駅の広報スタンド、区内ファミリーマート、区内公衆浴場、区内郵便局、区施設の窓口に置いている。また、区内在住で、新聞を購読していない世帯(企業は除く)で、ご希望の方に配送サービスも実施している。ぜひ、手に取ってご覧いただきたいと話している。
<リビエラファーマーズマーケット>
日時:9月14日(月曜日)午後3時から5時まで。場所:リビエラ東京(西池袋5-9-5)。
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